安堵
「起立、礼」
就業のチャイムが鳴り、委員長である私の号令で教室は放課後を迎える。
アスカは、
今日も、あんなにゆっくり荷物を鞄にしまって、
碇君を待ってる。
ごく自然な様子を演じながら。
決して、碇君の方は見ないように、
決して、碇君の気配を逃さないように、
その数分を、
待ちどうしそうに
不安そうに
イライラしながら
ドキドキしながら
必ず呼びに来る、碇君を待っている。
ほら、お迎えよ。
「アスカ、帰ろうか」
嬉しさを精いっぱい隠して、
アスカは、振り返るのだけど、
たった数分の孤独から開放されたその顔には、
隠しきれない、
幸せ。
「もう、ヒカリだって鈴原がお弁当を食べる時、そうでしょ」
う、失敗。
でも、出しちゃえ。