私とレイの話

−あるいはへっぽこな日々への無駄な抵抗−



ある日。
ファーストが家にやってきた。

「今日は、お食事会よ。」

それは、ミサトの安易な思いつき。
その日、1日だけのファーストが側にいる風景。

・・・だったはずだけど。

「アスカ、綾波、夕飯できたよ〜。」

ファーストはそれ以来、家に居ついている・・・・。








寝るところ。
ファーストが寝るところ。

「ぼ、ぼくの部屋!?」

・・・問題外。

「ちょーっち、ちらかってるのよね。」

・・・布団の下にきのこを養殖中。

「・・・・・・・・・・私は嫌よ。」

・・・じ〜〜〜〜いいいいい。(集まる視線)

「わかった、わかったわよ!!」

そう、全ては、わたしが甘かったせいよ。









初日で・・・。

「わたしはベット。あんたは下。・・・文句ないわね。」
「・・・・ええ。」
「じゃ、おやすみ。」
「・・・・・・。」
パチッ。(電気を消す音)

2時間後。
ごろごろごろ、どしーん! (アスカ、ベットより落下、レイに直撃。)
「・・・・・なに?」
「・・な、なんでもないわよ。」

その2時間後。
ごろ、ごろ、ごろ、どしーん! (落下、直撃。)
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・お、おやすみ。」

その30分後。
どしーん! (くりちかるひっと。レイに非常な痛打。かなり迷惑そうで、眠そう。)
「・・・・・・・・・。」
「わかったわよ!あんたが上、わたしが下でいいわよ!」

私の寝相。
今でも真実を知っているのは、あの子だけ。







これもまだ最初のころ。
お弁当タイムで、大親友ヒカリと。

「へえ、それで綾波さんもいっしょに住んでるんだ。」
「不本意ながらね。」
「じゃあ、綾波さんのお弁当も碇君が作ってるんだ。大変ね。」
「いいんじゃない、3人分も、4人分もいっしょだってあいつも言ってたし(含む、ミサトの分)。」

あいつがそう言ったのはホント。
でも、その言葉は嘘。
肉嫌いのファーストと私、あいつは黙って作り分けているのを私は知っている。
例えば、
この蓋を開ければまた、・・・・野菜ONLYの弁当。

「バカシンジ!!また、私とファーストの弁当箱を間違えてるじゃない!!」





そして、数週間。
つながる、『はんばーぐ』へのコンボ。

ハンバーグはシンジの得意料理。
週に一度は食卓にならぶ。

「それは、ハンバーグがアスカの大好物だからじゃない。ねえ、シンジ君。」

・・・ミサト、うるさい。

とにかく、そういう時もあの子は肉抜きの別メニュー。

で、
じ〜〜〜〜いいいいい。
じ〜〜〜〜いいいいい。
じ〜〜〜〜いいいいい。
私のハンバーグに向けられるあの子の視線。

じ〜〜〜〜いいいいいいいいいいいいい。
じ〜〜〜〜いいいいいいいいいいいいい。
じ〜〜〜〜いいいいいいいいいいいいい。

「ファースト。」
「・・・・・・・。」
「前も言ったけど、あんたがこれを食べても美味しくないわよ」
「・・・・・・・。」
「あんた、肉嫌いなんでしょ」
「・・・・・・・。」
「前に食べたときも、不味かったんでしょ。」
「・・・・・・・。」

しぶしぶというか、いつもそうなんだけど、黙って頷くファースト。
でも、いざ食べようとすればやっぱり感じる離れない視線。

じ〜〜〜〜いいいいいいいいいいいいい。

「それは、アスカがシンちゃんのハンバーグを美味しそうに食べてるからよ。ね、シンちゃん。」
「え、あの、その・・・。」

ああ、もう、
私、そういうキャラじゃないのに。
私はアスカで、こいつはファースト、そういう関係なのに。

「もう、そんなに食べたいなら、一口分けてあげるわよ。ほら。」

なのに、なのに、なのに!!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

案の定、ファーストはハンバーグを口に含んだとたんにすっごく不味そうな顔で・・・、

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・ほら、水よ。」

予想してたことだから、
私は仕方なしにコップをファーストに突出すんだけど、、
ファーストは、
両手でコップを受けとって、
両手でそれを飲んで、

「・・・ありがとう。」

と、言う。



「・・・シンジ、ミサト!! なに、にやにや見てんのよ!!」






で、
また、ハンバーグの日。

じじじじじ〜〜〜〜〜〜〜いいいいい。

「なんで、あんたは懲りないのよ・・・。」

こんなんで、
私のハンバーグは、いつも一口ぶんあの子のものになっている。

「ほらっ、水!」








少年は語る。

「アスカと綾波?思ったより仲良くやってるみたいだよ。」
「それは以外だな。惣流と綾波の相性は最悪だと思ってたけど。」
「ちゅうか、いつも惣流が1人で空回りしとるんや。 綾波のやつが家に来るくらいなら私が出ていく、とかな」
「ありがちだね、それで行き場所なんか、路頭をふらふらと・・・。」
「そやそや、プライドだけは高くて、意地くそ悪い。惣流はそういう女や」
「・・・ほう、私がどんな女だって」
「「「・・・・・・・・・・。」」」」

スパッ、スパッ、スパーン!!!。

「たく、3馬鹿トリオが!」
「でも、アスカ、ホントに綾波さんと仲良くなったわね。」
「・・・・・・ヒカリまで、そんな目で私を見るのね。」
「えっ、えっ?」

孤高で、
かっこよくて、
なんでも1人でできて、
そういう、私のキャラ。・・・・・・どこ?

これというのも全部、ファーストのせいよ。
そうなんだから、
えっと、いたいた、教室の隅。
ぼーっと、鞄をもってシンジを待っている。

・・・その上、私の方まで見て、私を待ってる。
・・・待ってるのよ。
・・・とほほ。

「ファースト、シンジとっと帰るわよ!」

とほほ。










「市民の皆様、久しぶりですが非常事態宣言が発令されましたぁ。」









NERV。
久しぶりに使徒襲来。
遅い遅い遅い、もっと早くでてきなさいよ。
私の本職、使命、存在価値、EVAでけちょんけちょんのけちょんにしてやる。
溜まりまくったこのうっぷんをはらして、本来の私を取り戻すのよ!!
いくわよ、アスカ。
やるわよ、My弐号機。
真紅の機体はリーダーの証!!

だから!!

「足ひっぱんないでよ、シンジ、レイ!! うりやぁああああああ!!」


「・・・・・・(オペレータ男(1))。」
「・・・・・・(オペレータ男(2))。」
「・・・・・・(オペレータ女)。]
「今、アスカちゃん、レイちゃんを名前で呼んだよな。」
「・・そうだな。」
「なにか、こう聞きなれないというか、聞いちゃいけないというか。」


「とうっぅうううううううううううううう!!!!覚悟しなさいいいいいい〜!!!」


「本人には黙っといてね。傷つくから。」
「「「・・・・そうします。」」」







・・・・・で、戦闘のあと。
・・・・・ちょっとした失敗のせいで、

「あんた、ほんとバカねぇ。」
「悪かったね、バカで。」
「どうして、そんなにバカなのかしら。」
「うるさいな。見舞いに来たなら静かにしろよ。」

バカがひとり、怪我をして病室送りになった。

「誰が見舞いですって?私は、あんたをバカにしに来たの。」

怪我の原因は、・・・こいつがどうしようもないバカだったから。

「ばか、ばか、ば〜か。」
「うるさいな、ちょっとは綾波を見習えよ。」
「・・・・・・・。」

私の隣に立つファーストは、黙って私とこいつのやりとりを見ている。
ただ黙って、何も言わず、私とシンジを見ている。

「ふふん、ファーストが無口なのはいつもの事でしょ。別にあんたの為じゃないわ。」

無茶苦茶だ、無茶苦茶だが、こいつは何も言い返せない。
ここで悪口の2、3も飛ばせる、・・・ぐらいならこんな怪我はしなっかただろう。

「ばか、ばか、ば〜か、ばかシンジ。」
「ああ、もう、見舞ってくれる気がないなら帰ってよ。」
「へん、言われなくてもそうするわよ。たくっ、誰が好き好んでこんなところに・・・・。」

私だってこんな所にいたくているわけじゃないわよ。
・・・本当に。

「・・・・・・・・・アスカ。」
「・・・・・・・・・何よ。」
「・・・・その、今日のことは気にしなくていいから。」

怪我の原因はこいつがどうしようもないバカ、・・・だから。
もう少し説明すれば、こいつが、戦闘にムキになって隙ができた私をかばったりしたから。

「・・・別に、気にしてなんかないわよ。」

それについて、こいつは何も言わない。
だから、誰も何も言わない。
ミサトも、リツコも、指令も、副指令も、そして、この子も。

「なら、いいよ。」
「・・・・・・バカ。」

・・・こいつがバカなのは事実。







家に戻ってくる。
家といっても正確にはミサトのマンション。
ま、いつもどおりだから、ここが私の家。

ただし、シンジは入院、ミサトは事後処理で徹夜決定なので、
帰ってきたのは私とファーストの2人だけ。

夕食は、買い置きしてあったレトルトのカレー。
ミサトがつくるよりはマシ。
私は料理なんてしたことない。
ファーストも同じ。
せいぜい湯を沸かすぐらいで、レンジのボタンを押すぐらい。

不味くも、美味しくもないカレーをもくもくと食べる私とファースト。
ただ、ファーストの目がときおりこちらを向く。

「なによ、何か言いたいことがあるの?」
「・・・・・・バカ。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・そう言って欲しそうだったから。」
「・・・・・・・・・。」

ファーストはいつも以上にぼそぼそした声でそう言うと、
やや考えた後で、ひとかけらの肉を口に運ぶ。

「・・・ほら、水。」







学校。
私とヒカリとファーストで昼食。

「あれアスカ、今日はパンなの?」
「・・・うん。」
「そっか、碇君・・・。早く良くなるといいね。」

気を使ってくれるヒカリ。

「ご飯とか大丈夫?私が作りにいってあげようか?」

こちらの内情が筒抜けなのはあれなんだけど・・。

「うん、でも、栄養とかの心配はいらないから。」
「そうなの?」
「うん、ファーストがね。いるし・・・。」
「・・・・・・?」

ファーストの方を見るヒカリ。
そこは、

「ビタミン剤、いる?」

錠剤入りの弁当箱に、ミネラルウォーターの世界。

「・・・・・・・ね。心配ないでしょ。」
「・・・はははっ。」


「・・・・こっちはヘモグロビン。食べる?」







そのころ、ねるふ。
人類を守る仕事をするところ。

「先輩、最新の情報が届きました。」
「・・興味深いわね。さらに観察を続けてちょうだい。」
「はい、それにしても予想以上の進展ですね、アスカちゃんとレイちゃん。」
「シンジ君を隔離したのが正解だったわね。」
「ね、私の言ったとおりでしょ。その為に私自身、家に帰らずにいるんだから。」
「シンジ君の入院、もっと長くしませんか。その方が面白いですよ。」
「そうね、考えておくわ」

「・・あのぅ。」
「なに?シンジ君。」
「そういう話は僕のいない所でしてください・・・。」





その、夜。
携帯片手に葛城一尉。

「そうよ、シンジ君は1週間の入院。私もしばらく戻れそうにないから、レイと仲良くするのよ。
 うん、そうそう、レイに代わって。」

ちなみに葛城一尉、来月には三佐に昇進する予定である。

「あ、レイ、シンジ君は大丈夫だから。アスカのことよろしくね。
 そういえばアスカはまだ床に寝てるの?うーん、今夜ぐらい一緒に寝てみれば?」

功績が認められたというが、はたして何の功績だか・・。

「命令かって?・・・・決まってるじゃない、命令よ。じゃね。」

ピッ。
携帯をしまう葛城(もうすぐ)三佐。

「さて、マヤにビデオの用意してもらわなきゃ。」


「ミサトさん。」
「なに、シンジ君。」
「だから、そういうことは僕のいない所でしてくださいよ・・・。」







夜、さっそくベットの上。

「ちょ、ちょっとファースト・・。」
「命令だから。」

きゃあああああああああ!!
バコッ!!
きゅぅ・・・。






翌日。
なんだかんだと、シンジの見舞いに行く2人。

「綾波、なんか頭にこぶが・・。」
「・・・・アスカが、」
「あんたが悪いんでしょ。」
「・・・なんとなく、事情は分かるからそれ以上の説明はいいよ。」







同じネタが続いてもつまらないので、シンジ退院。





退院といえば、
全快祝い、
祝いといえば、どんちゃん騒ぎ。
誰が決めたって?
ミサトに決まってるじゃない。
どこで聞きつけてきたのか、ジャージに眼鏡オタク。
そうなるだろうと思って私が呼んでおいたヒカリ。
こっちに来るのは久しぶりのリツコ。
さらにここに来るのは初めて(だと思う)のマヤ。

シンジは、3バカトリオの真中でバカやってるし、
ヒカリは、ペンペンを膝にのせて上機嫌だし、
マヤなんか、当然のようにピンクの怪獣のきぐるみを装着してきた。
ミサトは缶、リツコはグラスに入ったビールを片手に談笑中。
皆、楽しくやってる。
私は、そんな様子をちょっと気が抜けた状態で眺めている。

「じゃーん、シンジ君へ全快祝いのプレゼントです!」
「わあ、MPプレイヤーだ。」
「私からはこれ、全サーバーへの無期限無料パスポートよ。」
「おお、いいなあ碇。」
「そして、私から、裏ロム、裏コード、裏ナノのセット。民間レベルなら問題なく使えるわ。」
「問題ない、ですか・・。」

・・ふう。
呆れた気分になる。
でも、こういう感覚は久しぶり。
そう、シンジがいない間はなかった気分。
悪くない、落ち着いた感じ。
空気みたいなものかもね、あいつは。

使い古された言い回しも、あいつにぴったりだしね。

「・・・・・ねえ、レイ。」

私は、私と同じように部屋の隅でパーティの様子を眺めるファーストに話しかける。

「あいつが戻ってきてうれしい?」

どうせバカ騒ぎの最中で、私達の会話なんか誰も聞いていない。

「・・・・あなたは、うれしくないの?」

それは実にファーストらしい答えで、
バカと、変わり者と、私の、
共同生活の復活の始まりだった。









そんなんで、私の部屋のプレート。
知らない間に、
『アスカの部屋』から、『アスカ、あ〜んど、レイのお部屋』に替わってたりして。

・・・・・・・・。
バタン。

「アスカ、怒らなかったわね。」
「・・・怒りませんでしたね。」









朝の学校。

下駄箱をあけるとラブレターのやま。
・・ごみ箱行き。

隣でレイが開けると、たまに入っているラブレターが一通。
・・私を見て、シンジを見て、ごみ箱行き。

「いいの?」
「・・ええ。」

その隣でシンジが開ければ、最近急人気上昇中でラブレターが数通。

じ〜〜〜〜いいいいい。
・・レイが見て、私が見て、ごみ箱行き決定。
なんていう度胸はないので、放課後、お断りめぐり。
無論、レイのつきそい付き。

「さて、今日はシンジにのおごりね。」
「そうね。」
「・・・・とほほ。」

その後、あいつはホントにおごってくれた。
自分の立場というのを自覚するようになったみたい。

私?
私はいいの、女は生きてるだけで偉いんだから。

「・・そうなの?」
「そうよ。うそだと思うなら、NERVでアンケートとってみれば?」









レイの部屋。
正確にはレイが住んでいた部屋。
ときおり、レイが着替えなどを取りに戻るので、今日はつきあってみた。
着替えといっても下着ばかりなのでシンジはパス。
今ごろ夕飯の買出しに出ているだろう。

「ねえ、あんたホントにこの部屋にずっといたの?」
「・・・ええ。」
「どうして、私達のとこに?」
「葛城三佐の命令。」
「ふーん。」
「葛城三佐、あなたは嫌がるかもしれないって言ってた。」
「ふーん。」
「・・・嫌、じゃない?」
「最初の日にそう聞いてくれれれば、ちゃんと嫌がってあげたわよ。」
「・・・・・・・・。」
「別にあんたは悪くないわよ。」

そう、全ては、わたしが甘かったせい。










恐怖の事実。

アスカの部屋の布団。
干してある布団は一組。
洗濯した枕カバーは二つ。

「シンジ、レイを知らない?」
「うーん、知らない。」
「もう、役に立たないわね。」

呼び名、100%レイに変わってるし。



ついでに、恐怖の質問。

ミサトさんが綾波とアスカの前で。

「レイ、ちょっと髪が伸びたんじゃない?」
「・・そうですか?」
「どうせならロングにする?アスカみたいに。」
「・・・命令なら。」
「あんたはショートの方が似合ってるわよ。」
「・・・そう?」
「そうかなあ、ロングでもいけてると思うけど。ねえ、シンジ君・・、」

・・・・。

「ショートと、ロングの女の子だったら、どちらが好き?」
「ぼ、僕、急用が・・・。」
「あ、シンジ君待ちなさい!!」

・・どうして、どちらが似合うって聞いてくれないんですか?ミサトさん!(涙)

「逃げたわね。あいつ。」
「・・ええ。」
「で、どうすんの髪型。」
「・・アスカの言うとおりにするわ。」







NERVの大人達の会話。

「レイの部屋についてだけど。」
「今の?前の?」
「前のよ。必要ないようならマンションごと取り壊しが決定するわ。」
「ぼろっちいもんね。あそこ。」
「そうよ、どうするの、必要ない?」
「うーん、ちょっと待って。今はいいけど、あの子達のことだから、・・いつねぇ。」

ちょっと、そういう話はドアを閉めてしなさいって。
まる聞こえじゃない。

「あれ、アスカちゃん、どうしたの。葛城さんによう?」
「ううん、なんでもないから。じゃね。」

・・・レイの部屋か。








「市民の皆様、またまた使徒です。ちゃちゃっと非難してください。」










と、いうわけで。
いきなり、

「すないぱ〜ぽじとろんらいふる〜!!」
「あんた、そんなものどこから持ち出したの〜!?」
「初弾命中。使徒を完全に貫通しました。」
「目標沈黙。市街地に若干の損害。」

戦闘時間、2.5秒。
・・・完璧ね。






「何が完璧よ!勝手にあんなもの持ち出して!
 流れ弾があたったのがたまたまレイの元マンションだから良かったようなものの・・・。」






「それにしても、Pライフルって勝手に持ち出せるものか?」
「さて、どうでしょう?」

にやりと笑うは、ピンクの怪獣。

「先輩、汚れるって楽しいです。」







そして、一月、二月。

それは日常となって、もはや当たり前のながめ。

「アスカ、綾波、食器並べるの手伝ってよ。」
「嫌、今、テレビがいいのところなの。」
「じゃあ、綾波。」
「だめ。私も観てる。」
「と、いうことがんばってね。」
「がんばって、碇君。」

実は、さほど面白くないTVの音と、
そんなTVを真剣に観ているレイの横顔と、その向こうにみえるシンジの困った顔。

「クエクエッ。」

部屋を横切って、風呂場から冷蔵庫へ戻っていく温泉ペンギン。

「たっだいま〜!!シンジ君、ご飯できてる〜。」

今日も陽気な失格保護者。

「どうして、みんな食べる事ばかりなんだよう。」

シンジは、ちょっと生意気になって。

「まあ、まあ、シンちゃん愛してる〜。ほら、アスカとレイも。」

ミサトは、単純にミサトらしく。

「はいはい、いとしの主夫様。おいしいご飯をお願いします。」

私は、とりあえずおいといて。

「碇君・・・・・・(ポッ)。」

レイは、

「そこで赤くなるくらいなら手伝いにいけば?」
「嫌、テレビ観たいもの。」

やはり変わり者だ。

「・・・綾波、僕はテレビ以下なの?(すねすね。)」
「もう、しょうがないわね。私が手伝ってあげるわよ。」
「・・・私も、手伝う。」

私の後についてくるレイ。
その顔も見なれた、日常の一部。

「・・・じゃ、テレビ観ようか。」
「・・・うん。」
「え、じゃ、手伝ってくれるのは?」
「なし、怒るならレイに怒りなさいね。・・・怒れるものならだけど。」








これは、私とレイの話。
本筋とはどこかで間違った、実にへっぽこな出来事。
たぶん、ずいぶんいい加減な世界に迷い込んだ私とレイの話。

でも、それも、ここでは日常の出来事。







「ず、ずるいよアスカ。」
「ふふん、この先も、レイの隣にいられるのはアンタとは限らないのよ。」







・・・そう、これは私とレイのへっぽこな話。






一部地方でニーズのある、アスカ×レイです。
どの地方かは、私も知りませんが。
ラストは抑えめにしようかとも思いましたが、思い切ってサービスしました。
『べたべたでんな、そうでんな』です。


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