ツール・ド・八ヶ岳参戦記

西暦、2000年の節目、今年も相変わらず四月の第三日曜日に長野県八千穂村の 国道299号線で開かれるツール・ド・八ヶ岳(以下、八ヶ岳と略します)に参加してきました。 そのレポートをします。

ツール・ド・八ヶ岳概要

まあ、普通の人は知らないでしょうけど、ツール・ド・八ヶ岳といったら 趣味で自転車をやってる人の間でもあまり知られていません。残念ながら。 ただ、似たような大会に「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」という大会があり、 こちらは日本で一番のサイクルイベントとして有名です。 どちらも上りだけで時間を競うタイムトライアルレースなのですが、 参加者の間でもこの二つの大会は話題になります。

八ヶ岳乗鞍
参加人数500人前後3000人以上
開催時期四月末八月末
距離24キロ22キロ
標高差1250メートル1400メートル
ゴール標高2100メートル2700メートル
視界悪い良好
勾配変化に富むほとんど一定

表を見ると乗鞍のほうが辛そうに見えますが、 実際のところはほとんど変わりないです。 当然、人数の差だけ乗鞍のほうがレベルの高い人が多いのですが、 レースというより、イベントと化し、完走狙いの人が多い乗鞍に比べると 八ヶ岳のほうが記録会という雰囲気が強く、平均レベルは 乗鞍より高いのではないかという気がします。

また、八月末に行う乗鞍に比べ、四月の終わりに行う八ヶ岳は 参加者にとって体ができる前のレースであり、 また、天気の気まぐれな時期のレースということも合って 参加者は寒さと暑さ、さらに風との戦いもしなくてはなりません。 視界についてはこれは人の好みでしょう。 俺個人についていえば、乗鞍のほうは視界が良すぎ。 スタート地点やずいぶん下のほうからゴールが見えてしまうとやる気がなくなります。

その次の勾配も厄介ですね。 八ヶ岳のほうは結構勾配が変わります。 特に、ゴール前4キロから続く登りは壁というにふさわしいし、 その後、ゴール200メートルほど前に下り坂が一ヶ所だけあります。 実は、この下りで毎年苦しんでいるのです。 惰性で下るとどんどん抜かれてしまうし、 きちんと走るには体のギアチェンジがうまく行かないのです。 下手にシフトアップして下りのフォームで下ると最後のゴール前100メートルほど前の 登りで体が登りに対応できず、失速してしまうのです。 これだったらこんな下りは無いほうがどんなに楽か。 まあ、それがあるから八ヶ岳は面白いのですが。 でも、今年はコース短縮のせいで、この下りは無しになりました。

レース内容

4月15日。受付と車検を行いました。 天気は雨。 かなり寒かったです。 翌日、4月16日。天気は晴れ。 きれいに晴れてくれたのはよいけど、前日に雪が降り、ゴール地点の積雪が5センチ。 除雪が間に合わないので スタート時間を1時間遅らせ、さらに距離を短縮し、16キロで争うことになりました。

ゴールした後のダウンヒル 今年から、八ヶ岳は私ははAクラスからBクラスに転向しました。 レベルが落ちたのかというとそうではなく、ただの年齢区分。 さらにいうと、30才以下のAクラスよりBクラスのほうが レベルが高いです。 主催者側もその点を承知していてBクラスがいちばん最後のスタートになります。 去年まではスタートしたらスタートの混乱を避けるためと自分のペースを守るため わざと後ろまで落ち、身体があったまってから後ろから追い抜いていく Bクラスの選手にくっついて上がっていくのが自分の走り方だったけど、 今年はそうはいきません。 どうしたものかと考えましたが、今年も結局スタートは後ろにいました。 最初はゆっくりと上がっていったけど、 周りのペースが思った以上に速いのでつられてペースが上がってしまい、 寒かったこともあり、喉と肺をやられてしまいました。 ペースが思ったよりあげれない。 でも、これ以上落とせば確実に目標タイムには届かない。 そこで、20メートルほど前を俺の追い上げペースとほぼ同じか それよりちょっと速いぐらいで走ってる蛍光グリーンのジャージをきた選手をロックオン。 あとで確認したところ、江畑洋一さん。 こっちも無理はできないからかなり時間をかけて後ろに張りつきました。 その時はこっちもかなりつらかったのでもう彼のリヤタイヤを追っかけてペダルを踏むのが 精いっぱい。 こうやって一方的に引っ張ってもらうのはかなりかっこ悪いことだとはわかっているけど、 それをやめたらこのペースでは走れない。 鼻水をたらしながらひたすら彼のあとを追いました。

江畑さんに撮ってもらった写真 ところが、8キロ付近で身体があったまったのか、かなり楽になり、余裕が出てきました。 気づくと、このペースで上がってるのは彼を先頭とした5人だけで自分は その集団の2人目を走っています。 ところが、前から落ちてきた人をかわす時、彼と逆の方向にかわしてしまったので 2番目のポジションを取られてしまいました。 いちばん後ろにつこうか無理にどかして2番目に割り込もうか考えてるうちに 江畑さんが少しづつ落ちてきました。 うひゃー、どうしよう。 ふと後ろを見るといつのまにか俺の後ろに2人ほどついてます。 ちくしょう、こうなりゃ、いままで楽させてもらったんだ、 しばらく俺が引くか。 そう思い、俺が先頭になり、急斜面を登り始めました。 それまで自分を引いてくれた江畑さんもこの集団についてきてくれたのでほっと一息。

12キロを過ぎたところで一人の人に抜かれました。 かなりのスピード差なのでついていくには危険すぎます。 自分が全参加者のほぼ最後尾にいたことを考えると 時間間違えてスタートが遅れたのでしょう。 ついていくのは危険すぎます。 そう思っていたら坂が急になったところでスローダウン。 これならいける、と追撃態勢にはいる俺。 捕まえたっておもったら手を振って前に出ろとの合図。 隣に並びかけて 「そりゃ無茶だ、こっちだって目一杯だ」と思わずこぼしたら 「もうすぐしたら、しばらくたいらになりますから」とのこと。 平らになったらその彼はスパートを駆け、あっという間にするすると前に出てしまった。 こっちもペースを上げては見るけど、俺の平地でのスピードは正直、遅い。 誰か、先にいってくれと後ろを見るけど、綺麗に一列にならんでる。 誰もいく気はないようだ。 幸い、追い風のようで俺の嫌いな風の抵抗をあまり感じない。 目標は先にひとりで逃げた彼。しょうがないと思いつつ、こっちもスパートにはいる。 先行の彼とは思ったより差がつかない。 無理すれば追いつきそうな気もする。 ありゃ、つかれてるのかな、とおもっていると 平地も終わり、きつい登りになると自分のラインにつくこともできずに消えてしまいました。 そういえば、俺が抜かれたところも坂はゆるかったです。 たとしたら平地のスペシャリストだったのでしょう。 自分達のレベルでは万能選手というのはなかなかいないです。

あと少しでゴール しばらく自分が引きっぱなしだったけど、再び道が平らになり、 道端の人から「あと1.2キロだ、頑張れ」との声がかかると後ろにいた 赤いジャージの人が飛び出しました。速いです。 ひとりちぎれたけど、自分は先頭にいたこともあってなんとかラインのけつに張り付きました。 それにしても速い。時速35キロは出てます。 ついていくのが精いっぱい。1メートルでも離れたら一気においていかれそうだ。 また急坂が近づいて彼がスピードを落とした時隣に並んで冗談半分に声を掛ました。 「速すぎますよ、ついていくのが精いっぱいですよ」 「ああ、先ほどはありがとう。でも、ついてこれたでしょ?」 まあ確かに。自分一人じゃあこんなスピードは出ません。 確かにこちらも助かりました。でも登りじゃこちらのほうが速い。 平地で引っ張ってくれたお礼に再び前に出る。コーナーを3つほどクリアする。 ふと後ろを振り返ると誰もいない。 あれ? そうするともしかしてあの赤シャツは俺が登りを引っ張ったお礼に 自爆覚悟で平地を引っ張ってくれたのか? 彼に対してすまないと思うと同時に まともなレース、してるじゃんと思ってしまいました。 あとはゴールまでひとり旅。 先ほどの彼に助けてもらったからには最後まで頑張らねば。 ゴール前で同クラスの選手をひとり抜き、 順位をひとつ上げることができました。 結果はBクラス完走197人中95位 総合では479人中227位。 記録は59分4秒。 正直、もうちょっと上に行きたかったなあ。 でもまあ、最低目標である1時間は切れたし、 レース内容が面白かったから満足。

こんな人達もいました

リカンペントという自転車でない乗り物 こいつはリカンベントという乗り物で、自転車ではありません。 元々は自転車の仲間だったのですが、これが登場して以来、自転車の記録が次々に塗り替えられ、 とても普通の自転車では歯が立たないというので自転車ではないとされてしまい、 記録も没収されてしまいました。 ちなみに、これは町乗りタイプでオーナーはあまり速くはないといっていました。 レーサータイプはタイヤの径がでかいので全長2メートルを超えてしまい法令でも 自転車ではなく、軽車両の仲間に入れられています。


ウシさん ウシさんです。かわいい顔して、本当だったらめちゃ速い人です。 プロのロードレーサーです。彼女が本気になったらとてもかないません。 今年はピークを9月に持っていくそうで、今年の八ヶ岳は調整をかねた遊びで 参加したようです。興味のある人はサイクルスポーツを読めば載ってるかも。





ママチャリで参加 ショッカー軍団
このショッカー軍団、チーム名をGURENTAIといい、四人組みです。 白黒写真で申し訳ないですけど、確か、タイツの色が青、黒、黄、赤で、 仲間内ではブルー、ブラック、イエローとか呼び合っていました。 一人はマウンテンバイクでしたが、残り三人はママチャリ、 そのうち一人は変速無し。よく頑張って登ってきました。 なお、三人しか写ってないのは一人がかなり遅れてしまったためです。


トラさん トラさんです。阪神タイガースのファンみたいです。とてもノリのよい人でした。




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