彷徨いながら道を歩いていると…、道端に黒いノートが落ちいてた。
だから、あぁ、コレが噂のっ!!!と思いながら拾ってみたが、
死神が見えたり、僕は神だと叫びたくなったりはしなかった。
けれど、せっかく拾ったのだからと中を開いて見てみると、
何か日記みたいで、色々と書いてあったので読んでみた。

○月○日。
今日、学校で気になっていた、あのコを見かけた。
相変わらず元気一杯で、クルクル変わる表情は見ていて飽きないし、
しなやかな体つきと動作は、どことなくネコ科なカンジ。
そう、たぶん性格もネコっぽい…、そんな気がする。

○月○日。
あのコの名前は、時任稔。
名前は簡単に判明したけど、まだ、話したコトはない。
ま、遠くから眺めてるだけでも、ベツにいいけどね。
だけど・・・・・・、なぜか、

細い首筋が…、妙に気になった。


○月○日。
今日の放課後、時任が教室で居眠りしているのを発見した。
だから、起こさないように注意しながら近づいて、髪を撫でてみたら、
見た目よりも柔らかくて、つい調子にずっと撫でてたんだけど…、
それでも起きなかったから、そのまま帰った。
けど、起きないなら…、

首筋に跡でもつけとけば良かった…、かなぁ?


○月○日。
時任が気分が悪いからと保健室へ…。
うーん、風邪でも引いたのか…、何かあったのか…。
良くわからないけど、気になるから保健室に行ってみる。
すると、時任は良く寝ていて・・・・・、白い首筋が…、
とても美味しそうだった。
だから、ゆっくりと顔を近づけて舐めてみたんだけど…、
やっぱりっていうか、気づかれて叫ばれて暴れられた。

暴れなければ、舐めるだけで済んだのに…、ね?


○月○日。
この間から、ずっと時任に避けられてる。
ま、当然といえば、当然なのかも?
だけど、逃げられれば追いたくなるのが人情?ってヤツだし、
待ち伏せして捕まえたら、ヘンタイ呼ばわりされた。
時任クンってば、ヒドイなぁ。

俺はただ、時任のコトが好きなだけなのに…。

○月○日。
逃げられて避けられるのにも、飽きてきた。
最初はちょっと面白かったけど、さすがにずっとは…、ねぇ?
だから、一人暮らししてる時任に、同居しようと提案した。
そしたら、時任が照れて勢い良く首を横に振るから、
時任の事なら何もかも知ってるし、照れなくてもいいよ…と、

・・・・・作っておいた、時任の部屋の合鍵を見せた。

○月○日。
時任が、いつもベッドから起きられなくて辛そうだから、
今日、学校に時任の退学届けを出した。
これで、辛いのに無理に起きる必要ないよね。
こんなに辛そうなのは、もしかしたら妊娠でもしたかな…
と、思って時任の腹に耳を当ててみたら、物凄いカオをされた。

○月○日。
時任が居なくなった。
部屋の鍵を壊すなんて、さすがってトコかな?
けど、行く場所なんて、すぐに予想がつくし、
その日の内にウチに連れて帰った。
そしたら、帰る間や帰ってからも、
俺は男だとか、男だから妊娠なんかできないとか、
何か色々と物凄く叫んでたから、
天才な時任クンなら妊娠くらいできるよ?と、励ました。

うん、俺も頑張るから…、ね?



・・・・・・・・・・・・・・・何かとても恐ろしいモノを拾ってしまった気がした。
読むんじゃなかったっっっと激しく後悔した。
けれど、今日がエイプリルフールなのを思い出し、
こ、これは誰かの悪戯に違いないと思う事にした。
大体、こんな日記が道端に落ちているのはおかしすぎるっ!!!

けれど、そう思った瞬間に、背後で妙な音がした。


BAD END。