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http://www.mediafactory.co.jp/animation/021/009/21901.html
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20090716-01/1.htm
・格差社会論議で声高に主張されるのが、生活保護など「セーフティネットの崩壊」である。日本は先進国に
あるまじき「弱者見殺し社会」なのか。調べてわかったのは、一部メディアの主張とは異なる意外な「優しさ」だった。
「貧困」「不平等」などの言葉ばかりがメディアに躍る日本。いつの間に酷い格差社会になってしまったのか。
「そんなことはありません。日本における貧富の格差など、欧米や中国の格差の足元にも及びません」
そう明言するのは、『格差社会論はウソである』を著わした経済アナリスト・増田悦佐氏だ。だが、日本の
貧困を示す指標としてよく使われる「OECDに加盟する国のなかで比較すると、日本の相対貧困率は
世界2位」という調査結果をどう見ればいいのか。
「この報告書で貧困層が増えたというのは、無理。年収の中央値(データを小さい順に並べたとき、中央に
位置する値)を基準に貧困層を判断するこの方法では、所得格差が小さい日本のような国では、どうしても
貧困率が高くなってしまうからです」(前出・増田氏)
そもそも、日本の貧困層≠ノ分類される人の収入は、格差の大きな欧米などの貧困層と比べれば、
ずっと裕福だ。たとえば、もっとも貧しい下位 10%に分類される人々の年間所得を平均した統計
(人口5000万人以上の国家に限ったデータ)によると、日本の貧困層の年収は1万2894ドル。
ルクセンブルク、ノルウェーに次ぐ世界3位の豊かさである。
「日本は格差拡大どころか、極貧層を人口の4〜5%まで絞りこむことに成功している唯一の先進国。
私は人口が1億人を超える国家の指標を比較してみましたが日本は群を抜いた優等生といえるでしょう」
医療など福祉レベルでも、日本は高いレベルを維持している。
OECDが発表した「Heal th Data 2007」によれば、GDPに占める保健医療支出は8・0%と、先進国
30か国中では22位の低さだ。その一方で、WHOの統計によれば、日本人の健康達成度は世界一に
ランキングされている。「少ない医療費で健康を維持できる社会」を支えているのが、日本の健康保険
制度である。
ファイナンシャル・プランナーの山崎俊輔氏も以下のようにいう。
「保険証さえあれば、どこの医療機関でも、どの医者にでも自由に診てもらえるうえ、自己負担は3割で
済む日本の健康保険制度は、世界でも珍しい優れたものです。さらに保険医療の範囲であれば、月額の
自己負担が約8万円を超えればそこでストップする高額療養費のシステムも、収入の少ない人を守る制度です」
また、経済産業研究所の上席研究員・鶴光太郎氏も、日本は国民皆保険などのサービスが実現できている
中福祉国家≠ニ定義したうえで、こう分析する。
「日本の国民負担率(国民所得に対する租税負担と社会保障負担を合わせた国民負担の比率)は、38・9%。
主要国ではアメリカに次ぐ低さです。一方、手厚い福祉政策で知られる北欧の国々の国民負担率は70%前後に
達しています。つまり、現在の日本は、それなりの福祉を享受しながら、負担は低くてすむという、相当に恵まれた
状態にあるのです。ただ、その分、次世代にツケが先送りされていることを忘れてはなりません」
年越し派遣村では多くの人が生活保護を申請して話題となったが、セーフティネットの水準は「崩壊」と
いわれるほどなのか。
生活保護とは、収入が最低生活費に達しなかった場合に支給され、各自治体が定める「生活扶助」
「住宅扶助」「教育扶助」「医療扶助」「介護扶助」などを合計した額である。金額は自治体によって異なるが、
たとえば東京23区内なら生活扶助だけで、夫婦と児童1人の3人世帯で16万7170円、2人の児童がいる
母子世帯で16万6160円(厚生労働省HP)。
生活保護受給者は国民健康保険から外されるが、医療扶助により医療費は基本的に無料。このほか、
冬の暖房代など、さまざまな「特典」もある。
セーフティネットとして、生活保護と同様、重視されるのが障害者福祉。身体障害だけではなく、癌や
糖尿病などの疾患、うつ病などでも、障害者認定が受けられれば、障害基礎年金や障害厚生年金が
支給される。額は、障害基礎年金として障害等級2級なら年額79万2100円、障害等級1級なら
99万100円。
障害厚生年金は厚生年金加入期間中の給与や障害の等級によって設定されるが、もっとも低い3級でも
59万4200円以上が保障されている。さらに1級や2級の場合は、受給権を取得した当時、受給権者に生計を
維持されていた65歳未満の配偶者がいると、配偶者の加給年金額(22万7900円)も加算される。そのほか
タクシー、バスなど各種交通機関の割引や、所得税、住民税の減額、公共料金の減免など優遇制度がある。
制度の適用は条件によって異なるが、たとえば、都内に住む30代男性(妻と小学生の子供あり)は、両足を
負傷して障害者2級認定を受け、仕事を辞めた。障害基礎年金と、3人分の生活扶助と住宅扶助、教育扶助、
ここに障害者加算などが加わり、世帯年収は300万円を超えた。
生活保護や障害者年金の不正受給が問題化しているが、悪用したくなるほどの「厚遇」でもあるということだ。
最低賃金が生活保護より低い逆転現象が問題視され、厚労省は「入りにくく、出にくい」制度の見直しに着手している。
ただし、昨年からの経済危機で、生活保護の申請は激増し、国の負担は初の2兆円台となった。不正受給を
恐れる自治体の担当者が必要以上に審査を厳しくするなど、問題が多いことも事実である。
決して「弱者に厳しい」とはいえない日本。なぜ「冷たい国」といわれるのか。
「マスコミと知識人が、日本はダメだという悲観論ばかり流しているからでしょうね。暗い話で危機をあおった
ほうがウケるという思い込みからでしょうが、日本の大衆の知的レベルは非常に高くなった。必要とされなく
なった彼らの悪あがきにつきあう必要はありません」(前出・増田氏)
たしかにPISA(生徒の学習到達度調査)の順位が下がるたびに「学力崩壊だ!」と大騒ぎするわりには、
健康・初等教育などを総合的に判断する「子どもの発達指標」(NGOセーブ・ザ・チルドレン調査07年)で
日本が137か国中1位になったことなどは、ほとんど報道されない。「環境的に住みやすい国」でも12位、
英国BBCの「好感度をもてる国」でも、常時ベスト3入りの日本。にもかかわらず、昨年の「国民の幸福度調査」
では48位。この落差は事実と乖離した徒な悲観論の影響ではないだろうか。