
池波正太郎の『鬼平犯科帳』。
犯科帳とは長崎奉行所が265年もの間に書き綴った判決記録の事である。
で、このレトゲェ犯科帳は、火付盗賊改方・長谷川平蔵に変わって
帝王幻一郎が解決してきた推理アドベンチャーゲームの事件の記録を綴ったものである。
構成は事件が始まったときの経緯と、事件解決の瞬間の2部構成を事件ごとに綴っている。
事件解決はタネあかしになってしまうので、黒字で掲載させていただいている。
読む場合は反転して見てくれ。
Index
【白バラ連続殺人事件】
【ザ・マン・アイラブ】
【クリスタル・プリズン】
【道化師殺人事件】
【白バラ連続殺人事件】
ユニオンプランニング
1984年10月発売
[[[ 経緯 ]]]
マサオ
「このたび、また主任と組んで仕事をさせて頂く事になった新米刑事のマサオでーす。
どうぞヨロシクお願いしまーす。
実はさっきから若い女性が主任に会いたいと言って待っているんです。
若い女性
「刑事さん、困っている事があるのです。話を聞いて下さいますか?
若い女性
「実は1週間ほど前に私の家に奇妙な手紙が届きました。
それから我が家はどうもおかしな事ばかり起こるのです。
庭で不審火が出たり、台所に猫の死体が投げ込まれていたり、
一体、誰の仕業なのか…
イタズラにしては少しひどいようなんです。
母は気にしないようにと言うんですが、私には何だか心配で。
そこで一度、刑事さんに調べて頂きたいと思いまして...
プレイヤー刑事
「わかりました、調べましょう。」
若い女性
「ああ良かった!!ホッとしました。
私の名前は花山スミレと言います。
プレイヤー刑事
「その奇妙な手紙とやらを見せて頂けませんか?
スミレ
「はい、これがその手紙です。
プレイヤー刑事
「フムフム…、マサオ刑事、読んでくれたまえ。
マサオ
「はい、わかりました。
“白バラは血の呪い...その花びらは血にぬれて赤く染まる。
そしていつの日か全てのものに破滅のときの鐘を鳴らす。
白バラを捨て去るとき、全ての悪と呪いは消え去るだろう...”
ふーむ、これは一体どういう意味なんでしょうか?
差出人は“A.M”とイニシャルだけが入っています。
そのとき、電話のベルがけたたましく鳴った。
電話に出たマサオが血相を変えて受話器を置いた。
マサオ
「主任、大変です!!殺しですよ!
なんと花山家で殺人事件が起きたという電話が入りました。
庭番の松吉が殺されたそうです。
至急、現場に急行して下さい!
スミレ
「ええっ 松吉さんが...!!
[[[ 真相 ]]]
(反転を使って読んで下さい)
刑事さん、もうおわかりですね。
刑事さん、本当の事をお話しします。
確かにウエキカズヨシを殺したのは私です。
そしてランコほ殺したのも.......
あの奇妙な手紙がこの家に届いたとき、私は心臓が止まりそうなくらい驚きました。
白バラの呪い...!
それもA.Mというイニシャル!
18年前に夫といったブラジルでの出来事が鮮明に思い出されたのです。
あの頃はまだ貿易の仕事を始めたばかりで、主人も必死でしたわ。
この辺で何とか一発当てたいと思って、私たちは幼い子供達を親戚の者に預けて、
二人で南アメリカへ商品の買い付けの旅をしましたの。
そのときです。あの「ミキ アズサ」さんと出会ったのは...
あの人に会ったのはブラジルの小さな町でした。
あの人は移民として来てたのですが、
もうすぐ赤ちゃんが生まれるという時にご主人を急病で亡くされて大変気を落としていたそうです。
それで日本から仕事に来ていた私達がもうすぐブラジルを出発して日本に帰るという事を聞きつけやって来たのです。
あの人は私達に、自分も日本に帰りたいけれど、こんな体なので一人では心配だ、どうか日本まで一緒にいって欲しいと頼みました。
その頃、私達は地元のバイヤーに騙されて、つまらない商品を大量に仕入れてしまい、がっくりしているときでした。
アズサさんは、自分はどうしても日本にいる夫の家族に届けなくてはいけないものがある、
私を無事日本まで連れて帰ってくるなら、きっとお礼をしますと言いました。
私達はアズサさんに一体何を届けるのか聞きました。
そしてそれを見せてもらったときは本当に驚きました。
なんとそれは、ブラジルの白いバラと呼ばれている、あの有名なダイヤモンド<ホワイト・ローズ>だったのです。
アズサさんのご主人は、急な病に倒れたときに、今まで蓄えてきたものを全て売り払い、このダイヤモンドに替えていたのです。
そしてそれをアズサさんに託しました。
私達は<ホワイト・ローズ>を見たとたん、たまらなくそれを手に入れたいと思いました。
欲しい、このダイヤがあれば今まで損をした分なんか目じゃない、これを日本に持って帰れば...!
そう思ったとき私達にある恐ろしい考えが浮かんだのです。
身重のアズサさんを騙してダイヤを取り上げる事など簡単な事に思えたのです。
しかし、チャンスはなかなか巡って来ませんでした。
そうするうちに日本への出発まであと数日と迫ってきて、私達は焦ってきました。
そんなときアズサさんは急に産気づき、予定よりも1ヵ月も早く赤ちゃんを産んだのです。
私達は難産で体の弱ったアズサさんからホワイト・ローズを奪いました。
アズサさんは弱った体で私達にホワイト・ローズを返してくれと訴えました。
が、私達はもちろんアズサさんの言う事など聞きませんでした。
アズサさんは私達を怨みながら自殺しました....
そして私達は残された産まれたばかりの赤ん坊を引き取り、スミレと名づけて日本へ連れて帰ったのです。
日本へ帰った私達はホワイト・ローズのおかげで仕事も上手くいき、次第に成功を収めていきました。
しかし悪事を働いてイイことが続くわけはありません。
しばらくして夫は突然病に倒れ、苦しみながら死んで行きました。
残された私は子供達のために必死になって働き、苦労を重ねてここまで来たのです。
私にはあの手紙がこのウチに届いて来たときから、誰かが私の過去の事を知って脅かしているのだと思いました。
そして手紙と一緒にはじまった嫌がらせの犯人はなんとランコでした。
宝石に異常な執着があるランコはある人からホワイト・ローズの事を聞かされ、それが欲しくてたまらなくなったのですね。
私を驚かせてからホワイト・ローズを取り上げるつもりだったのです。
ところが松吉にそのことを知られ咎められたランコは、カッとして花ばさみで松吉を刺したのです。
私はそれを知り、ランコをかばってハサミを隠したりしました。
私はランコがバスルームにいるのを知ってそっと入り、ランコにどうしてこんなことをしたのか問い詰めましたが、
ランコは私の話を聞くどころか、逆さまに「あなたのした事とたいして変わらないじゃない」と捨てゼリフを吐きました。
私は今までこんな子供を育てるために苦労をしょってきたのかと思うとカッとなってしまい、
ちょうど手に持っていたドライヤーのコードでランコのクビを後ろから絞めてしまったのです。
ランコはバッタリと倒れました。
そのときあのウエキがドアの向こうで全ての出来事を聞いていたのを私は気づきませんでした。
私が慌ててバスルームを出て自分の部屋に戻ったあと、
ウエキはわざと自分のネクタイピンをランコの手に握らせたり、ドライヤーを洗濯機の中に隠したりしたのです。
私が犯人だと言うことをわからないように.....
その後、刑事さんが他の者と話をしている隙にウエキは
「ランコが松吉を殺した事やあんたがランコを殺した事は俺が黙ってればあの刑事達にはわからねぇョ。
ちゃんと目を眩ます細工もしてあるからさ」
と言って私を脅し始めたのです。
そしてさらに驚く事に、ウエキが私に要求してきたものは、あのホワイト・ローズでした。
なんとウエキの親戚はたまたまアズサさんの夫の実家だったのです。
アズサさんは自殺する前に私達の事を怨みながら、日本に全ての事を書き綴った手紙を出していたのです。
たまたま親戚のウチでその手紙を見たウエキは、手紙に書かれている貿易商の夫婦が私と亡くなった夫である事に気づきました。
ウエキはそれから色々と調べてスミレがアズサさんの娘である事や、ホワイト・ローズの事を知ったのです。
そしてまずユリに近づき結婚を迫り、その裏では宝石に異常に執着するランコに上手く取り入ってホワイト・ローズの事を話し、
私を脅迫する事をけしかけたのです。
そして事件が起こってしまいました。後はそれを上手く利用して花山貿易の全てを手に入れようとしていたのでした。
私はウエキをこのままにはしておけませんでした。
そしてついに...
刑事さん、これが全てです。
もとはと言えば全て私自身が引き起こした事なのですわ....
刑事さん、これでこの恐ろしい殺人事件も解決ですわね。
どうぞ早く私を連れて行って下さい。
スミレ達にはこんな姿は見せたくありませんわ....
どうぞお願いします。
【ザ・マン・アイラブ】
シンキングラビット
1987年04月発売
[[[ 経緯 ]]]
執事
「7日前の21日の晩、何者かが忍び込み宝石類と1万5千ドル程の現金を盗んだのです。
次の朝、金庫を開けて気が付きました。勿論、金庫はロックしてありました。警察にも届けましたが、まだ・・。」
ミス・マクガイア
盗まれた宝石類の中にサファイヤの指輪があります。
現金や他の宝石は諦められますがサファイヤの指輪だけはどうしても取り戻して欲しいのです。
私はもう年ですし子供もいません。主人は、結婚して間もなく戦争で失いました。
サファイヤの指輪は、その主人がくれた結婚指輪で、たった1つのあの人の想い出なんです。
あの指輪と共に死んで塵になる時、再び主人に逢えるような気がするんです。
愚かしい事かもしれません。しかし、他に何も信じるものがないのです。
何も信じられなかったらどうして生きていけましょう。」
[[[ 真相 ]]]
(反転を使って読んで下さい)
マコールは一ヶ月前、ミズ・マクガイアに指輪の台座の修理を頼まれた時、
初めてあれが偽物だという事に気が付いた。
30年前まだ若かった彼は、その指輪が偽物だという事を見抜けずに売ってしまっていた。
マコールは指輪を偽物のまま修理をして返して、いつかそれがばれるのを恐れた。
そして、このキャスティングを思い付いた。
こんな事が判ると店の信用は、地に落ちる。
かと言って、本物のサファイヤに付け替えるには最低15万ドルは必要になってくる。
しかも見て分からない程、そっくりなサファイヤなどあるはずもない。
いずれ分かってしまう事だ。
超一流の美術商にとってこんな不名誉には堪えられなかった。
以前から、マコールはミズ・マクガイアが宝石を金庫に入れている事を知っていた。
ところが、彼ではあの金庫を開ける事はできない。
彼は、かつらと眼鏡で顔をごまかしバウワリーへ行き、金庫を開けられる人間を捜した。
バウワリーに住んでいる連中は多かれ少なかれ、まともじゃない奴ばかりだ。
そしてルディーと知り合い、サウスブロンクスに金庫に詳しい男がいる事を聞き出した。ターナーだ。
マコールは、サウスブロンクスへ行ってターナーに会い、ミズ・マクガイアの金庫から金と宝石を盗むように頼んだ。
マコールは、初めからターナーを始末するつもりだった。
マコールは、盗ませた宝石を買い取るための現金を持ってターナーの部屋に出かけ奴を殺し、
サファイヤの指輪だけ浴室の排水口に捨てた。
サファイヤの指輪を排水口に捨てた事は迂闊だった。
しかし、最も迂闊だったのは、私に銃を見せられて不安になり、始末を急いだ事だった。
私は、盗まれた宝石をミズ・マクガイアに返し、事の真相を説明した。
深く孤独が刻みこまれた顔、銀髪に青灰色の目がじっと私の顔を見つめていた。
やがて、ゆっくりと微笑むと彼女は私に「有難う。」と、ひとこと言った。
彼女はしばらく指輪を眺めていたが、やがて偽物の指輪を大切そうに指にはめると、しっかりとその手を握った。
青灰色の瞳に涙が溢れた。
だが、しかし悲しい涙ではなかった。
それは、彼女が一番大切にしている想い出を取り戻した懐かしさと喜びの涙だった。
【クリスタル・プリズン】
ボーステック
1986年04月発売
[[[ 経緯 ]]]
外界から閉ざされた孤島の屋敷。
記憶を失ったマイク・モローは、その寝室で目を覚ます。
最後に覚えているのは何者かに殴られ意識を失ったということと、
その犯人が「クリスタル」を探しているということだけ……。
彼の前に現れる妹や友人だと名乗る謎の人物たち。怪しげな刑事や医師。
不審な行動をとり始める彼らの目的は?
そして記憶の糸をたぐり寄せるように行動するマイクの行く手に待つ真実とは!?
[[[ 記憶の糸口 ]]]
枕の下から指輪が出てきた。
裏側に“M to J /June 1985”と刻まれている。
プラチナの結婚指輪だ。
鏡台の上の香水を見ると、ラベルに“Crystal Night”と書いてある。
鏡を見ると僕の姿が映っている。
包帯が痛々しい。
戸棚にある薬の箱を見ると、
ラベルが汚れているが“?le?p?n? Pill”と読める。
アルバムを開けると、写真は全て剥がされていた。
おや?小さな文字で“Father John , 3歳 , 冬”と書いてある。
本棚に“Crystal Prison”という推理小説がある。
目次がある。
*プロローグ
*Chap.1 トジタ セカイ
*Chap.2 ダッシュツ
*Chap.3 オカシナ ナカマタチ
*Chap.4 キオクノ モザイク
*Chap.5 イケナカッタ バショ
*Chap.6 シンプノ クビ
*Chap.7 カギヲ ツカワナイ トビラ
*Chap.8 カイホウ
*Chap.9 ユウヒニ ムカッテ
「僕は芝生の上に横たわっている」
「太陽が眩しい」
「誰か近づいてくる..」
名刺ほどの大きさのアルミの板に“Serial No.8801 アントンコウゲイ,ミラノ”と彫刻されている。
料理の本の表紙の裏にしてあったメモ
【Father Jone に誕生日のプレゼント −−−骨つき肉1ポンド ...】
換気口にあったハンカチには口紅で何か書いてあった。
===========================
あなた 早く私の事を思い出して
あなたの妻ジャニスよ
彼らはあなたが隠したものを探してるわ
彼らは平気で人を殺すわ
郵便配達のリーさんも、そしてジョンも
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桟橋の死体が持っていた手紙にはこう書いてあった。
===========================
私は君たちの事がとても心配だ。
Magalo-Tradeが動き出したらしい。
やつらは金儲けのためなら人殺しだって平気だ。
ジャニスも君も用心して欲しい。
さて、君から頼まれたクシュ文字の解読だが、
BABYが上手くやってくれている。
まだはっきりした事は言えないが、
ライオンの瞳には何か秘密があるようだ。
BABYが新しい手掛かりを欲しがっている。
博士の許しを得て、ぜひ私に調べさせて欲しい。
君たちに会える日を楽しみにしている。
どうがご無事で
(カール・シュタイナー)
===========================
ゴミ箱に入っていたステーキ・ハウスの紙袋には
“People and Doggies Like Leftovers”と印刷されている。
暖炉にあった燃え残りの新聞は焦げていて読みづらいが、
ちょっと気になる記事を見つけた。
===========================
*ジョーンズ博士殺される!*
古美術品を狙った犯行か?
有名な考古学者ジョーンズ博士が自宅の書斎で何者かに・・
助手のモローさんが発見し、二人の男が逃げてゆくのを目撃
・・・・・・・・
博士がアフリカから持ち帰ったライオンの石像が無くなって
いる事から・・・・を目的とした犯行と・・・・・・・・・
・・・・・・捜査を進めている。
・・・はクシュのピラミッドから見つかったもので・・・・
「片目のライオン」と呼ばれ・・・・・によると・・・・・
にはめこまれた水晶は、黄金の神殿に導くと信じられている
===========================
ピアノに置かれた楽譜の曲名は“Bridal Necklace”だ。
ラジオから流れるニュース
===========================
昨夜、宝石店Bp.salonに二人組の強盗が押し入り、宝石を奪
って逃走しました。奪われたのはFIRE CRYSTALと呼ばれるも
ので、マニアの間では値段のつけられないほど価値のあるも
のという事です。では・・音楽を続けます。
===========================
窓の外にいた男の会話。
二人の男が中庭で立ち話をしている。
蝶ネクタイの男と見知らぬ髭の男だ。
何を話しているのだろう?
「ヤツの動きに注意しろ」
「一人でうろついてるらしい..」
[[[ 真相 ]]]
(反転を使って読んで下さい)
■ジャニスから聞かされる真相■
あなたが出かけている間に、2人の男がやって来たの。
彼らは、私にクリスタルの事を尋ねたわ。
渡さなければ殺すと脅されたの。
でも...私には、あなたがどこへ隠したのか答えられなかった。
そこへあなたとジョンが帰って来たの。
彼らは、クリスタルを奪おうとして、あなたにひどいことをしたわ。
幸い怪我は大した事なかったけれど、ショックで記憶を失ってしまったの。
私...とても心細かった。
ジョンは、あなたを助けようとして、彼らに殴り殺されてしまったの。
かわいそうなジョン...きっと、どこかに埋められているのね。
そして、やがて彼らのボスと仲間がやって来て、クリスタルを捜し出すためにお芝居を始めたの。
あなたが主役の、記憶回復ミステリー劇をね。
私...こんな恐ろしいことは、もうごめんよ。
ジョーンズ博士はお気の毒だと思うけど...もう忘れましょう。
黄金の伝説なんて。
命には換えられないわ。
ジャニス...
あきらめることはできないんだ。
ここまでいっしょに頑張ってきた、ファンを裏切るなんてできないんだ。
僕のわがままを許してくれ。
シュタイナー博士の城で、BABYと話したいんだ。
そうすれば、きっとクリスタルの謎が解ける。
私、怖いの。この次は、もっと危険なゲームに違いないわ。
大丈夫さ。僕は元の僕に戻ったんだ。
勇敢でタフなマイクにね。
【道化師殺人事件】
シンキングラビット
1985年03月発売
[[[ 経緯 ]]]
ロンドンから南へ50マイル、古くからの港町ブライトンに巡業中のサーカスの一座があった。
テントも張り終え、あとは開幕を待つばかりのその日の朝、ピエロの死体がシャワーワゴンで発見された。
死因は背中から心臓に達するナイフの一突き。
シャワーの水が出しっぱなしになっていて、血はきれいに流されてしまっていた・・・。
[[[ 記憶の糸口 ]]]
殺されたシャルル・デュボワのノート
殺されたシャルル・デュボワのノートです。
これは貸し付け帳で、これによるとどうやら彼は高利貸しのような事をしていたようです。
内容はジョセフ・マッコーランが300ポンド、
ハワード・フィルビーが100ポンド、
マーカス・ビグリィが40ポンド、
それに団長のデュイ・ゼフールまでが50ポンド借りているようです。
マルタン・ルドックは昨夜、返しているので現在は借りていません。
尚、その金額は270ポンドです。
200ポンド以上になると借金もかなりの額といえます。
この時代の物価から考えて、そのくらいの額で殺人も起こりうるかも知れません。
医者の診断書
どうやらこれは医者の診断書のようです。
これによると殺されたシャルル・デュボワは末期症状のガンに冒されていて、
しかもあと半年の命だったらしい。
そのようなことが書いてあります。
そこには医者のサインもしてあり、ロナルド・ブルーワーとなっています。
預けられていた遺書
俺はもういくらも生きられない。
だが、もし俺が変死した時は奴を調べてくれ。
そう俺が一番、金を貸している奴だ。
奴は俺が病気だとは知らない。
俺は奴の手で俺自身を殺すように仕向けた。
なぜなら奴はいつも俺をさげすんだ目で見てやがった。
勿論、金を借りに来る時は素振りも見せないが俺には分かる。
最初、俺は奴を借金で苦しめてやるつもりだった。
いくらでも貸してやったのはそのためだ。
しかし俺はついてなかった。
あと半年の命だと知った時、俺は奴を道づれにしてやろうと決めた。
俺一人では死なん。奴の手で俺は死ぬのだ。
俺はそれから奴の取り立てを厳しくした。
守れるはずのない期限をきって、それを過ぎると、利息を倍にするとか最後には妹を預かるとまで言ってやった。
とうとう奴の目に殺意ほ感じた。奴は妹思いだからな。
何も知らないで奴は俺を殺す・・きっと殺す!
だからもし俺が変死した時は、奴を調べてくれ。ショーティ・ジョーだ。
[[[ 真相 ]]]
(反転を使って読んで下さい)
■マルタン・ルドックの尋問にて■
わははは。
よく調べたな。
そうだ俺がガンだ。
シャルルの野郎なんか友達なものか!
奴は俺が殺した。
奴ほど悪どい奴はいない。
どうせ俺の命もあと半年。
もし俺が犯人だと分からなかった時は
奴から奪った金でロンドンの病院に行くつもりで俺は自分の悪運に賭けたんだ。
この犯行がうまくいったら俺の病気もきっと治ると信じていたのだが・・。
それからナイフ投げのジョーも俺が殺した。
殺人現場を見られては、どうしようもなかったからな。
本当は奴が犯人として逃げたことにしたかったんだが。
奴の死体を早く片付けておくんだったな・・。
わははは。
しかし、おまえ達も俺を死刑にできないぜ・・。
俺の命はあと半年だ・・。
せいぜい裁判でも何でもするがいい。
わははは・・。
いつまでもマルタン・ルドックの乾いた笑い声が部屋中に響くのでした・・・・・。
Thank you for your adventure mind.
We admire you as an excellent detective.
We hope to see you again.
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