◆『行け!グリーンマン』とは 日本テレビがかつて毎日放送していた朝のこども番組『おはよう!こどもショー』は1965年〜1980年の15年間、当時のこどもたちに人気を博していた。長い番組の歴史の中、70年代前半で特に人気があったのは毎回5分程度の怪獣コーナーだ。変身ブームの真っ只中だった72年4月に円谷プロ製作の『レッドマン』がスタート。同年10月には製作が東宝企画に移り、『行け!ゴッドマン』にバトンタッチした。そして翌年11月より同じく東宝企画にて製作されたのが『行け!グリーンマン』である。 ほとんどストーリーらしいものがなく、ヒーローと怪獣がひたすら戦っているだけという印象の強かった『レッドマン』や『ゴッドマン』に比べると、本作品はややストーリー性が高い。そのストーリーの要は「魔王」と「トンチキ」という二人の悪役であり、彼らがシリーズを通して登場しセリフを交わすことで、3回の放送分で1エピソードという連続ストーリーの形態を保っていたのだ。ただ、グリーンマンは他の特撮ヒーローのように人間の姿になることはなく、その正体がロボットであることは第一話で明確にはなっていたが、やはり謎の多いヒーローではあった。 ところで、グリーンマンが登場した頃の『おはよう!こどもショー』のお姉さん(総合司会)と言えば、海老名みどり氏。同番組で「体操のお兄さん」を務めていた峰竜太氏と後に結婚したことでも有名だが、グリーンマンの名称はこの「みどり」という名前にちなんで命名されたという。もしお姉さんが別の人だったら、グリーンマンもまた別の名前だったのかもしれない。 |