●基本設定
ニューギニアの火力発電所近くの岩山に流星が落ちて誕生した――という設定があるのだが、はっきり言ってこれだけでは何がなんだかさっぱりわからない。かつてケイブンシャから出ていた「全怪獣怪人大百科」によれば、身長151cm、体重103kg。背が低いわりに、体重はデブ並みに重いらしい。
●デザイン
デンセンマンのデザインを手がけていたのは、当時『秘密戦隊ゴレンジャー』を始めとして多くのヒーローを送りだしていた石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)先生。完成したデンセンマンのマスクは、やはり石ノ森先生が手がけていた『超神ビビューン』に似ている。だが、それもそのはず、デンセンマンはビビューンのマスクの型を流用して作られたらしい。
●スーツアクター
デンセンマンは演者の素顔を出している訳ではないので、誰がやっても構わないキャラクターだ。それ故に番組のADが持ちまわりでスーツアクターを務めていた。オフィス北野の社長・森昌行氏が演じていたのは有名な話。石原軍団の秋山武史氏も当時はこの番組のADだったため、やはりデンセンマンをやっていたという。当然ながら中身の人によって踊りは微妙に違っていた。ちなみに声は、外国ドラマの吹き替えが多かった堀勝之祐氏。
●電線音頭
デンセンマンといえば「電線音頭」だが、電線音頭は『ドカンと一発60分』(テレビ朝日系1975年10月〜1976年3月)の中ですでに使用されていた。歌っていたのは同番組のメインだった桂三枝氏。小松政夫氏による司会つきで「桂三枝の電線音頭」としてレコードも発売されたが、売れ行きは今ひとつだった。『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』で復活した際には、デンセンマン&伊東四朗&小松政夫&スクールメイツ・ジュニアで「デンセンマンの電線音頭」と題して新録音。大ヒットとなる。両者のメロディは同じだが、歌詞は異なっていた。
●ジルディ
デンセンマンをデザインした石ノ森先生は『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』に、個性的なキャラクターをもうひとつ提供している。頭のリボンととてつもない巨乳が印象的なジルディだ。フルネームは”ジルディ・マンボツイスト・バンプ”で、マーカー王国から来た宇宙人。毎週ベンジャミン伊東を誘惑していたが、残念ながらデンセンマンとのからみはなかった。
●漫画
『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』放送当時、デンセンマンは「てれびくん」(小学館)と「冒険王」(秋田書店)の2誌に漫画が掲載されていた。「てれびくん」版を描いたのはおだ辰夫先生、そして「冒険王」版は「釣りバカ日誌」の北見けんいち先生である。テレビではこれといったストーリーがないだけに、どちらの漫画も独自の展開がなされている。
●復活
『みごろゴロゴロ大放送!!』に出演後、長い間姿をくらましていたデンセンマンだが、1992年末には思いがけない番組でわれわれの前に現われた。伊東四朗氏扮するベンジャミン伊東と共に『NHK紅白歌合戦』に出演したのだ。もちろん「電線音頭」も流れ、得意の踊りも披露された。数年後、小松政夫氏のCD「小松政夫の電線レゲエ」に「電線音頭」が収録されたりしたが、リバイバルブームには至らなかった。2002年12月には中京テレビ製作の『ろみひー』に突如として出現。衰えることのないハイテンションの電線音頭を披露してゲストの伊東四朗さんを驚かせている。
そして2003年4月。テレビ朝日の早朝番組「みごろ!たべごろ!ナントカカントカ」で、デンセンマンは本格的に復活。さらに同年10月には、その後番組として「みごろ!たべごろ!デンセンマン」がスタートしたが、公式サイトでの記述が問題となり、番組自体も早々に終了してしまう。しかし、2004年4月の新番組「鈴木タイムラー」で5ヶ月ぶりに再登場。まだまだデンセンマンの活躍は終わらないのだ。
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