本物の輝き。
掃除中。
引出しの中から転がり出てきたビーだまが2つ。
こういうの、綾波が好きそうだと思ったから綾波に1つあげた。
「・・ありがとう。」
綾波は、キラキラひかるビーだまを嬉しそうに両手の指の先で見つめると、
綾波の部屋にあるという宝物置場に持って行った。
「アスカもいる?」
そんな綾波の様子を呆れて見ているアスカに、もう1つのビーだまを差し出してみる。
「いらないわよ、こんなの。」
「・・だよね。」
アスカの予想通りの答え。
戻ってきた綾波に、アスカの分のビーだまを渡す。
「これも、綾波にあげるよ。」
「・・・・。」
今度は、困った顔をする綾波。
「・・これ、アスカのぶん。」
アスカの方をみて、ぽつっと言う。
「レイにあげるわよ。こういう光るもの好きでしょ。」
「・・でも、アスカのぶん。」
頑固モードに入る綾波。
「・・碇君がアスカにあげるぶん。」
「分かったわよ、もらう、もらうから。」
むう、と口を閉じて訴える綾波に、
アスカは仕方なさそうにビーだまを受け取る。
「これでいいでしょ。」
こくっ。
ビーだまをうけとったアスカをみて、満足気にうなずく綾波。
「よかっかたね、綾波。」
こくっ。
そういうと、綾波はもう一度うなずいた。
「やれやれ、じゃ、私も宝物置場に置かせてもらうわ。」
肩で呆れた息をつき部屋をでていくアスカ。
「レイ、今度、本物の輝きっていうのを教えてあげるからね。」
「・・ほんもの?」
「そ、もっと綺麗で、キラキラしてて、誰がみても羨ましがるやつよ。」
すれ違いぎわに、綾波に言う。
「・・きれいで、キラキラ・・・。」
何を想像しているのか、輝く綾波の瞳。
アスカは、ふふんとビーだまを振って僕を見る。
「そ、日本の伝統では給料の3ヶ月分っていうやつ。」
「ちょ、ちょっとアスカ!」
言い残して、出て行ってしまうアスカ。
綾波は、
「・・もっときれいで、うらやましい・・・・・。」
僕の前で、とてつもない期待に胸を膨らませていた。
「だって、僕の場合は×2倍で6ヶ月じゃないか・・・。」
そのときも、
その先も、
僕のつぶやきを否定してくれる人は、誰もいなかった。
「・・ありがとう、碇君。」
「・・はい、私のぶん。」
2000年最初のべたべたです。
設定は同居シリーズですが、細かいところはそれぞれに妄想してください。
では、では、
<短編の目次に戻る>
<トップに戻る>
<メール>