−同居シリーズの4作目−
レイと暮らすようになって分かったこと。
放っておけば、いつまでもぼーっとすごしているようなこの子にも、
興味をひくものとか、好きなものとかがあるということ。
例えば、水。
うっかり窓際なんかに水の入ったコップを置いたりしたら、
この子はそれこそぼーっと何時間もみていたりする。
何が面白いのか?
その度に本人に聞くけど、
レイ自身分かっているわけもなく、
ただ、じっと水の中でゆれる光を見つめて、いつまでもそのままでいる。
だから今、小さな雑貨屋の店先。
立ち止まったレイが何をみているのか、私にはすぐに分かった。
「あんた、ホントにこういうの好きね・・。」
「・・・・・。」
レイが見ているもの。
それは、水で満たされた手のひらほどのガラスの球。
ガラスの中では、
水の底に沈んだ白砂が地面をつくり、
赤い屋根の煙突のついた小さな家があって、
隣にはモミの木みたいな樹が、緑の飾りの葉をつけて立っている。
ガラスと水の境界で適度にゆれる置物の景色は、
確かにレイの好きそうなもの。
「・・・・・・。」
ガラスの向こうの世界を、黙って見つめるレイ。
普段の私なら、すぐに手をとって引きずっていくところだけど、
こういうときのレイの横顔は、
何か大切なものを見つけたようにしているので、
こういうときのレイの側にいる私は、
自分でも呆れるほど、お人好しになってしまう。
「これは、こうするのよ。」
「・・・?」
レイが見ている前でガラス球を逆さに持ち上げ、かるく振ってやり、
不思議そうにみつめるレイの視線を感じながら、ゆっくりもとに戻す。
「・・・どう?」
「・・・あっ。」
ガラス球を見ておどろくレイ。
ガラスの向こうに出来あがったのは、白く舞い降りる雪の景色。
水の中を、
舞い上げられた白い砂は、
白く光る雪になって、
赤い屋根と、
緑の葉と、
薄く残った地面に向かって、
レイが見つめる世界の中を静かに舞い降りていく。
「・・・・・・。」
どこにでもある雪の置物。
レイは最後の一片が降り積もるまで見守りつづけ、
全ての景色がもとに戻ると、
ようやく私に関心を戻し、
「・・もう一度、見ていい?」
そう、聞いた。
「・・好きにすれば。」
・・こうして、私が初めて買ったレイへのプレゼントは、今でもレイの宝物置き場に飾ってある。
同居シリーズ4作目です。
QLASの本家からはぬるいと叱られそうですが、
私的にはこんなところのアスカ、レイな話です。
シンジの出番?
うーむ、考えねば・・。
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