小さな嘘
「あれ、どうしたのアスカ?、珍しく、部屋の片付けなんか始めて」
「珍しいとはなによ、失礼ね」
「だって珍しいじゃないか、いつもは散らかしたままなのに。・・・何かあるの?」
「悪かったわね、ドイツに帰るのよ」
「えっ?誰が!」
「私が、よ!!」
それは小さな嘘。
軽い冗談。
「え!?、どうして、アスカ」
あいつは、とたんに顔色を失って驚く。
「嘘よ、冗談に決まってるでしょ。ただの模様替えよ」
「・・・・なんだ、良かった」
「え?」
「あ、ううん、なんでもないよ」
恥ずかしげに、背中を向けるあいつ。
背中からは、怒ったようなセリフ。
「もう、からかうなよ。アスカ」
くすっ。
私の胸の中でもれる笑い。
小さな嘘。
小さな悪戯。
「ねえ、シンジ」
「なんだよ」
「本当は、私、帰るの」
「・・・!!!!」
「う、そ、」
くすくすくす、とめられない胸の笑い。
つい、あいつに向けてしまう、私の悪意。
「ホント、騙されやすいわね。バカシンジ」
「もう、知らないよ!!」
バタンッ!
あいつは本気で怒りだし、
力いっぱいドアを閉めて自分の部屋へ引っ込んでしまう。
「もう・・、冗談なのにさ」
誰に向けてか、ぺろっと出る私の舌。
それは小さな嘘。
それ以来、使わないようにしている、軽い冗談のねた。
「ねえ、シンジ・・」
「なんだよ」
「良かった?」
「・・・知らないよ!!」
べたべた、にんじろう風味。
アスカならぬ、アスカにゃんだな、これ。
“来た”人、感想聞かせて下さい。
では、では、