よくある出来事を見たあとで



とあるショッピング街で、頬杖をついてベンチにすわるアスカ。
その前で、
はしゃぎまわっていた幼い子供が何につまずいて床に転び、泣きはじめた。
そして、すぐ後ろからやってきた母親がその子供の手をひいて優しく立ち上がらせる。

よくある出来事をぼんやりと眺めるアスカ。

「あ、アスカ、やっと追いついたよ。」
やがて、必要以上に買い込みをする同居人が、両手いっぱいの買物袋とともによろよろと現れ、
「うわっ!」
アスカの目の前で派手に転倒する。

「・・・買いすぎなのよ。」
ベンチから離れ、同居人に差し出される手のひら。
「・・・ごめん、安かったから。」

よくある出来事を見たあとで、
ならんで歩きはじめる2人の姿。

「・・・アスカ、いつもよりちょっとだけ優しい気がするんだけど、気のせいかな。」
「・・・気のせいじゃないの。」




いつもより多めの買物袋が、アスカの手の中で揺れている。




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