なんか頭痛いなぁなんて思って目を覚ますと、俺の頭の上に時任の足があった。この様子だと、たぶん蹴飛ばされちゃったりしてるんだろうなぁ。 結構、本気で頭痛いし…。 なんて思いながら起き上がってみると、ちょうど俺の足の辺りに時任の頭があった。 寝る時はちゃんと同じ向きだったはずなのに、どうしてこんなになんの? すっごく不思議なんですけど? それに、コレってかなり寝相悪くない? なんて言いつつも、やっぱ一緒に眠るのはやめられない。 時任の身体は抱きしめるのにちょうどいいくらいの大きさだし、体温高いから触れてるとなんか気持ちいいし。それに、時任の寝息聞いてると早く眠れちゃったりするんだよねぇ。 ホント、通販で良く売ってる安眠グッズ以上の効果アリ。 というワケで、いつもお世話になってるワケだけど、さすがに頭を蹴られるのはカンベンしてほしいなぁなんて…。 ん〜、どうしよっかなぁ。 くぐっ、なんかわかんねぇケド、身体が重いっつーか動けねぇ。 …っていうか、なんかこう、自分ちのベッドで寝てるってカンジじゃねぇよなぁ。 足は動かねぇし…。 あれっ、もしかして手ぇ縛られちゃったりとかしてねぇか? バンザイ状態のままだし、手首になんかヒモとかでくくられてるカンジするし。 これって、マジでヤバくない? まさか、監禁っ! すっげぇ眠かったけど、あまりのことに仕方なく目を開けると、いきなり久保ちゃんの顔のどアップが目の前にあった。 うわ〜っ!なんでこんな至近距離なんだよっ!! ちょっと唇近づけたらキスできるじゃん…。 ・・・・・・って、何言ってんだ、俺。 そんなこと言ってる場合じゃねぇっつーのっ!! とりあえずココは俺らの部屋だけど、と、とにかく、久保ちゃん起こすのが先決だよなっ。 「久保ちゃんっ、久保ちゃんってばっ!」 こんな近くで呼んでんのに、なんで起きねぇんだ!! よしっ、こうなったら実力行使してやるっ! こうやって、ちょっと頭引いて思いっきり…。 ガツッ!! 「…っ!」 顎に頭突き食らわせたらさすがに起きたみたいで、久保ちゃんは寝起きのボケた顔のまま目を開いた。 「…痛い」 「てめぇが起きねぇのが悪りぃんだろっ!」 「どうせなら、もうちょっと色っぽい起こし方してほしかったなぁ」 「色っぽいって…」 「こういうカンジ」 …チュッ。 「な、なにすんだよっ」 「おやすみのアイサツに決まってるでしょ? おやすみ、時任」 「って、寝るなぁぁぁっ!!」 「…まだ起きるには早いよ?」 「この状態で眠れるかってのっ!!」 「この状態って?」 俺が視線だけで縛られてる手のコトを訴えると、久保ちゃんは楽しそうに微笑んだ。 この部屋には俺と久保ちゃんしかいねぇんだよな、当たり前だけど…。 …ということは、やっぱそういうことなのかっ!! 「ばすせっ!!」 「イヤだ」 「なんで、んなことすんだよっ!」 「なんでって、時任の寝相が悪いから」 「はぁ?!」 「それにこうしてると、抱きしめやすくていいなぁって思っただけ」 「とかなんとか言いつつ、足をからめてくんなぁ!!」 「いいじゃない別に」 「…あっ、バカっ、あんま背中撫でたりとかすんなっ!」 「なに? カンジちゃってるの?」 「そ、そんなワケあるかっ!」 「ふーんそう?」 くそぉっ、しばられてっから逃げらんねぇっ!! 久保ちゃんの手が、わき腹から下になんかすべってきて…。 うわっ、ちよっ…、マジでなんかヤバい…。 「やっぱ縛られてたりすると興奮する?」 「・・・・・・・っ!」 「そうやって、ガマンしちゃってる顔もいいよねぇ」 「…やっ、やめっ」 「せっかくだからさ。このままやらない?」 「やったら絶好してやるっ!!」 「絶好できないくらい、良くしてあげるからさ」 「久保ちゃんのばかぁぁぁ!!!」 結局、手首にくっきりヒモの跡がつくまで、久保ちゃんははずしてくんなかった。 …なんかやっぱ手首痛い。 「ゴメンね、時任」 「・・・・・・・」 「もうしないからさ」 反省シテマスみたいに言ってるけど、ぜってぇ反省なんかしてねぇっ! 俺は無抵抗な久保ちゃんの首にヒモをかけて結ぶと、そのヒモの端をベッドに結んだ。 ふーん、結構似合うじゃんっ。 「俺がいいって言うまで、そうして反省してろっ!」 「このまま?」 「わかったら返事しやがれっ!」 「わん」 |