ぬいぐるみ
『店閉まいセール』
小さな店の
小さなウインドウに
一つだけ
埃をかぶるように、残っていたぬいぐるみ。
紅い目をした、白いうさぎのぬいぐるみ。
部屋の隅に置いてみる。
「綾波が自分で買ったの」
昨日、訪ねてくれた碇君が驚いていた。
そして、
「かわいいね」
そう、言ってくれた。
「よかったわね」
碇君が帰った後、
ぬいぐるみに触れた。
「よかったわね」
紅い目の中に私がいた。