大野平野にフットパスを作ろう

大越孝

●はじめに

イギリスにはパブリック・フットパスというものがある。人間本来の歩く権利を保証したもので、元々道があったところに羊を飼うためだのなんだので柵を作ったけど、初めに道があったのだからその道を廃止する権利は誰にもなく、歩く権利「The Right of Way」という考えが生まれたのだそうだ。

フットパスには次の3種類がある。
パブリック・フットパス(public footpath)・・・人が歩くだけの道
パブリック・ブライドルウェイ(public bridle way)・・・馬や自転車に乗っても通れる
バイウェイ(by way)・・・人と馬に乗った人が通れる
(上記はhttp://landsend.travel-way.net/bluebell/footpath/index.htmlより引用)


●何故今フットパスなのか?

世の中のあらゆる面でゆったりする機会がなくなり、忙しなく動くことばかりである。移動も車で高速移動であり、足下の多くのことを、何も見ないで通り過ぎてしまう。気づくことも少ないので、時間をもてあまし、この地をほとんど知ることもなく、去っていってしまう。特に大野は、他から見ると特徴のない地域に見える。しかし、車を降りて歩いてみると、実に多くのものが新鮮に見えてくる。ゆっくり、のんびり移動することで、今まで見過ごしていた足下の宝物が見えてくる。人里周辺の自然を楽しみながら歩く、カントリーウォークというのがあるが、環境問題を学ぶには良い方法である。失われつつある自然も如実に見ることができるし、「こんなのがまだあったのか」という感動もある。けなげに生きている、小さな生きものについて学ぶことにより、何が大切なのかを知ることもできる。これは、人里だからこそ判ることである。暮らしと自然は不可分であり、分離しては存在しえないものである。それ故に、人里を学ぶことにより、人と自然は共存していかなければならないことを知ることができる。
 フットパスは、車に頼りがちな北海道の生活パターンを見直し、人里の環境に目を向ける為の最高のツールだと思う。このことは身近な環境問題だけでなく、もっと切実な「水」や「食」の環境を学ぶことでもある。知ることによって意識やものの見方が変わる。地域の暮らしや文化、その地で何が作られ何を食してきたかも学べる。何より、地域のコミュニケーションの機会が生まれる。フットパスを作る課程においては、お金をかけなくても、
「仲間がいれば自分たちでやれることがある」ということが実感できると確信している。

●フットパス成立のための前提

フットパスを成立させるためには、魅力のある土地であることが重要である。しかし、大野は知名度もなく、情報も少ないため、フットパスを作れば人が来てくれると言う場所ではない。よって、初期の段階は上手な演出をしなくてはならない。大々的なPRをしても、キャパシティーをオーバーしてしまい、魅力がないと言う印象を植え付けてしまう。しかし、PRなしで知名度を上げるには、厳しい地域である。充分なリサーチと戦略が必要である。
 歩くときに、一番心地よく感じるのは身近な自然である。いつも見ているはずなのに、実は何も見ていなかったことに気づくこともある。人里は案外おもしろいものに出会うことができる。こういうところが、かえって新鮮に感じるものである。
 自宅からそんなに離れていない地域でも、何が作られているか知らないことは多いものだ。また、流通経路も複雑なので、地元で買えない特産品もある。そんなものでも、地域の人と知り合うことで、手にはいることもある。
 近くにいるという感覚から、知っているつもりになっていることは、案外多いものである。改めて自分の目で見てみると、イメージと実際とのギャップが如実に伝わり、感動することも多いものだ。このことから、近間でも充分な満足感を得ることができる。
 地域の人と話をし、今まで知らなかったことを知ることにより、ものの見方が変わると言うことがある。意味を知ることで観点が変わり、同じものを見ていても感性が変わってくる。そういう意味でも、土地の人とのコミュニケーションは重要である。

<以下は項目のみ>

●フットパスの構築について
(1)
テーマを設けてコースを設定する

(2)ルールを設定する
(3)地域の協力が不可欠

●フットパスに囚われないこと

●どうやって作るか

●フットパスマップの作成
(1)グッズを準備する
(2)マップ作りイベントの企画
(3)マップ作りイベントの準備
(4)マップ作りイベントのポイント

●フットパスマップの活用

●コース整備
(1)材料や道具の準備と手続き
(2)コース整備イベントの企画
(3)コース整備イベントの準備
(4)コース整備イベントのポイント

●まとめ


プレゼンテーションデータ