夢も、現実も
目の前に立つシンジと、私の手の中の一通の手紙。
それは、下駄箱の中に埋もれたラブレターの中の一通。
シンジから私宛てへの、突然の手紙。
「あんた、私と付き合いたいの」
あれ、声が上ずってる。
いつものように、バカにしてやればいいのに。
「は、こんな手紙一つで私と付き合おうなんて、100億年早いわよ」
あ、なんか、いつもより早口。
「うん」
あ、シンジが悲しそうにする。
別にいいじゃない、こんなやつ。
・・・・でも。
ああ、シンジが沈んでいく。
「ま、ここで私のこと好きだって、100回大声で言えたら考えてやってもいいわ」
ちょっと、ちょっと、私なに言ってんの。
すぐ外には大勢の人々。
「あんたにそんな度胸あるわけないか」
そうよ、シンジがそんなことするわけないじゃない。
これで、この話はおしまい。
ふう。
「好きだ!」
え、
「アスカが好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、」
ちょっと、みんなが見てるじゃない。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、」
もう、バカ。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、」
・・・もう。
アス・・。
アスカ。
アスカってば。
アスカ!!起きないと遅刻だよ。
ガバッ。
目を覚ませば、鳴り続ける目覚しと、
「ほら、早くしないと遅刻だよ」
平凡なシンジの顔。
平凡な・・・。
「分かったわよ、着替えるから出てきなさい」
なんだか、悔しくて。
部屋を出て行くシンジに、思いっきりクッションを投げつける。
「バカ、99回も聞いちゃったじゃない」
・・・あと1回、だったのに。
なんで、怒られたのか分からないシンジ。
ドアの向こうで、大きくため息。
「でも、好きだよ、アスカ」
シンジからアスカ宛ての、ラブレターがどこかに一通。
それが多分、100回目。
こういう、ベタベタが好きな人メール下さい。
作者としては、非常に恥ずかしいです。
非常に。