「久保ちゃんが好きだーーっ!!!!」


「・・・・・・・・え?」


「なーんて言ったら信じる? 今日はエイプリルフールだけどさ」

「・・・・・・・・」

「なに、怒ってんだよ」

「怒ってない」

「ウソだ」

「だったら、聞くけど…」

「な、なんだよ?」


「時任が好きだーとか言ったら、信じる? 今日はエイプリルフールだけど」

「・・・・その前に棒読みな所が気になる」


「じゃ・・・・、好きだよ」

「好きの前についてるじゃ…ってなんだよっ、じゃ…ってっっ!!!!」

「さぁ? そういうのは夕焼けにでも聞いてくれる?」

「…って、なんで夕焼け」

「たぶん、赤いからじゃないの?」

「わけわかんねぇっっ!」
 
「真っ赤かっか空の雲、みんなのウソも真っ赤っか〜♪」

「妙な歌、歌ってんじゃねぇよっつーか、ウソってなんで赤いんだ?」

「赤って色自体に明らかにとか、まったくって意味があるみたいだけど? 

 だから、赤の他人とかね」

「ふーん、赤って綺麗な色なのにな」

「綺麗だからじゃない?」

「え?」

「なんでもないよ」

「けどさー…」

「なに?」

「俺らって何の話してたんだっけ?」

「うーん、なんだったっけ?」

「うーん〜…」

「ん〜…」

「まっいっか…、今日はエイプリルフールだし」

「そうそう、エイプリルフールだしね」

「真っ赤っかっか、空の雲〜♪ みんなのお尻も真っ赤っか〜♪」

「・・・・・・それはイヤかも」

「じゃ、何が赤かったらいいんだよ?」

「赤くしたいのは…、お前のほっぺただったり?」

「え?」


・・・・・・・ちゅっ。


「真っ赤っかっか〜、空の雲〜♪ 時任の顔も真っ赤っか〜♪」

「なっ、なっ、なっっっ!!!!!」

「顔が赤いのは夕焼けのせいデショ?」

「そ、そうにきまってんだろっ!」

「じゃ、もっかいしょっか? まだ、空が赤い内に…」



「・・・・・・・・・・・うん」



どんなに空が赤くても…、まだ日は沈まない…。




戻   る