ここでは「デンセンマン」のことを何も知らない人のために説明いたします。30代以上の人にとっては常識的なこと(?)かと思いますので、読みとばしていただいて結構です。
デンセンマンとは・・・1970年代後半に放送されたバラエティ番組『みごろ!たぺごろ!笑いごろ!!』および『みごろゴロゴロ大放送!!』に登場したキャラクターのことです。バラエティ番組のキャラクターというと、大抵はタレントさんが顔を出したまま演じるものですが、このデンセンマンはすっぽりとマスクをかぶるスタイルで、演じていたのも主に番組のADさんだったそうです。商品化やアトラクションショーなど、通常の特撮ヒーロー並の展開を見せ、当時大人気となりました。
伊東四朗氏扮するベンジャミン伊東、小松政夫氏扮する与太八左衛門。この二人がゲストを交えて「電線音頭」を踊りまくっています。電線音頭とは当時流行っていたなぞなぞのフレーズを取り入れた音頭です。深く追求しようとしても、歌詞にそれ以上の意味はありません。すると、突然イナズマが走り、雷鳴が轟きます。そこに現われたのは我らがデンセンマン!
「ハーッハッハッハッハッハッ・・・遥か遠くニューギニアの火力発電所から100万ボルトの電線をひた渡り、やって来ましたぁ! そうです。私がデンセンマンでーす!」
画面には”さあ!みなさまご一緒にどうぞ!!”の文字。そして電気コタツの上で一通り踊り終わると、デンセンマンはイナズマと共に去っていきます。
「ハーッハッハッハッ・・・諸君、楽しんだかな?電線音頭。それでは日本のご家庭のみなさん、さようならぁー!」
これが『みごろ!たべごろ!――』でのデンセンマン登場部分の基本フォーマットです。途中から各地の商店街に出没して踊るようになりましたが、基本的には変わりません。バラエティ番組とはいえ、その光景はあまりにもバカバカしいものでした。なぜ彼がニューギニアの火力発電所から日本へやって来たのか、なぜ毎週飽きもせず踊りまくるのかは、誰にもわかりません。しかし、デンセンマンは間違いなく70年代を代表するヒーローのひとりなのです。
ちなみに『みごろ!たぺごろ!笑いごろ!!』が放送されたのは1976年10月11日〜1978年9月18日の2年間。テレビ朝日の月曜夜8:00からの一時間番組でした。後番組の『みごろゴロゴロ大放送!!』では、もうひとつの人気キャラクター”シラケ鳥”と激闘(?)を繰り広げましたが、今ひとつウケなかったようで、番組も短命に終わりました。やはりデンセンマンは踊っているだけの方がいいのかもしれません。
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