残酷な天使


レリエル戦の後。
リツコは、病室のドアを開ける。
その少年以外、誰もいないことは確かめてある。
ベットに眠るのは、碇 シンジ。
傍らに立つリツコ。
使徒に取り込まれ、脱出してきた彼を厳重な検査にかけ、ここに運ばせたのは彼女自身だ。
白衣に両手を入れたまま、シンジを見おろす。
この少年に対し、感傷はないつもりだ。
限られたパイロット。
あの男の子供。
それだけだ。
それだけ?
胸の中で笑う。
EVAとあの人、私こそ、それだけなのに。

少年の顔が歪む。
うめき。
額に浮かぶ汗。

白衣から伸びた手がゆっくりと汗をぬぐう。
感傷は、無いつもりだった。

「母さん」
触れられた手に頭をよせ、見せる安堵の顔。

静かに手を戻し、踵を返す。



「・・・・・・ね」
唇の縁でつぶやく。







何処までも続く通路で、
蒼い髪の少女とすれ違った。


短し。
前後に話は、あるのだけどこれだけあればいいような気がした。
ふざけるな、まじめにやれ等。
意見がありましたら、メール下さい。


<短編の目次に戻る>

<トップに戻る>