●解説 |
1973年12月29日に公開された東宝映画『日本沈没』は大ベストセラーの映画化とあって大ヒット。約880万人の観客動員、約20億円の配給収入を得た。
そして東宝映像は映画に引き続き『日本沈没』のテレビシリーズを製作。映画封切の約半年後の1974年10月6日から1975年3月30日までの半年間、TBS系日曜夜八時〜九時の一時間番組として全26話が放送された。ただし、このテレビシリーズは映画がヒットしたから製作が決まったわけではなく、原作者・小松左京氏と映画化の契約をする際、TVドラマ化することもすでに織り込まれていたという。そのため、特撮シーンなどは映画の撮影と併行して行われている。
映画はかなり原作に近い展開がされていたが、テレビシリーズのストーリー展開は大幅にアレンジされた。主人公・小野寺俊夫とヒロイン・阿部玲子のラブストーリーの要素がかなり強まっているのが特徴的だ。ストーリー上の日付と放送日をほぼ同じにして半年の間に毎週どこかしらの地域が壊滅して様子を見せていたのも、テレビならではの手法である。
なお、放送終了9か月後にあたる1975年12月31日午後2時30分には、90分枠の総集編が放送されている。短く収めるためにテレビシリーズの展開とは一部異なる構成となっていた。
●キャラクター |
■小野寺俊夫(村野武範)・・・・・・深海潜水艇の操縦士。田所博士と出会い、D計画に参加することになる。全話
■阿部玲子(由美かおる)・・・・・・静岡の財閥・阿部家の娘。小野寺と恋に落ちる。1〜14、16、19、21〜26話
■田所雄介博士(小林桂樹)・・・・・・地球物理学者。直感とイマジネーションで日本沈没を予測。1〜16、18〜23、25、26話
■森下悦子(望月真理子)・・・・・・小野寺の婚約者だったが、伊豆の地震に遭遇し帰らぬ人となる。1、2話
■結城達也(橋本功)・・・・・・小野寺の親友。当初はわだつみ号のバックアップを担当していた。1〜3、14、16話
■吉村秀夫(仲谷昇)・・・・・・海洋開発センターの運行部長で、小野寺の上司。海中レジャーランドを計画。1〜7話
■幸長信彦助教授(細川俊之)・・・・・・田所の教え子で、やはり地球物理学を専攻。日本沈没を信じ、田所に協力する。1〜4話
■山城教授(佐々木孝丸)・・・・・・明和大教授。地球物理学会の権力者であり、田所の説を否定する。1、2、6、8、9、11話
■大泉教授(幸田宗丸)・・・・・・D1計画のメンバーの一人で、山城教授の配下。田所の説を否定する。1、2、6、8、9話
■中河原教授(伊豆 肇)・・・・・・D1計画のメンバーの一人で、山城教授の配下。田所の説を否定する。1、2、8、9話
■谷口博士(松下達夫)・・・・・・D1計画のメンバーの一人で、山城教授の配下。田所の説を否定する。1、8、9話
■野末技官(佐原健二)・・・・・・気象庁技官。当初は田所の説を否定していたが、後に彼に協力する。1、2、5、6、14、19〜21話
■小野寺千造(小栗一也)・・・・・・小野寺俊夫の祖父。家を継がずに東京へ出て行った俊夫に何かと小言を言う。1、6話
■小野寺加代(丹阿弥谷津子)・・・・・・小野寺俊夫の母。息子の安否を心配する。夫は8年前に亡くしている。1、2、6話
■小野寺春子(沢田亜矢子)・・・・・・小野寺俊夫の妹。二人目の子供を身ごもったまま鎌倉地震に遭遇。1、2、4、6、15、23話
■小野寺周二(岡本信人)・・・・・・春子の夫。小野寺家の婿養子として鎌倉彫の老舗「吾妻屋」を継ぐ。1、5、6、15、23話
■小野寺健一(小塙謙士)・・・・・・周二と春子の息子。頼りない父親と違ってしっかり者。俊夫と仲がいい。1、5、6、23話
■坂本シゲ子(京唄子)・・・・・・小野寺の住むアパート「青山ハウス」の管理人。元芸者。1〜3、7〜9、11〜14、21、24話
■坂本平助(鳳啓助)・・・・・・シゲ子の夫。タクシーの運転手をしている。1〜3、7〜9、11〜14、21、24話
■マリア・ベイリー(マリ・クリスティーヌ)・・・・・・小野寺と同じアパートに住むクラブ歌手。日本人の父をさがす。1〜3、9、16、25話
■辰野長治(田中邦衛)・・・・・・毎朝新聞の記者。田所博士をつけ回し、彼が何を調査しているのかさぐる。2、4〜6話
■中田一成(黒沢年男)・・・・・・総理府秘書官。幸長の親友で、剣道五段。田所に協力する。3、4、8〜13、16〜20、26話
■渡老人(中村雁治郎)・・・・・・政財界の黒幕。田所の説を信じ、D計画のために膨大な資金を提供する。3、11話
■阿部信太郎(内田朝雄)・・・・・・静岡の資産家で、玲子の父。玲子と小野寺の交際に猛反対する。7、8、11、16話
■松川総理(山村聰)・・・・・・国民のパニックをおそれ、日本沈没について虚偽の発表をする。13、20、23話
■有吉麻耶(小川知子)・・・・・・パイパー機を所有する女性パイロット。小野寺に一目惚れし、協力する。17、18、20話
■山川ノブ子(大井小町)・・・・・・日本救護センターに所属する看護婦。玲子と行動を共にすることが多い。21〜26話
■邦枝助教授(山本圭)・・・・・・脱出実行委員会関東プロックのチーフ。明和大で情報科学を教えていた。23〜25話
■大木二佐(轟謙二)・・・・・・脱出実行委員会のメンバーとして邦枝助教授の指揮下で働く自衛官。23〜25話
■機動隊員(杜沢泰文)・・・・・・脱出実行委員会のメンバーとして邦枝助教授の指揮下で働く機動隊員。23〜25話
●全話ストーリー |
第1話 飛び散る海
1974年初秋。海洋開発センターの小野寺俊夫は深海潜水艇「わだつみ号」を操縦し、海底調査のため伊豆半島沖に潜ることになった。依頼主は地球物理学者の田所博士。彼の強引な依頼のため調査予定は延長され、小野寺は婚約者の悦子と約束していた旅行を一日延期せざるを得なくなった。悦子は一人で伊豆へ向かい、そこで小野寺の帰りを待つことにした。
小野寺が田所と共に伊豆沖を潜っていた時、突如としてその海底を震源地とする直下型地震が発生。科学の粋を集めて作られた「わだつみ号」は危うく難を逃れるが、地震は伊豆半島に甚大な被害を及ぼしていた。地上に戻った小野寺は自分を待っているはずの悦子の身を心配し、彼女をさがして車を走らせる。そして、散々さがしまわった挙句に小野寺が見たものは、棺に入れられた悦子の変わり果てた姿だった。
数日後、小野寺の上司・吉村のもとを訪れた田所はもう一度海底に潜りたいと申し出た。彼の言によれば、次は姫路に地震が起こるのだという。だが、小野寺は頑なにその申し出を拒否する。田所が無理な依頼さえしなければ、悦子は死なずに済んだかもしれない。そう考えると、彼はもう二度と田所と一緒に潜る気にはなれなかったのだ。そんな心境の中、小野寺は高慢な財閥令嬢・阿部玲子と出会う。
やがて田所の予言した通りに姫路に地震が起こり、さらに太平洋上の小さな無人島が一夜にして海底に没した。そのため山城教授を中心とする調査団が結成され、「わだつみ号」で調査を行うべく休暇中の小野寺も急遽呼び出された。田所は伊豆と姫路の地震と小島の沈没は関連のあり、今後さらに恐ろしい事態が起こると主張するが、他の学者たちは彼の説を否定し、あざ笑うのだった。
「日本沈没」という作品を一時間モノ、全26本のテレビシリーズにするにあたっては、原作の小説にも、先に公開されていた劇場版にもないエピソードや登場人物を数多く加えていかなければならない。それはこの第一話からすでに見られるが、特に顕著なのが小野寺の婚約者・悦子の存在である。小野寺が伊豆の地震で婚約者を失ったことにより、後に玲子の愛を簡単に受け入ることができないという展開につながっていく。
伊豆の地震のシーンは中盤の見どころだが、小野寺が目にする崩れた家や道路の裂け目などは本物である。この年(1974年)の5月、まだクランクインする前に、実際に南伊豆で地震が起きており、その地震の跡を撮影したのだという。それだけに生々しく、まるでドキュメンタリーのようだ。
第2話 海底の狂流
調査団を乗せた巡視船は沈没した島のあった地点へと向かっていたが、その途中で海底火山の噴火によるベヨネーズ列岩の大爆発に遭遇する。噴火を調べたいばかりに、船長に命じてひたすら前進しようとする田所。調査団の世話役である幸長助教授は船の安全を考え、そんな彼をなんとか説得して船を港へ戻させた。
その翌日、田所は小野寺を挑発して「わだつみ号」による海底調査を強行。沈没した島には目もくれず「日本海溝へ行け」と命ずる。しかも「わだつみ」の潜水能力の限界が深度八千メートルであるのに対し、田所の要求は深度一万メートル。最初は拒否していた小野寺も、強引な田所のやり方に押し通され、その要求に応じてしまう。そして日本海溝で彼らが見たものは、不気味に渦を巻く乱泥流だった。
深海の渦に巻き込まれた「わだつみ号」は奇跡的に助かったが、小野寺は腕を負傷して入院。その入院先に、なぜか玲子が現れる。彼女は吉村の代わりに小野寺の見舞いに来たというのだ。そして数日後、退院した小野寺は吉村に命ぜられるまま、逗子にある玲子の別荘へと連れて行かれる。それは自分の計画のために小野寺と玲子を結婚させようとする吉村の陰謀であり、玲子はそのことを気づいていた。
ベヨネーズ列岩の爆発シーンは、実際に海底火山の爆発を記録したドキュメンタリー・フィルムを流用したものだという。「本物」を使用することでリアルな映像を作り出しているが、特撮シーンを目当てで見ている者としては「見たいのはこれじゃない」という感じがしないでもない。
そんな特撮ファンが注目するのは、やはり「わだつみ号」の潜行シーン。今回は日本海溝で「乱泥流」を発見し、田所博士が日本沈没を確信する要因となる。深海を表現するために「深海魚の絵」を挟み込んでいるあたりの感覚が個人的にはツボである。また、「乱泥流」そのものよりも、それを見た時の田所博士の驚きっぷりの方が凄まじく、そのオーバーな演技は本シリーズに相応しい。
「乱泥流」は「わだつみ号」を巻き込み、小野寺の腕を負傷させるが、その腕の手術を担当する医師を演じたのが、この前年の「ゴジラ対メガロ」で主演していた佐々木勝彦氏。周知の通り、佐々木氏は翌年の「メカゴジラの逆襲」でも主演している。
ところで、小野寺の婚約者だった悦子は、前回で死んだにもかかわらず今回も登場。小野寺に向かって話し始め、一通り話し終えるとスッと消えていった。小野寺の妄想か、はたまた幽霊か?
第3話 白い亀裂
浜辺で語り合う小野寺と玲子。その時、突如として伊豆の天城山が噴火し、その影響で発生した津波が二人を襲った。小野寺は逃げながらも必死に玲子を守り抜くが、負傷した右腕はまだ完治しておらず、別荘にたどり着くと共に倒れこみ、気を失ってしまう。そんな彼を玲子は一晩中看病した。
体調を回復した小野寺が東京のアパートに戻ると、そこに待っていたのは田所だった。彼は強引に小野寺を自分の研究所へ連れて行き、日本が確実に沈没することを告げる。だが、その時期については田所にもまだわからなかった。それを知るためにはもっと多くのデータが必要であり、データを得るには潜水艇の操縦士である小野寺の協力が不可欠であった。田所は日本を破滅から救うべく小野寺に協力して欲しいと申し出るが、婚約者の悦子を田所の強引さによって失ってしまった小野寺は、その申し出に応じることができなかった。
やがて小野寺の前に再び現れた玲子は彼をデートに誘った上で愛の告白をする。天城山が噴火した夜、津波から逃げるうちに純粋な彼のことが好きになったのだ。小野寺もまた玲子に惹かれていくのを感じていたが、悦子のことを考えると、玲子の告白を素直に受けるわけにはいかなかった。
小野寺は悦子の墓前に玲子のことを話そうと、悦子が眠る姫路へと出かけるが、その姫路を再び地震が襲った。地震の混乱から逃れ、玲子が待つ沼津へとジープを走らせる小野寺。その途中、彼はパトカーに連行され、大きな屋敷へと連れていかれる。そこにはまたしても田所が待ち受けており、彼の説を信じる幸長と総理府秘書官の中田、そしてその屋敷の主であり、政財界の黒幕である渡老人の姿がそこにあった。
冒頭に展開される天城山の大噴火とそれに伴う大津波。小野寺と玲子が津波から逃げるシーンが延々と描きこまれる。二人の間に愛情が生まれるきっかけとなった重要なシーンではあるが、少し長すぎるような気もしないではない。それにしても婚約者を失ったばかりで、すぐに玲子に惹かれてしまう小野寺って…。
黒沢年男演じるところの中田秘書官は今回が初登場。CM明けでいきなり彼が刀を振るシーンが入り、何者かと思っていると、中田が田所を連れて現れ、剣道五段の猛者だと紹介する。なかなかインパクトのある初登場シーンだった。初登場といえば、田所を経済的にバックアップする渡老人も初登場である。また、田所とマリアの関係を匂わせる部分もあり、後の展開の伏線が色々と散りばめられている。
第4話 海の崩れる時
再び日本海溝の調査をしたいと目論む田所たちは、渡老人を資金源に「わだつみ号」よりも深く潜ることのできる深海潜水艇ケルマデック号をフランスから購入。さらに、拉致した小野寺に無理やりケルマディック号を操縦させた。田所を乗せ、ひそかに日本を離れるケルマディック号。小野寺は慣れない潜水艇をテスト運転もなしでいきなり操縦しなければならず、操縦は困難であったが、なんとか日本海溝の最深部へと到着した。
そこでは次々と岩が崩れ落ちており、田所は日本沈没が自分の予想よりも早いことを確信する。だが、ケルマディック号は突如起こった海底地震に巻き込まれ、電気系統が故障。小野寺は懸命に修理しようとするが、なかなか故障箇所が見つからない。艇内に有毒ガスが発生し、危機に陥る二人。
死を覚悟した田所は強引な自分の行動によって小野寺を危険な目にあわせてしまったことを詫び、過去のことを語り始めた。田所を名声に取りつかれたエゴイストだとばかり思っていた小野寺は彼のことを誤解していたことに気づく。そして故障箇所をようやく発見し、修理は完了。深海からの脱出に成功し地上に戻った二人は、中田から日本の危機を救うためのプロジェクト「D計画」がすでに推進されていることを知らされた。その第一段階である「D1計画」は日本沈没の時期を測定するのがテーマであり、中田は田所にそのチーフになって欲しいと依頼する。
一方、玲子は行方不明の小野寺をさがして吉村を訪ねていた。吉村は自分の計画のために玲子に求婚するが、それを断られると、小野寺が姫路にいると嘘をつく。吉村の言葉を信じた玲子は姫路に向かうが、やがて姫路は三度目の地震に見舞われる。
ドツキ漫才で人気のあった正司敏江・玲児がゲスト出演。「お笑い寄席」なる番組で、地震をネタにした漫才を普段通りに披露した。一応設定上ではヒロ&タケシというコンビ名らしい。今回出番のなかった唄子・啓助の代わりというわけではないと思うが、どちらのコンビも元は夫婦で、後に離婚したという点が共通している。
今回はフランス製の深海潜水艇ケルマディック号が初登場。映画版では船に積まれているシーンのみで潜行シーンがなかったが、このTV版ではミニチュアも製作され、シリーズを通して見ると「わだつみ号」よりも数多く活躍している。映画の設定と異なり、潜水能力も航続距離も「わだつみ」より上だ。また、「D計画」という言葉が出てきたのも今回が初。Dがdangarの頭文字であることも中田の口から語られている。
第5話 いま、島が沈む
姫路で直下型地震に遭遇する玲子。彼女の窮地を救ったのは、後を追って駆けつけてきた小野寺だった。彼の傍から一時も離れたくないと願う玲子だったが、小野寺は田所と共に再び仕事へ出かけてしまう。
田所が調査しようとしている場所は、小笠原の南にある南ヶ島。そこは老人と子供ばかりが住む貧しい島であったが、田所の予測によれば、数週間のうちに島の半分が沈むという。日本列島にこれから起きることが数ヶ月早く起こることにもなり、島が沈む前にどんな前兆が起きるのかを見極めれば、日本沈没の際に役立つに違いない。ケルマディック号で島に上陸した二人は早速調査を開始した。
田所は島が沈むことを知らせてはならないと言うが、小野寺は島民を助けたいばかりに分教場の教師の矢島にそのことを告げ、協力を依頼する。だが、矢島は小野寺を裏切り、島が沈むことを島民たちに知らせた上、自分だけ一人で島を逃げ出してしまった。恐怖のあまり、たちまち争いを起こす人々。島の船はひとつ残らず壊され、島民たちを救うには西山へ避難させるしかない。島の大半が沈んでも西山だけは残るというのだ。最初は聞く耳を持たなかった島民たちも小野寺たちの必死の説得によって次第に避難を始める。
そして、田所の当初の予想よりも早く、島は大地震を起こして沈み始めた。そんな時、校舎が崩れるのを見た少年・太一は、自分が描いた母親の絵を取りに分教場へと走っていく。彼は母親と離れて暮らしており、母親が島に帰ってきたら、その絵を見せたかったのだ。連れ戻そうとする小野寺だったが、太一はもう戻ってはこなかった。島が沈んだ後、浮かび上がってきたその絵を握りしめ、小野寺は泣いた。
前回まではメインライターの山根優一郎氏による、言わば設定篇だが、この第五話は長坂秀佳氏が担当し、まるっきり原作から離れた作品となっている。一応、冒頭は前回からの続きだが、小野寺が玲子をどうやって助けたのかという部分にはまったく触れられておらず、物語は早々に「南ヶ島」へ舞台を移す。
善良そうに見えてわが身可愛さに生徒たちを裏切ってしまう教師、島が沈むとわかっても村祭りの準備を黙々と続ける島民、母親に買ってもらった麦わら帽子を大切にしている太一少年などのゲストキャラがとても印象的。ひとつのエピソードとしてまとまっており、番外編的なイメージが強い。もし、上映会で「日本沈没」のTVシリーズを一本だけ選ばなければならないとしたら私は迷わず本作を選ぶと思う。
第6話 悲しみに哭く大地
D計画センターの山城教授は土砂崩れの実験を計画。その実験場所を逗子に決定した。だが、田所は、逗子で実験をすれば断層を刺激して住民を危険にさらしてしまうと主張し、この計画に猛反対する。そこで山城は、中田や幸長がいないのをいいことに、田所をD計画のメインメンバーから外してしまった。
その頃、ひさしぶりに鎌倉の実家へ帰った小野寺は、義弟の周二に借金を頼まれる。彼の友人が不動産会社を経営しており、近いうちに間違いなく値上がりする土地を、友だちのよしみで売ってもらえるというのだ。周二は家業をのばすため、借金をしてでもその土地を買いたかった。小野寺は頑なにその頼みを断るが、やがて日本が沈没し土地の価値がなくなってしまうということは、口に出すことができなかった。
一方、玲子は吉村に騙され、青年実業家の絹川とデートすることになった。絹川に唇を奪われ、悔し涙にくれる玲子。逗子の別荘へ戻ると、そこには愛する小野寺が待っていた。彼は土砂崩れの実験がその別荘の近くで行われようとしていることを伝える。田所の忠告した通り、実験による爆破は断層を刺激し別荘地は壊滅。しかし、別荘と共に過去の思い出を断ち切ることができ、玲子の心は晴れ晴れとしていた。
第四話での中田の説明によれば、D計画は日本沈没に対するものであったはずなのだが、今回の山城教授の言によると「D計画センターは日本沈没などという戯言を前提にした調査機関ではない」という。中田の代理と称する後宮も中田の意向とはまったく違うことをしているし、どうも辻褄があわない。今までの異変がすべて田所の言う通りに起こっているのだから、もっと信じてもよさそうなものだが…。しかし、そんな理不尽な部分がこのTVシリーズの面白いところでもある。
ゲストキャラとしては前回も登場していた青年実業家・絹川のキザぶりが面白い。演じる村井国夫氏は、劇場版では中田の助手の片岡を演じていたが、断然こちらの方が良い。ちなみに片岡というキャラは、TVリーズには登場していない。
第7話 空の牙、黒い竜巻
横浜新道の大陥没に見舞われた玲子は、愛車を失いながらも通りがかりの人たちに助けられて一命をとりとめた。小野寺は田所の依頼で箱根を訪れ、ホテルで偶然にも玲子と再会する。小野寺と離れたくない玲子の気持ちをよそに、小野寺はどこか遠く経離れるよう彼女へ伝えると、田所と共に芦ノ湖の調査に向かった。
田所は芦ノ湖に大異変が起こることを予言。まもなくその予言通り大地震が箱根を襲い、芦ノ湖の水はすべて地割れの中へ吸い込まれていった。そして湖の底からは伝説の「逆さ杉」がその姿を現すが、やがてそれすらも地中に飲み込まれ、芦ノ湖は完全に消えてしまう。
数日後、小野寺は何かと玲子との間を引き裂こうとする吉村と決別するべく辞表を提出。吉村は会社を辞める条件として、もう一度だけ「わだつみ号」で海中に潜ることを約束させる。「海中レジャーランド」をひそかに計画していた彼は、資金面での協力者にその建設予定地を見せる必要があったのだ。そしてその協力者こそが静岡の財閥であり、玲子の父親でもある阿部信太郎だった。
信太郎に玲子との交際を禁じられた小野寺は、彼女の幸せのために交際を諦めかけるが、田所に励まされ、玲子のいる潮来へ向かう。だが、そこに突如として巨大な竜巻が発生し二人に襲いかかった。
水がすべて地割れに吸い込まれ、芦ノ湖が死滅、そして巨大な竜巻が小野寺と玲子を襲う…と、今回、特撮部分では二つのヤマ場があり、一粒で二度おいしい構成。さらに「わだつみ号」もひさびさに登場しており、映像だけでも飽きさせない。ただ、巨大な竜巻の登場はストーリー展開としては少々強引な感じもしないではない。小野寺たちが竜巻に迫られるシーンでは、実際に潮来でロケが行われたが、ロケだけに巨大な扇風機を回すわけにもいかず、強風はヘリコプターのローターで作り出していたようで、テレビ作品としてはかなり贅沢である。
また、キャラクターとしては玲子の父・阿部信太郎が初登場。内田朝雄氏の演技は、まさに絵に描いたような「鼻持ちならない金持ち」を表現しており、とてもわかりやすい。
第8話 怒りの濁流
小野寺と玲子はすさまじい竜巻に襲われながらも、奇跡的に助かった。今までの生活を捨てて独立しようと決意した玲子はアパートを借り、一人で勤め先も決めてきた。だが、勤め先からは一日で解雇され、アパートからも追い出されてしまう。高裁に反対する玲子の父・信太郎が裏で手を回していたのだ。そして二人の前に現れた信太郎は玲子を強引に静岡へと連れていく。
その頃、政府はD計画の主要メンバーを召集し、秘密の緊急中央防災会議を開いていた。各地で起きている異変はまもなく収まり、大地震はもう来ないと主張する山城博士たち。そこへ田所博士が小野寺を連れて乱入。もうすぐ大地震が発生し、遅くとも三年、早ければ半年のうちに日本が沈没すると発言する。その言葉を信ずる者はいなかったが、政府閣僚にショックを与えるという中田の目論見は成功した。しかし、田所は発言の責任をとってD計画から離れることになってしまう。
小野寺がアパートへ帰ると、そこに玲子の姿があった。静岡の父親のもとから逃げ出してきたというのだ。どこにも行くところがないという玲子を、小野寺は自分の部屋へ住まわせることにする。
そんな時、D計画センターより仕事の依頼があり、小野寺は観測機械とデータを持って福島へ向かう。福島の水力発電所に異変があり、偶然にもその近くの寺を田所が訪れていた。田所は小野寺から渡されたデータを目にすると「ダムが決壊する!」と告げる。急いでジープを走らせ、そのことを村人たちに知らせる小野寺。まもなく大きな地震が起こり、ついにダムが決壊。あふれ出た多量の水が村を襲った。ほとんどの人は避難を終えていたが、田所の古い友人である源さんだけは、ダムのすぐ傍にいたため逃れることができなかった。
親から離れて独立しようとした玲子はウェイトレスの仕事に就くが、運んでいたスパゲッティをお客にぶちまけてしまい、失敗。やはりお嬢様だけに庶民的な仕事は苦手なようだ。早速、支配人に呼び出されてクビを言い渡されるが、その理由は仕事の失敗ではなく、玲子の父・信太郎が手をまわしていたせいだった。同じ理由でアパートも追い出されることになるが、どこにも行くところがなくなった玲子が行き着くところは小野寺のいる青山ハウス。二人を引き裂こうとして逆にくっつけることになってしまったのだ。信太郎の力もなぜか青山ハウスには及ばない。
また、TBSによる街頭インタビューのシーンがあり、「地震が来たらどうしますか」の質問に「どうせ人間、一度は死ぬのさ」と答えていた若者が印象的だった。
第9話 海底洞窟の謎
鹿児島出身の春男という青年が小野寺のもとを訪れた。彼は九州の佐多岬沖で見つかったという隼人盾を持っており、海底にクマソ族の遺跡があると信じていた。そのため小野寺に佐多岬の海底を調査してもらいたいという。春男の父親は先祖であるクマソ族の研究に長年打ち込んでおり、遺跡が発見できれば、その研究の成果を証明することになる。
何かのはずみで盾が浮かび上がってきたのだとすれば、それは大地震の前兆かもしれない。そう考えた小野寺は春男の頼みを聞き入れ、試運転を口実にケルマディック号で九州へ向かう。邸内には春男だけでなく、山城教授を無理やり同乗させていた。田所の説を信用しようとしない山城に海底の異変を実際に見せ、日本沈没を信じさせようというのだ。
佐多岬に到着したケルマディック号は海底調査を開始。すると、そこに巨大な海底洞窟が現れ、その中にはクマソの都が存在した。洞窟の天井には空気が溜まっており、隼人盾が腐っていなかったことの理由も解明される。だが、洞窟の出口には戦時中にB29が落とした機雷があった。ケルマディック号はそれを避けて洞窟を脱するが、その直後に機雷が転がり、大爆発。たちまち洞窟は土砂に埋まり、陥没が始まった。
本シリーズの脚本は、山根優一郎氏がメインとして全体の流れの中でも重要な部分を中心に十七本執筆し、次に長坂秀佳氏が八本、そしてこの第九回の一本だけを担当した第三の脚本家が石堂淑朗氏である。ウルトラシリーズでは独自の視点で怪獣の世界を描いていた石堂氏は、本シリーズにおいても他のライターとは違う独特の作品を作り出している。それは、クマソ族の古代遺跡を九州の海底で発見するというもので、パニックものというより冒険ものの要素が強い。ケルマディック号で海底洞窟から脱出しようとすると、戦時中にB29が落とした機雷が転がっていて、行く手を阻むという展開はかなり強引だが、海底火山や地震でピンチいうパターンが多いだけにこの展開は新鮮である。もっとも、爆発シーンで終わりという点では結局同じだが。
第10話 阿蘇の火の海
阿蘇山の内部にも異変が起こり始めている。測候所のデ―タには現れていなかったが、田所の直感だけがそれを捉えていた。不眠不休で仕事を続けていた田所の身を案じ、小野寺が彼に代わって阿蘇を訪れると、測候所の所員の青木もまた阿蘇の異変を感じていたという。小野寺は火口に設置された測定器のデータを持ち帰ろうとするが、測定器は心無い人によって壊されている。そこにオートバイで通りかかった沖田が測定器を壊したものと思い込んで殴りかかるが、彼は犯人ではなかった。沖田はなぜか阿蘇の噴火口の音を録音していた。
一旦山を降り、電器屋に測定器の修理を依頼した小野寺は、その電器屋の娘・レイ子が青木の元婚約者であったことを知る。火山ばかりに夢中になる青木のことが理解できないレイ子は、好きなのに意地をはってわざと反抗的な態度をとっていた。つまらない意地は捨てるようにと諭す小野寺。その時、今までにないほどの大きな噴火が起こり、急いで測候所へ戻ろうとする小野寺に、レイ子は自分からついていった。
そんな危険な阿蘇の噴火口に近づき、なおも噴火の音を録音しようとする沖田。彼の目的は余命幾ばくもない病床の弟を元気づけるためであった。沖田の弟はサイクリングで日本中をまわるという夢を持っており、せめて日本各地の音だけでも聞かせてあげようという兄の優しさ故の行動だったのだ。それを知った小野寺と青木たちは彼に協力しようとするが、阿蘇の噴火は今や凄まじいものになっていた。そして小野寺が止めるのも聞かずに録音を続けた沖田は、ついに足を滑らせて噴火口に落下してしまう。残されたテープレコーダーを手にとった小野寺は、沖田に代わって噴火の音を録音しながら、彼の弟を励ますのだった。
今回は阿蘇山を舞台にしたエピソード。オートバイで全国を巡り、各地の「音」を録音する青年・沖田が登場する。演ずるのはこの年の春公開された『ゴジラ対メカゴジラ』で主演していた大門正明氏。測候所の測定器が壊されていたことがわかった際、小野寺は何も確かめず沖田がした事だと勝手に思い込み、いきなり殴りつける。人を見た目で判断する、すぐにカッとなる、暴力で解決しようとする…といった小野寺の本質的な性格が垣間見れる。
一方、東京では田所博士と玲子が「親子ごっこ」をしていた。娘が行方不明の田所は「娘にしてやりたかったことを全部やりたい」と言うのだが、二人で食事したり、ダンスを躍ったり…って、これは単なるデートではないのか。
第11話 京都にオーロラが!!
政財界の黒幕・渡老人は田所を再び自らの屋敷に招き、彼にD計画の中心にいてもらいたいと告げた。彼の働きかけによって再び主導権を握った田所は、来るべき日本沈没に対処すべくD計画の改革を開始。山城教授はそれでも田所の説を否定するが、日本列島の異常は今や誰の目にも明らかだった。
そして田所の説を裏づけるが如く東京上空にオーロラが発生。磁気嵐を伴って、通信機関を大混乱に陥れた。東京のオーロラはまもなく消えたが、オーロラは東京だけでなく京都にも現れていた。地震と地磁気は関係があり、オーロラもまた地磁気と深い関係にある。阿蘇の大爆発の影響が京都に影響を及ぼし始めていると考えた田所は、小野寺を京都に派遣する。
その頃、玲子のもとを父親の阿部信太郎が訪れ、娘を力づくで静岡に連れ戻そうとしていた。青山ハウスの管理人夫婦・シゲ子と平助の機転に救われた玲子は小野寺に正式に結婚したいと告げる。だが、小野寺は玲子にも日本が沈没することを話すわけにいかず、言葉を濁らせるしかなかった。
京都を訪れた小野寺は観測所の所員である日高と合流。やがて北と東の上空に二つのオーロラが現れたかと思うと、地震が起こり、小野寺たちのいる山が崩れ始めた。
冒頭部分に小野寺が阿蘇から持ってきた測定データを田所に渡すシーンがあるのだが、死んだ沖田に代わって死に物狂いで録音した噴火の音のテープはどうしたのだろうか。テープが沖田の弟に渡ったのかどうか疑問だ。 それはともかく、劇場版でもキーパーソンとなっていた渡老人が再び登場。彼の働きかけで田所がD計画の主導権を握ることになる。この期に及んでもなお田所の説を否定する山城教授がとても素敵。なにしろオーロラを見ても「あれは違う!」と言い切ってしまう人だ。日本が沈没しても「これは沈没ではない!」とか言いそうである。
それにしても京都の地震の前触れとして空に美しいオーロラが現れるというアイディアは実に幻想的で、ビジュアル的にも面白い。科学的根拠はよくわからないが・・・。
第12話 危うし京の都
オーロラが消えると同時に地震はおさまった。その後、小野寺は東山一帯で冬眠中のはずの蛇が数多く現れたり、ガス管が破裂してガス漏れ騒ぎが起きたりするのを目撃する。それらの異変はこれから起きる大地震の前兆なのか。小野寺は田所にそのことを話すが、田所にとってそこは青春を過ごした思い出の地であり、京都を愛していることが彼の直感を鈍らせていた。
京都に着いた田所は学生時代の親友で今は古美術商を営んでいる木村のもとを訪ねる。青春時代を懐かしみ、昔話に花を咲かせる二人。彼らが憧れていた祇園の舞妓・小菊はすでに亡くなっていたが、彼女の娘の知子は旅館の女将となり、偶然にも小野寺がその旅館に泊まっていた。知子はカメラマンでもあったが、彼女が撮影した金閣寺の写真を見て小野寺と田所は驚愕する。季節ごとに屋根の上の鳳凰と後ろの松の位置が変化していたのだ。それをもとにD計画本部のコンピュータで解析した結果、京都でマグネチュード7の巨大地震が十八時間後、明日の朝七時に起こることが判明する。
中田はただちに京都市長に知らせ、テレビのニュースで巨大地震が起こることが報道された。市民の大多数が避難し、翌朝には京都市内は静まり返っていた。田所と小野寺は京都の最後を見届けるべく京都に残っていたが、予測された七時になっても地震は起こらない。そのため一度は京都を離れた知子と木村も帰ってきたという。だが、予測時間から二時間を過ぎた頃、再び京都の上空にオーロラが現れ、ついに巨大地震が起こり始めた。
地面が激しく揺れ動く中、知子と木村を助けに行くべくジープを走らせる小野寺。オーロラによって四方の空が囲まれた時、地震の揺れはさらに激しさを増す。そして京都の誇る金閣寺は、池の中へと消えていった。
これまでは田所がいくら異変を予測してもどうすることもできないことが多かったのだが、さすがにD計画の責任者ともなると、その予測を市民に伝えることが可能になるようだ。今回は田所自身が青春時代をすごした京都が大地震に襲われることを予測。発生時刻こそ二時間程のズレがあったが、見事に的中し、ほとんどの京都市民を救う。これ以降も九州、北海道と、異変を事前に予測し、避難命令を出して人々を救うという展開が続いていく。現実にこれだけ的確な予測のできる学者がいたら神扱いであろう。
さて、今回の特撮の見どころは何と言っても金閣寺の水没シーン。鐘の音を流しながら沈んでいくというのはリアルに考えると奇妙だが、実に情緒のある滅びの描写となっていた。
第13話 崩れゆく京都
京都を襲った大地震はオーロラが消えるまでのわずか十五分の間に多くの名所、旧跡を壊滅させた。田所は迎えのヘリコプターで東京へ。残った小野寺は危うく地割れの中へ落ちそうになっていた知子を助け、二人で木村の救出に向かった。だが、蔵の柱の下敷きになっていた木村は仏像を抱いたまま息絶えてしまう。自暴自棄になった智子は小野寺に抱いて欲しいと願い出るが、小野寺には彼女の愛を受け入れることはできなかった。
その頃、総理府では京都大地震の発生と共に非常災害対策本部が設置され、関係閣僚会議が開かれていた。田所はこれに出席するが、田所の予測通りに京都が大地震に見舞われたにもかかわらず、日本が沈没するという彼の説は誰も信じようとはしなかった。会議の途中で地震学の世界的権威であるダグラス教授が参加。彼もまた京都の地震は予知していたが、日本が沈没するとは思えないと田所の説を否定し、閣僚たちはダグラスの言葉を支持した。
東京に戻ってきた小野寺から木村が死んだことを聞かされた田所は、もうこれ以上一人の犠牲者も出したくないと願い、コンピュータの解説により一つの結論を出した。中田の計らいによって松川首相と初めて面会した田所は、日本沈没説をまだ70%しか信じられないという首相にその説明を始める。京都大地震の原因はマントルのスピードアップによる雪崩現象であり、日本の下を潜っているマントルが日本海に抜けた時、日本沈没が始まる。それが田所の結論であった。
その時、京都上空に再びオーロラが発生。次の瞬間、またも大地震が発生し、清水寺は崩壊。京都は完全に壊滅してしまった。連絡を受けた首相はその場で決断し、D2計画にとりかかるよう中田に指示を出す。
1974年最後の放送となった本作は京都三部作の最後でもあり、シリーズ中盤最大のヤマ場である。前回では金閣寺が水没したが、今回は清水寺が崩壊。やたらと柱が多く、ちょっとやそっとでは崩れそうにない清水寺も、さすがに二回目の大地震には耐えられなかった。地盤から次第に崩れ落ち、柱がねじれるように倒壊する。そこに僧侶が経を読むシーンが挿入され、なんとも切ない映像となっている。地震が来ようが、決して経を読むのをやめようとしない僧侶の姿が印象に残る。
ラストは五重塔のシルエットが倒れようとしているところで映像がストップ。「京都が燃えている。一千年の歴史が燃えている。そして…年も暮れようとしている」というナレーションが入る。最後の一言は、なんだかちょっと笑ってしまう。
第14話 明日の愛
京都地震の後の日本には平和な日々が続き、人々は静かな正月を迎えていた。D計画センターには世界各地で起こった地震のデータが匿名で送られてきており、田所はデータを整理しながらそんな善意の人々に感謝していた。そしてまた、日本沈没説を批判していた野末技官も田所の説を支持。それまでの自分の態度を田所に詫びた。
その頃、従来の如何なる観測データにも当てはまらない異変が、群馬県の山奥でひそかに進行。正休みも返上して作業が続けられていたトンネル工事現場に、その最初の兆しが現れた。トンネルのコンクリート壁にひび割れが生じているのを見た現場監督の大田黒は、それが山崩れの前触れかもしれないと考え、ただちに作業を中止させる。その勘は的中し、たちまちトンネルが崩壊。電話線も切断されたため、作業員の天竜がそのことを知らせに行くことになった。
天竜は友人である小野寺が地震研究に協力していることを知っており、東京の小野寺のもとを目指してひたすらオートバイを走らせた。その間にも大田黒とその部下たちは、周囲が次々と陥没して逃げ場を失ってしまう。プレハブの事務所も地割れに飲み込まれ、窮地に陥る彼ら。やがて天竜が東京から戻り、小野寺たちを連れてきた。小野寺と仲間たちは崖からロープを張って作業員たちを救出。最後に大田黒が助け出された時、彼らが今までいた場所が崩れ落ちた。
そんな時、玲子に恋心を抱き、彼女のもとを訪ねた男がいた。玲子の高校時代の友だち・桂である。彼は小野寺の存在を知り、玲子のことを諦めて引き返す。田所に貴重なデータを送り続けていたのは桂であり、それを知った田所はぜひ彼に会って礼を言いたかったが、世界を巡る船の航海士である桂はすでに日本を離れていた。
放送日と同じくドラマの上でも1975年が明けたことになっており、小野寺や田所博士も餅を食べたり、羽根突きをしたりと、すっかり正月気分に浸っている。日本の沈没も正月休みに入ったらしく、平和な日々が続いているからだ。といっても、京都の大地震から一週間くらいしか経っていないわけで、そんなにのんびりしていていいのかと突っ込みたくなってしまう。実際、群馬の山奥でひっそりと異変が起きていたわけだが・・・。
ところで、今回は主題歌を歌っていた五木ひろし氏がゲスト。なにしろサブタイトルからして主題歌のタイトルそのままである。当然のことながら劇中にも主題歌が流れ、ラストは五木氏がおいしいところを全部持っていってしまう。それまでの群馬のトンネルの騒動は何だったのだ。
第15話 大爆発・海底油田
山形県で震度6の地震が発生。さらに秋田の海底油田にも異変が現れていた。田所と小野寺はケルマディック号で海底油田の調査を開始。その結果、秋田沖の海底にも山形と同じ規模の地震が、同時に起きていたことが判明する。
田所は東京へ戻り、秋田に一人残った小野寺は義弟・周二の兄にあたる清司のもとを訪ねた。清司は秋田油田の技師をしていたが、京都地震の頃から石油がまったく出なくなり、地元の人々が解雇されてしまったという。その上、政府からは油田の放棄命令が下り、どうすることもできずに居酒屋で荒れる清司。彼は居酒屋で働く和実に想いを寄せていたが、彼女が離婚したのも夫が油田を解雇されたのが原因だと思い込んでいた。
そんな時、清司は海底油田にヤグラを持つカスターという外国人に、ある計画を持ちかけられる。大量の爆薬で海底を爆発させ、人口地震を起こして石油を再び出させようというのだ。清司はその計画に乗り、自分のヤグラに爆薬を仕掛けるが、それを知った小野寺は爆発を止めてくれと彼に懇願する。もし海底の地層を刺激したら日本沈没は早まると田所に聞かされていたからだ。
小野寺の頼みを聞き入れ、爆発を止めようとする清司。だが、カスターに邪魔されて、ついに爆発は起きてしまった。たちまち清司のヤグラは倒壊し、カスターのヤグラからは大量の石油が噴出する。そうなることをカスターは最初から知っていたのだ。ところが、爆発の炎が石油にとび移り、秋田沖の海上は一面、紅蓮の炎に包まれた。そのためヤグラの下にいたカスターは焼死し、清司は小野寺に助け出される。そして清司は日本がこれから大変なことに見舞われることを感じながらも、幸せになるのは今のうちだと、和実との結婚を決意するのだった。
今回よりオープニング映像が一部変更。京都編での清水寺や金閣寺のシーンに差し替えられている。
さて、今回のエピソードの舞台は秋田。小野寺の妹・春子の夫である周二には兄が四人もいるそうで、そのうちの一番上の兄が秋田で油田の技師をしている清司だ。油田からすっかり石油が出なくなり、しかも政府から油田の放棄命令が出たため、酒を飲んで荒れる清司。石油が出なくなったのは京都大地震以降ということになっているのだが、放映日とストーリー上の日付がほぼ一致していることを考えると、まだ二週間ほどしか経っていないわけで、たったそれだけの間に油田で働いていた人たちを全員解雇したというのはあまりにも不自然。小野寺の行動を見ても鎌倉にいたかと思うと、翌日には秋田にいたりと妙に素早かったりする。
第16話 鹿児島湾SOS!
桜島の異変を感じた田所は鹿児島湾内外の海底調査を計画した。ケルマディック号一隻では調査範囲が広すぎるため、D計画センターは海洋開発センターに依頼。「わだつみ号」をチャーターしようとするが、断られてしまう。「わだつみ号」の現在の操縦者は小野寺の親友の結城であり、小野寺は直接彼に頼み込むが、それでも聞き入れてはもらえなかった。結城は社長の密命を受け、房総沖に沈んだ貨物船の捜索を行っていたのだ。
この仕事が終わったら500万円の特別ボーナスを出す。結婚したばかりでマイホームを夢見ていた結城は牛島社長のその言葉を信じ、何度も房総沖を潜り続けた。実は、牛島に仕事を依頼したのは玲子の父・信太郎であり、その目的は沈んだ貨物船に積んであった財宝だった。日本沈没の情報を得た彼は全財産を金ののべ棒や宝石に変え、国外へ運ぼうとしていたのだ。真相を知った小野寺はそのことを結城に伝えるが、社長を信じていた結城は怒りだし、小野寺と絶交してしまう。
小野寺は仕方なくケルマディック号一隻で鹿児島湾の調査を開始。だが、海底地震の落石によって艇内のオイルタンクが壊され、浮上不能に陥る。貨物船を発見し小野寺の言ったことが本当だと知った結城は、ケルマディック号を救出して欲しいという田所の依頼をひき受けた。ただちにD計画の大型飛行艇「おおくに」が「わだつみ号」を積んで鹿児島湾に向かう。
やがてケルマディック号を発見した結城は、「わだつみ号」から補助タンクにオイルを補給してケルマディック号を復活させた。二隻の潜水艇が桜島に接近すると、桜島は突然噴火を始め、今度は「わだつみ号」が浮上不能に。小野寺に助けられた結城は彼との深い友情を感じ、絶交を取り消すのだった。
わだつみ号が久々に登場。小野寺が海洋開発センターを辞めてからは親友の結城が操艇者となっており、結城の乗るわだつみ号、そして小野寺の乗るケルマディック号が並んで潜航するシーンもある。おまけに、今までオープニングにしか登場していなかった大型飛行艇「おおくに」まで本編に初登場。メカ好きにはたまらない一編となっている。
ところで、玲子の父と牛島社長は貨物船と共に沈んだ自分たちの財産を「わだつみ」に見つけさせようとしたわけだが、それのどこが「結城を騙している」ことになるのか、今ひとつわからない。それよりも会社の所有物である「わだつみ」を結城が自分の判断だけで勝手に持ち出したことの方が法律的にはよっぽど問題になると思うのだが・・・。
第17話 天草は消えた!
鹿児島湾の調査を終えた小野寺は、中田からの新たな指令を受けてケルマディック号で天草に向かった。天草の島にはロケット打ち上げ基地があり、日本で初めての通信衛星が打ち上げられようとしている。その通信衛星に電送装置のついた宇宙カメラを積み込み、宇宙から日本列島を撮影しようというのだ。小野寺の役目は翌日予定されている衛星の打ち上げに立ち会うことだった。
そんな時、基地上空の飛行禁止区域に一機のパイパーが飛来。操縦していたのは、その島に実家のある有吉摩耶という若い女性だった。小野寺のことが気に入った摩耶は、彼を強引に自分の実家へ招きいれる。小野寺は摩耶と共に島を巡るうちに、溶岩と思われる石が海岸に流れついたことを知り、ケルマディック号で海底を調査。そこには巨大な亀裂があり、しかもそれは東へ向かって一直線に進行していた。異変が起こることを予測したD計画本部は九州全域に警戒警報を発令。熊本より南の県に対して避難命令を出した。
やがて島に地震が発生。それでも人工衛星は無事に打ち上げに成功するが、地震によって天草五橋が落ち、島民たちの脱出手段は船だけとなった。島の人々が避難する一方で、摩耶の乳母・ハルは息子たちの足手まといにはなりたくないと、自分を裏山に捨てさせる。それを知った小野寺と摩耶は急いで裏山へ行き、ハルを説得。次々と地割れが起こる中、摩耶はハルを連れてパイパー機で、小野寺はケルマディック号で脱出する。そして島は完全に海に沈み、九州の半分は消えてしまった。
東京に戻った小野寺を待っていたのは、玲子からの置手紙だった。父親から日本が沈没することを教えられた玲子は小野寺が結婚を拒んでいた理由を知り、しばらく一人で考えたいと、アパートを出ていったのだった。
小川知子演ずる有吉摩耶が登場。小野寺に一目ぼれした彼女は小型飛行機(パイパー機)と共にこの後も二度登場している。それにしても、京都の吉川知子といい、摩耶といい、小野寺は本当に女にモテる。しかも両名共小野寺に玲子という恋人の存在を知りながら告白しているのだから、たいしたものだ。で、その玲子はというと前回のラストで小野寺の留守中にアパートを出てしまったままで、今回のラストで小野寺はそのことを知る。
さて、今回のゲストで誰もが注目するのは、落語家の林家木久蔵(現在は林家木久扇)氏だろう。30年以上前とあってさすがに若いが、当時からすでに『笑点』の大喜利メンバーとして活躍していた。本作では『楢山節考』の如く、避難時に年老いた母親をやむなく捨ててしまう情けない息子を好演している。
第18話 危機せまる小河内ダム
D計画本部では、日本国民を国外へ脱出させるためのプロジェクト・D2計画がひそかに進められていた。松川首相以下政府は必死になって各国へ交渉していたが、一度に何百万人もの国民を素直に受け入れてくれる国があるはずもなく、計画は難航していた。
その一方で、日本沈没は確実に進んでいた。今また小河内ダム周辺で発光現象と地鳴りがあったという連絡が入り、田所は東京に来ていた摩耶と小野寺にダムの空撮を依頼。その結果、ダムにわずかな亀裂があることが判明する。ここ数日間降り続いていた大雨の異変が現れたのだ、もしダムが決壊したら満水の水は多摩川沿いに濁流となって町々を押し流し、東京南西部の世田谷、大田一帯から川崎が全滅してしまうものと予測された。
そこで田所は思い切った計画を立てた。奥多摩湖の一部を爆破してダムの水の何分かの一を北秋川へ流し、水圧を減らしてダムの決壊を防ごうというのだ。計画は早急に実行しなければならず、そのため地元の狩人・安五郎が爆破場所までの案内人に抜擢された。だが、彼が溺愛する娘とその恋人を乗せたタクシーが地震による土砂崩れに遭遇して生き埋めになってしまう。ダムよりも娘の救助を優先しようとする安五郎。そんな彼を田所は説得し、計画と同時に中田が救助班を指揮して娘の救助に向かうことになった。
やがてダムの副流の壁が破れ、副流に流れ込んだ水がたちまち下流の発電所を押し流した。あと二時間の間に爆破しないと主流も危ない。娘が無事に救助されたことを知り、安心した安五郎は急いで爆破拠点へ急ぐ。そして計画通りに爆破は実行され、ダムの水を北秋川へ流すことに成功。たちまち水位は下がり、小河内ダムは辛うじて助かった。
前回は「半分が消えている九州の写真」で終わっており、いよいよ沈没が本格的になってきたことを示していた。そして第十三話で松川総理が口にした「D2計画」というのがどんなものであるか、今回の冒頭部分で初めて明らかにされている。「D2計画、それは一億一千万人の日本国民をどう無事に国外へ脱出させるかという一大プロジェクトであった」と、ナレーションによる明快な説明があるのだが、全国民の引越しが簡単にできるはずもなく、そういった政府の苦悩も描かれている。
さて、今回の本筋は小河内ダムの決壊を防ごうとする話である。藤木悠氏、水沢アキ氏、下條アトム氏といった、当時のドラマでおなじみの顔が揃って登場。終盤においても本シリーズはキャストが豪華だ。水を使った特撮シーンも実に見応えがあった。
第19話 海底洞窟の謎
小野寺のアパートを出て北海道を訪れた玲子は、祖母のはなが営む牧場に身を寄せていた。従姉妹の百合、牧場へ実習に来ていた四人の男子学生たちに囲まれながら安息の日々を送る玲子。そんな北海道にもすでに日本沈没の兆しが現れていた。函館付近に氷山が出現。それはどこからか流れついたものではなく、異常な冷却現象によってそこで出来たものだったのだ。北海道の異変を調べていた田所は三日後に北海道の一部が沈没すると予測。D計画本部の指示により渡島半島全域の住民に緊急避難命令が発令された。しかし、海が凍りついたため、救助船団が津軽海峡で立ち往生し、多くの人々は自分の足で避難するしかなかった。
一方、小野寺は田所から解雇を言い渡され、D計画から外されるが、それは小野寺を無事に非難させてあげたいと願う田所の優しさだった。玲子からの手紙で彼女が北海道にいることを知っていた田所は、野末技官を通じてその居場所を小野寺に伝えた。逃げるなら玲子と一緒に逃げたい。そう考えた小野寺は、すぐに北海道へ行き、牧場で玲子と再会する。
牧場でも避難の準備をしていたが、百合は病気で外出もままならない身体だった。小野寺が先頭に立って北へ向かって歩き始めると、学生たちは百合をソリに乗せ、彼女を守りながらその後をついていく。百合は彼らとって憧れの存在なのだ。やがて小野寺は玲子とはるがいなくなっているのに気づき、百合たちを先に行かせて自分だけひき返す。玲子が高熱で動けなくなったはると共に北海道庁の偵察機に救助されていたことを知った小野寺は、百合たちの救助を依頼。偵察機が上空から駆けつけた時にはすでに遅く、百合と四人の学生たちは湖の氷の中に呑みこまれていた。
劇場版と違い、このテレビシリーズではなぜか日本列島の南北の両端から沈んでいき、最後が東京という順序になっている。従って、南九州の次は北海道の函館。三週前に小野寺のアパートを出た玲子が身を寄せていたのは、その函館だった。それは彼女の祖母がそこで牧場を経営していたからで、その牧場には玲子の従姉妹の百合と実習に来ていた四人の学生がいた。学生たちが来る前は玲子の祖母が一人で牧場の仕事をしていたのだろうか。
ラストで百合と一緒に死んでいく元太を演じたのは『スーパーロボットレッドバロン』に出演していた保積ぺぺ氏。そして百合を演じたのは『大鉄人17』の竹井みどり氏。どうでもいいけど、巨大ロボットつながりである。先の短い玲子の祖母が生き残り、若い五人が死んでいくという結末は、とても切ない。
第20話 沈みゆく北海道
北海道の沈没は一応止まったが、列島各地の異変の連続に人々はおびえ、ひそかに日本沈没説がささやかれ始めていた。そんな時、田所はコンピュータのデータと自分の直感からひとつの結論を導き出した。早くても半年後と思われた日本沈没の時期が、実際にはあと二ヶ月もないという。しかも北海道の石狩地方はその日のうちに陥没してしまうと予測され、ただちにその地域の全住民に避難命令が出された。
田所から話を聞いた松川首相はテレビ会見を行い、ついに日本が沈没することを全国民に発表する。しかし、発表された沈没の時期は二ヵ月後ではなく、早くても三年というものだった。それは国民のパニックを避けようとして言った首相の嘘であった。彼の思惑通り、人々は冷静にその発表を受け止め、噂されていた日本沈没の時期がはっきりしたことで心のゆとりを取り戻した。
一方、渡島半島沈没の混乱の中で玲子とはぐれた小野寺は、そのまま北海道に残って救助活動を続けていた。石狩地方の避難はほとんどの地域で順調に進んでいたが、山間部の三十人の住民だけが逃げ遅れているという。小野寺はその三十人を救出するべきだと主張するが、陥没を恐れた指揮官は彼らを見捨てて撤退してしまう。だが、自分のダンプを持つ女性ドライバーの服部いくが小野寺に協力を申し出た。
逃げ遅れていた住人たちと合流したいくは、彼ら全員をダンプの荷台に乗せて引き返し始める。その後ろからダンプの安全を確認しながら走る小野寺のジープ。彼らの行く手を陥没と雪崩が次々と襲いかかり、絶体絶命に陥るが、そこへ摩耶の操縦するパイパー機が駆けつけた。上空からの麻耶の誘導によって陥没や雪崩を避けたダンプは、やがて安全な地帯へとたどりつくのだった。
前回から引き続き、舞台は北海道。今度は札幌を含む石狩地方が陥没する。しかし、田所博士にしてみれば、まだこれはほんの序の口。早くてもあと半年だったはずの日本列島の沈没が、二ヶ月とはもたないことが判明したのだ。ストーリー上は、第十五話での秋田海底油田の爆発が日本沈没を早めたということになるが、ドラマを現実と同じ時間の流れの中で進めていただけに、放送終了の3月までに沈ませる必要があったともいえよう。
さて、今回のドラマの中心は、逃げ遅れた人々を小野寺とトラック母ちゃんが救出するという点にある。彼らをあっさり見捨てた自衛隊の隊長に比べ、トラック母ちゃんがやたらとかっこいい。最後のピンチの時にパイパー機で駆けつけてくる摩耶も含め、女性のかっこ良さが目立つ一編である。
第21話 火柱に散る、伊豆大島
北海道から二週間ぶりに東京へ帰ってきた小野寺は、様々な異常現象に遭遇し驚愕した。太陽はいくつにも見え、東京の百箇所以上の場所から温泉が噴き出し、小さな地震が頻発していたのだ。だが、東京ではそれらの異常現象はすでに日常と化し、今更驚く者はいなかった。
田所は大島が十時間以内に無数の火山爆発によって吹き飛んでしまうと予測するが、その時すでに三原山の爆発は始まっていた。D計画センターはただちに大島へ避難命令を発令。島民たちは島から脱出するべく港へ急ぐが、その間にも火山が次々と爆発。火山弾による負傷者も多かった。日本沈没に備えて新たに設立された日本救護センターでは五十名の救護班を大島へ覇権。その中に玲子の姿もあった。小野寺もまた田所に復職届を提出してD2計画に復帰し、大島へ救援に向かった。
大島でタエ子という少女が行方不明だと知った小野寺は、危険な山奥へひとりで救出に行く。タエ子は家族が置き去りにしてきた愛犬のタローを見捨てることができず、避難する途中でひき返したのだ。苦労の末に妙子を発見し連れ帰ろうとする小野寺。火山の爆発を避けながらジープを走らせ、転倒したジープから投げ出されながらも必死に港へたどり着く。彼らが船で脱出した直後、大島はその姿を消した。
前回の中で松川総理が「日本沈没は早くても三年、遅ければ五年」と公式発表したため、東京の人々はどんな異変が起きてもあまり動じなくなっていた。日本が沈没すること自体は以前から噂として流れており、その時期が明確になったことで人々は安心してしまったのだ。この辺の民衆の心境の描き方は上手い。もちろん「早くても三年」は人々にパニックを起こさせないための嘘であり、本当は二ヶ月もなかった。そのことを知りながらも口に出して言うことができない小野寺は酒を飲んで荒れる。真実を知りながら言うことができない苦悩を小野寺は何度も味わっているが、沈没の期日が近いだけにかなり焦りが見える。
物語の舞台は大島へ移り、タエ子という少女と愛犬タローが話の中心となる。犬の演技力も見どころだ。
第22話 折れ曲がる、日本列島
通信衛星からD計画本部へ絶え間なく送り続けられる電送写真。それに目を通していた田所は、フォッサマグナの異常に気づいた。ただちに新潟、長野、山梨、静岡に警報発令。中部山岳地方ではガスタンクの爆発や高圧線の倒壊、崖崩れなどの異変が起こり、それらの異変は北から南へと移動しつつあった。
静岡県の各灯台には、保安委員一名を残して避難するようにと本部からの命令が下りる。西伊豆の大浦岬灯台の石黒所長は所員や家族を避難させようとするが、妻の房代は夫と共にそこへ残った。二人の身を心配しながらも次男の幸二、長女のサチ子、そして所員たちは避難先の東京へ出発するが、その直後に岬は陥没。海岸は崩れ、灯台だけが海の上に孤立してしまった。
その頃、小野寺は日本救護センターで玲子と再会していた。彼女と一緒にいたいと願う小野寺に、もう少し待って欲しいと応える玲子。彼女は救護の仕事に生きがいを感じていたのだ。D計画本部へ戻った小野寺は、大浦岬灯台の危機を知り、ケルマディック号で救助に向かうが、灯台の周囲に噴き出した海底溶岩流に行く手をさえぎられ、近づくことすらできなかった。
夜になり、近くの浜辺で待機していた小野寺は、石黒所長の長男・順一と出会い、両親を助けるためケルマディック号に乗せて欲しいと頼まれる。彼は一年前に父親と大喧嘩して家をとびだし、遠洋漁業のマグロ漁船に乗り込んでいた。今までの親不幸を詫びたいと願う彼の熱意に根負けした小野寺は、彼を乗せてケルマディック号で再び灯台へ向かう。そして溶岩流の隙間から入り込んで灯台へ近づくと、ワイヤーを発射してそれを巻き取ることで接岸。石黒夫妻の救助に成功した。だが、日本列島は大地震によって大きく折れ曲がっていた。
ケルマディック号が活躍する一篇。その先端からワイヤーを発射し、それを手繰り寄せることで岸壁を登ってしまうという、とても深海潜水艇とは思えない行動が見どころだ。そして、そんなケルマディック号が向かったのは西伊豆の大浦岬灯台。この灯台の所長・石黒を演ずるのは一連の東宝特撮映画でおなじみの土屋嘉男氏。その部下である岸本所員もまた東宝特撮映画のワキ役で活躍した後、『仮面ライダースーパー1』の幽霊博士に。もう一人の所員・小里は『レインボーマン』で有名な水谷邦久氏。そして石黒の次男は『超人バロム・1』等でおなじみの高野浩幸氏。加えて母親は新東宝怪談映画の北沢典子氏、娘は後に亜湖に改名して『桃尻娘』などに出演した中村亜子氏…と、なんだか凄い組み合わせ。何なんだ、この灯台は。
第23話 海に消えた鎌倉
ニューヨークの国連本部で日本国民の各国への割当が決定された。D2計画に残された問題は、その輸送手段である。日本の航空機と船舶だけでは短期間のうちに国民全員を脱出させることは不可能であり、輸送においても世界の協力が不可欠だった。やがてアメリカやソ連、中国などから航空機や船舶の協力が得られることとなり、脱出準備は完了。ついに松川首相はテレビ放送を通じて国民に真実を話した。日本列島の沈没まであと一ヶ月しかないことを明らかにし、ただちに日本を脱出するよう呼びかけたのだ。
その直後、新たに結成された脱出実行委員会の関東ブロックチーフ・邦枝が自衛隊を引き連れてD計画本部に乗り込み、本部のあるビルを明け渡すよう田所に告げた。小野寺は尊大な態度をとる邦枝に反発するが、すでにD計画の役目は終わったと感じていた田所はその強引な要求を素直に受け入れる。情報科学を教える助教授だったという邦枝の仕事は脱出経路の確保であり、そのため東京中のビルやコンビナートを破壊してまわった。もし地震でそれらの建物が倒壊したら人々の避難の妨げになるからだ。
翌日、鎌倉でマグニチュード6・9の大地震が発生。邦枝は小野寺を連れてヘリに乗り込むと、鎌倉上空へ飛び、船で逃げようとしていた避難民たちをロケット弾で脅して強引に陸へ戻した。邦枝の強引なやり方に、またも反発する小野寺だが、その後から大津波が襲い、陸に戻った人たちは辛くも命を救われた。その人たちの中に妹夫婦がいたことを知った小野寺は、脱出実行委員会の重要性を感じ、邦枝の仕事を手伝うことを決意する。その一方で、田所は松川首相に会い、D計画を解散することを伝えていた。
松川首相の口から「ただちに日本を脱出して下さい」という命令が全国民に伝えられ、いよいよ物語も大詰め。そして、この終盤において新たな登場人物・邦枝が登場する。邦枝は情報科学の学者という設定だが、原作や劇場版では中田がそれであり、邦枝は総理府の秘書官。要するに、テレビシリーズは中田と邦枝の設定がなぜか入れ替わっているのだ。その上、邦枝には脱出実行委員会のチーフという新たな設定も加わっている。かなり強引な方法で仕事を実行するため、小野寺の反感を買うが、その真意が日本人を一人でも救いたいことだとわかり、後に小野寺も彼に協力的になる・・・といった流れは、まるで当初の田所博士と小野寺の関係を見ているようである。また、鎌倉の大仏が沈む
シーンは、やはり今回最大の見どころだろう。
第24話 東京都民・脱出せよ
水没する大阪市。たが、東京はまだ無傷だった。空から海から、日本人は次々と国外へ脱出していく。その間にも避難経路確保のための爆破計画が邦枝の指揮のもとで進められ、小野寺もその仕事に手を貸していた。爆破しようとしていたマンションに若者のグループが居座った際も、彼らを退去させたのは小野寺だった。
そんな折、突如として東京にマグニチュード7・9、震度7の大地震が発生。夜間だったこともあり、都内の被害は甚大で、東京の70%が壊滅に陥った。そして東京湾では、出入口にあたる部分の海底のマントルが異常隆起したため、避難民を満載した何百隻もの船舶が湾内に閉じ込められてしまう。
異常隆起は一箇所を爆破すれば元に戻ると考えられ、自衛隊のヘリがロケット弾による爆破を試みるが、失敗。そこで邦枝は戦時中の特攻兵器・人間魚雷のようにケルマディック号に爆薬を詰めて爆破することを考案する。それは操縦者にとって大変危険な作戦であったが、他に方法はない。作戦実行を決意した小野寺はケルマディック号に詰められるだけの爆薬を積み込んで東京湾へ向かった。少しでも多くの爆薬を積むため燃料は片道分だけだったが、ケルマディック号には非常脱出装置が装備されていた。
東京湾の海底に沈めたケルマディック号に時限爆破装置をセットした小野寺は、非常脱出装置で脱出しようとするが、座礁した船の船底に脱出ポッドがひっかかり、脱出することができなかった。一度は死を覚悟する小野寺だったが、上空のヘリからの通信で邦枝に励まされて再度脱出を試み、辛くも成功。ケルマディック号の爆発によって東京湾は航行可能となり、人々を乗せた船団は海外へ旅立っていった。
D2計画以降になると劇場版ではほとんど活躍の場がなかった小野寺も、テレビシリーズでは第二十二話と本作にてケルマディック号共々大活躍を見せている。しかも今回はケルマディック号を自爆させて東京湾海底の異常隆起を元に戻し、避難民を乗せた船団を救うという、ケルマディック号の華々しい最期が描かれる。操縦席の部分が分離してそのまま脱出ポッドとなる「非常脱出装置」は、まさに最後の手段。「まだ一度も使ったことがない」と、ナレーションで説明されているが、非常用なのだから、当たり前のような気もする。東京大地震のシーンはほとんど劇場版の特撮シーンの流用で、さすがに劇場用だけあって迫力がある。ただ、今回のクライマッ
クスというわけではなく、東京壊滅は次回にてさらに描きこまれている。
第25話 噫々 東京が沈む
全国各地で大変動がさらに進み、日本列島は最早バラバラで辛うじて浮いている状態だった。東京はまだ沈んではいなかったが、夜に入って都内各所で大火災が発生し、全域が停電。まったく手のつけられない有様となっていた。それでも邦枝は脱出する人々の避難路を確保するべく、ヘリにありったけの消火弾を詰め込んで出動する。小野寺や脱出委員会のメンバーたちは一人でも多くの人の命を救うため連日連夜の激務に耐えていた。
一夜が開けた東京の廃墟。そこにマリアをさがしてさまよう田所の姿があった。小野寺と同じアパートに住んでいたマリアこそ、日本人留学生だった田所と、サンフランシスコのクラブ歌手だった女性との間にできた子供だったのだ。マリアの育った孤児院からの手紙でそのことを確信した田所は心当たりをすべてさがしたが、彼女を見つけることはできなかった。
田所はさまよううちに日本救護センターの拠点に立ち寄り、そこで避難民の救護にあたっていた玲子と再会した。そして千駄ヶ谷で避難民が下敷きになったという通報が入り、玲子と共に現場へ向かう。下敷きになっていたのは彼がさがしていたマリアであったが、瓦礫を動かすこともできず瀕死の状態だった。田所は彼女に自分が父親であることを明かし、それを聞いたマリアは母親がよく歌っていたという「さくら」の歌を歌いながら息をひきとるのだった。
その直後、東京に再び震度7の大地震が発生。わずかに残った町々を徹底的に壊滅させた。炎に囲まれた玲子は同僚のノブ子と共に新宿の地下道へ逃げ込むが、地震によって崩れた壁に行く手をふさがれる。一方、脱出実行委員会の任務を解かれた小野寺は玲子と共に日本を脱出するべく、彼女をさがしていた。
前々回でD計画は解散となり、前回は一度も姿を見せなかった田所博士。今回は彼の娘がマリアであることが明らかとなるが、二人が再会した時、マリアは息をひきとる寸前だった。最終回を前にして田所博士メインのエピソードとなっており、息をひきとるまでの二人の会話だけで七分程の時間を割いている。マリアが田所の娘であるという伏線は、すでに第二話で田所が初めてマリアに会った時の「似てる!」という台詞に見られ、当初より考えられていた設定だったようだ。
邦枝率いる脱出実行委員会関東ブロックも、今回で解散。二度目の大地震が東京を襲い、いよいよ東京も最後の時を迎える。新宿の地下道に閉じ込められて大ピンチの玲子。彼女をさがしまわる小野寺。そして次回へ続くのだった。
第26話 東京最後の日
地下道に閉じ込められていた玲子とノブ子は、出口の傍を通りかかった小野寺によって助け出された。そこへ中田がジープに乗って現れ、脱出用の船はもう来ないこと、そして玉川の二子教会に行けばパトロールのヘリがやって来ることを告げる。中田は首相の命を受け、田所を迎えに行く途中であった。二度目の東京地震で渡老人が亡くなっており、渡老人や娘のマリアの後を追って田所もまた死んでしまうのではないかと中田は心配する。だが、彼と再会した田所は日本民族の未来を心配し、海外で生き残る決意を固めていた。
小野寺たちが二子教会を訪ねると、逃げ遅れた床屋の松本銀二とその一家がそこにいた。彼の妻・照子は二番目の子供を身ごもっており、今にも産まれそうなため逃げることができなかったのだ。そこへヘリが駆けつけるが、二人しか乗ることができないため、小野寺はケガをしているノブ子と銀次の幼い息子をそれに乗せる。やがて照子が無事に女の子を出産。玲子は一所懸命に新しい生命の誕生に立ち会った。
日本がまだ沈まないうちにと、小野寺は玲子に結婚を申し込み、玲子もそれを快諾。後から遅れて到着した田所を立会人にしてささやかな結婚式が執り行われた。一夜が明けて再びヘリが現れたが、四名以上は乗れないという。小野寺と玲子は自分たち二人が残ることを希望し、田所や松本夫妻を見送った。その時、東京湾一帯はすでに沈み、東京タワーも完全に海の中に。教会も水に押し流されて崩壊し、二人は沈没寸前の高台に登り最後の瞬間を迎えようとしていた。窮地に陥った彼らの上空に、やがてヘリの音が・・・。
日本は沈んだ。永遠に海の底に。しかし、世界に散らばった日本民族は力強く生きていくだろう。
最終回の舞台となるのは玉川の二子教会。そこに救助のヘリがやって来ることになっていたためだが、小野寺と玲子はここでささやかな結婚式を行う。ここが教会でよかった。その教会には銀二という男とその家族がおり結婚式を前にして小野寺は銀二に髭を剃ってもらう。銀二が床屋でよかった。そして銀二の妻は妊娠しており、この教会で出産してしまう。玲子が看護婦でよかった……と言いたいところだが、玲子は看護婦の格好はしていても正規の看護婦ではない。彼女が赤ん坊をとりあげるというのは、いささか無謀である。
劇場版では日本と運命を共にした田所博士も生き残り、危機一髪の小野寺と玲子に救いのヘリが近づいてきたところで物語は終わる。最悪の状況でも希望を忘れない、力強いラストだ。
●データ |
1973年10月6日〜1974年3月30日
TBS系 毎週日曜午後8:30〜8:55放映
カラー 55分 全26本 東宝映像作品
[スタッフ]
企画/田中友幸 原作/小松左京(光文社版) プロデューサー/斉藤進、小倉斉、橋本洋二(TBS)、安田孝夫(TBS) 特別スタッフ/竹内均(東京大学教授)、大崎順彦(東京大学教授) 音楽/広瀬健次郎 撮影/長谷川清(1〜7、10、11、16、17、21、22、25、26話)、内海正治(8、9、13、19、20、23、24話)、永井仙吉(14、15、18話)、鶴見孝夫(1〜7話)、山本武(8〜15話)、唐沢興生(16〜26話) 美術/伊藤正靖(1〜13、16、17、19〜26話)、篠川正一(14、15、18話)、山口修 録音/林頴四郎(1〜13、16、17、19〜26話)、矢野口文雄(14、15、18話)、照明/大口良雄(1話)、池田泰平(2〜13、16、17、19〜26話)、出竹秀夫(1〜7、14、15、18話)、広沢賢次(8〜26話) 助監督/新城卓(1〜5、8、9、14、15、18、21、22、25、26話)、真川敏夫(6、7、10、11、16、17、23、24話)、萩原鐵太郎(12、13、19、20話)、浅田英一(1〜3話)、神沢信一(4〜26話) 記録/天野春代(1、4、5、8、9、12、13、19、20、23、24話)、沢田享子(2、3、6、7、10、11、16、17、21、22、25、26話)、佐久間清子(14、15、18話)、中野正子(1〜3話)、吉沢幸子(4、5話)、山田光枝(6、7話)、徳永絵里子(8〜11話)、中町真弓(12〜26話) 光学撮影/宮西武史 光学作画/川名正(14〜26話) 編集/船沢昌介 整音/東宝録音センター 効果/東宝効果集団 操演/沼里企画 制作主任/内田貴夫(1〜3話)、湯原正男(4、5、8、9、12、13、19、20話)船津英恒(6、7、10、11、16、17、21、22、25、26話)、高木正幸(14、15、18話)、渡辺司(23、24話)、棚網則男 制作担当/塚原正弘(1〜3話) プロデューサー補/広川恭(4〜26話) 現像/東洋現像所 衣装/京都衣装 美粧/山田かつら店 衣装協力/ローマ岩島1〜3、6〜26話) 協力/熱川温泉ホテル(1話)、阿蘇白雲荘(10話)、阿蘇町役場(10話) 制作/東宝映像、TBS
[キャスト]
小野寺俊夫/村野武 阿部玲子/由美かおる 田所雄介博士/小林桂樹 森下悦子/望月真理子 結城達也/橋本功 吉村秀夫/仲谷昇 幸長信彦助教授/細川俊之 山城教授/佐々木孝丸 大泉教授/幸田宗丸 中河原教授/伊豆 肇 谷口博士/松下達夫 野末技官/佐原健二 小野寺千造/小栗一也 小野寺加代/丹阿弥谷津子 小野寺春子/沢田亜矢子 小野寺周二/岡本信人 小野寺健一/小塙謙士 坂本シゲ子/京唄子 坂本平助/鳳啓助 マリア・ベイリー/マリ・クリスティーヌ 辰野長治/田中邦衛 中田一成/黒沢年男 渡老人/中村雁治郎 阿部信太郎/内田朝雄 松川総理/山村聰 有吉麻耶/小川知子 山川ノブ子/大井小町 邦枝助教授/山本圭 大木二佐/轟謙二 機動隊員/杜沢泰文 ナレーター/内藤武敏
[放映リスト]
放送日
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サブタイトル
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脚本
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監督
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特技監督 |
ゲスト
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1
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73/10/6
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飛び散る海 | 山根優一郎 | 福田 純 | 田渕吉男 | 今井和子、下條正巳、新堀俊明 |
2
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10/13
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海底の狂流 | 山根優一郎 | 西村 潔 | 田渕吉男 | 大井小町、勝部義夫、佐々木勝彦 |
3
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10/20
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白い亀裂 | 山根優一郎 | 西村 潔 | 田渕吉男 | 関根世津子、麻里とも恵、鈴木治夫、石山克巳、宇仁貴三(殺陣) |
4
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10/27
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海の崩れる時 | 山根優一郎 | 長野 卓 | 川北紘一 | 正司敏江、正司玲児、江田正子、佐藤健、八木和子、池水通洋(アナウンサー) |
5
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11/3
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いま、島が沈む | 長坂秀佳 | 長野 卓 | 川北紘一 | 津野哲郎、木田三千雄、新井つねひろ、山瀬 洋、岩城けい子、桂木美加、勝部義夫、草間璋夫、夏木順平、榊田敬二 |
6
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11/10
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悲しみに哭く大地 | 長坂秀佳 | 西村 潔 | 田渕吉男 | 村井国夫、堺左千夫、勝部義夫、頭師孝夫、加藤茂雄、守田比呂也 |
7
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11/17
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空の牙、黒い竜巻 | 山根優一郎 | 西村 潔 | 田渕吉男 | 広瀬正一、所雅樹、池水通洋、宮村義人、江田正子、佐田淳 |
8
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11/24
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怒りの濁流 | 山根優一郎 | 山際永三 | 高野宏一 | 柳谷寛、勝部義夫、田中志幸、相原巨典、村上幹夫、三重街 恒二、猪野剛太郎、近藤 準、和久井節緒、八幡洋之、松村みゆき |
9
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12/1
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海底洞窟の謎 | 石堂淑朗 | 山際永三 | 高野宏一 | 大和田獏、玉川伊佐男、三津田健、永井玄哉、勝部義夫、池水通洋(アナウンサー) |
10
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12/8
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阿蘇の火の滝 | 山根優一郎 | 金谷 稔 | 川北紘一 | 大門正明、新井春美、高原駿雄、亀谷雅彦、藤田康之、大貫幸雄、高橋務、大村崑、宇仁貴三(殺陣) |
11
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12/15
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京都にオーロラが!! | 山根優一郎 | 金谷 稔 | 高野宏一 | 東野孝彦、三重街恒二、村上幹夫、麻里とも恵、宇仁貴三(殺陣) |
12
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12/22
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危うし京の都 | 山根優一郎 | 真船 禎 | 高野宏一 | 東野孝彦、藤田ゆみ、針谷弘之、藤井敏夫、夏純子、根上淳、市川治(アナウンサー)、佐久間 功(アナウンサー) |
13
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12/29
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崩れゆく京都 | 山根優一郎 | 真船 禎 | 高野宏一 | 夏純子、根上淳、近藤準、斉藤英雄、田中志幸、相原巨典、トニー・セテラ、久米勲夫、竹渕真一、藤田ゆみ |
14
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74/1/5
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明日の愛 | 長坂秀佳 | 長野 卓 | 川北紘一 | 荒谷公之、矢野間啓二、穂積隆信、柳生 博、和田麻里、五島義秀、益子隆充、五木ひろし |
15
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1/12
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大爆発・海底油田 | 長坂秀佳 | 長野 卓 | 川北紘一 | 浜美枝、柳沢真一、新克利、山田禅二、池田生二、フランツ・グルーパー、林寛一、吉中正一、貝武、安田泰三、佐久間功(アナウンサー)、宇仁貴三(技斗) |
16
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1/19
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鹿児島SOS! | 山根優一郎 | 山際永三 | 高野宏一 | 田坂都、神田隆、勝部義夫、小松英三郎、石井宏明、三重街恒二、牧伸二 |
17
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1/26
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天草は消えた! | 山根優一郎 | 山際永三 | 高野宏一 | 林家木久蔵、武智豊子、高津住男、弘松三郎、細井利雄、勝部義夫、石矢博、山田孝子、石川殆、木島幸、大沢総一郎、大浦隆、佐古雅美 |
18
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2/2
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危機せまる小河内ダム | 山根優一郎 | 西村 潔 | 高野宏一 | 下條アトム、水沢アキ、石井富子、有馬昌彦、藤井敏夫、門脇三郎、藤木悠 |
19
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2/9
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さらば・函館の町よ | 長坂秀佳 | 金谷 稔 | 川北紘一 | 千石規子、穂積ペペ、竹井みどり、小原秀明、福崎和宏、鍋谷孝喜、加藤茂雄、大理淳、鹿島信哉 |
20
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2/16
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沈みゆく北海道 | 長坂秀佳 | 金谷 稔 | 川北紘一 | 加茂さくら、草薙幸二郎、宇留木康二、岩城睦子、江村和紀、榊田敬二 |
21
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2/23
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火柱に散る、伊豆大島 | 長坂秀佳 | 長野 卓 | 高野宏一 | 吉田義夫、小川安三、伊藤よし子、中島公子、川添三千代、古堀宏、川口敦子、福田豊士、カーリーカワサキスヤマ号 |
22
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3/2
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折れ曲がる、日本列島 | 山根優一郎 | 長野 卓 | 高野宏一 | 小倉一郎、北沢典子、水谷邦久、鈴木和夫、鹿島信哉、加藤茂雄、高野浩幸、中村亜子、土屋嘉男 |
23
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3/9
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海に消えた鎌倉 | 山根優一郎 | 金谷 稔 | 高野宏一 | 鹿島信哉、加藤茂雄、山岸成美 |
24
|
3/16
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東京都民・脱出せよ | 山根優一郎 | 金谷 稔 | 高野宏一 | 永谷悟一、寺本 梢、吉田めぐみ、ポーラ・野沢、平野康、佐古雅美、石田徹 |
25
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3/23
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噫々 東京が沈む | 山根優一郎 | 福田 純 | 高野宏一 | 山田禅二、今井和雄、若原初子、田川恒夫、大理淳、ハリー・ブラウン |
26
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3/30
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東京最後の日 | 山根優一郎 | 福田 純 | 高野宏一 | 小鹿番、曽我町子、酒井郷博、池田義彦 |