Asuka
写真
NERV。
機密の印が押された大量の書類を抱え、
疲れた様子で歩くマヤ。
その足が止まり、
通路の真中で、
飾り気のない、カードケースを拾う。
中を開ければ、
快活に笑う赤い髪の少女の写真。
良く知った少年と少女の声が、
曲がり角の向こうから聞こえてくる。
「だから、何探してるのか言いなさいよ」
「う、うん」
「ほら」
「うん」
現れるのは、
本当に困った様子のシンジと、
文句を投げつつも、横を歩くアスカ。
くす、
マヤに笑みがもれる。
「はい、シンジ君」
カードケースを差出す。
「あっ」
少女の方を見ながら、少年はそっと手を出す。。
そのとき、
「いただき!!」
横から伸びた少女の手がそれをさらう。
「か、返せよアスカ」
「ふん、中、見せてもらうわよ」
「だめだってば」
「べーだ、どうせくだらないもの入れてんでしょ」
走り出すアスカ。
「待てよ」
追いかけるシンジ。
走り去っていく、子供たち。
「ファイト、か」
遠ざかっていく声を聞きながら、
マヤの足がゆっくりと送り出されていた。