誰か
本当は、誰でもよかったのだと思う。
傷つくまま、傷つけるまま生きていた私を、見てくれる。
抱きしめてくれる。
誰かであれば、
よかったのだと思う。
ただ側に、
傷つけるまま、傷つくまま、生きていける誰かがいればよかったのだと思う。
だから、
今という時がきて、
たまたま、側にいたのがこいつでよかったと、
本当にそう思う。
・・・・本当にそう思うから、
「あ、綾波だ。おーい」
私の横で、無邪気に手を振るバカに、手加減なしの肘打ちを入れてやった。