ロゴマーク ホームページへ戻ります
麻痺と痛み
麻痺(まひ)ってなんだろう2
車椅子(くるまいす)に乗っている方を見かけると“ああ、足が悪いんだ”ということを思いますよね。骨折かな、捻挫(ねんざ)かな。でも、事故によるものだったり、病気によるものだったり原因はいろいろあります。足自体にケガや病気があったり、脊髄(せきずい)に傷を受けて麻痺(まひ)が起こっていることもあるでしょうし、病気で寝込んでおられて筋肉がおちてしまって立ち上がることができないとか、関節がダメージをうけていて立ち上がれないなど、その理由も身体の状態もまったく違うのですが『あ、足が悪いんだ』と思われることがほとんどです。
連れ合いのとらたぬも“できるだけ歩いて筋肉つけたら普通に歩けるよ”とか顔をあわせるたびに声をかてくれる人がいます。
脊髄の麻痺から足を持ち上げることができないんですよってお話しますが、毎回声をかけられるとこをみると、きっと理解してもらってないなあ。f(^_^;
病気やけがで脊髄をいためて車椅子を利用している方でも、脊髄損傷(せきずいそんしょう)と頸髄損傷(けいずいそんしょう)というとそれぞれ傷を受けた場所が違うことで身体の状態はまったく違います。
ここでは、脊髄を傷つけたことでおこる麻痺について考えて行きたいと思います。
脊椎と脊髄(せきついとせきずい)

脊髄は脳からおりてくる神経線維(しんけいせんい)の長い束です。脳と身体の連絡網になっていて、情報が行きかいます。
ビルの空調や照明、防犯などを集中で管理しているパソコンにつながっている、建物の中をはいまわっている電線の束のような感じを受けます。太いケーブルからほそい末端の電線まで。
けれどそれらと大きく違うのは、脳は情報を集めて身体をコントロールしているだけではなくて、考えること、計画してやり遂げること、そしてイメージをつくって、希望や意欲をもつなどの働きをするのです。
肌や目や耳、内臓からの刺激や情報を脳に伝えて、脳はそれを判断していろいろな命令を出し、その命令をまた手足や内臓に伝えると言う働きをしています。
また、上から物が落ちてきたりと言う突然の出来事が起こったときは、脳にその状態を伝えることをせずに、直接脊髄が危険をさける行動をとるように命令を下すこともします。見ること、聞くこと、肌が感じる刺激を脳がどう判断するかはまた別のとこで取り上げるお話として、脊髄が脳とともにどれだけ重要かわかります。
だから、中枢(ちゅうすう)⇒重要なところと言うのかな。刺激を感じて行動をおこしたり、手足をうごかしたり、物を考えたりするのは脳の働きと思いますが、脳がそれをするために必要な情報を得たり伝えたりするのに欠くことができないのが、脊髄です。
脊柱の椎体対(ついたい)と突起(とっき)部分の椎弓(ついきゅう)で守られています。
脊椎の詳細図 脊髄と椎間板の図

左は上から見た断面で、右は横から見た図です。
どちらも、突起のあるほうが背中側になります。
脊髄は脳と同じように、皮膜ひまく(軟膜なんまくでつつまれその周りにクモ膜そして硬膜こうまくの順番で)に包まれています。その周りを脂肪と骨膜(こつまく)がおおっていて、この図のように椎体などで保護されています。
脊髄は大人で長さ44cmくらい、重さが約25gあり、脳脊髄液(のうせきずいえき)は100〜150mLです。
そんな大切な脊髄を、傷つけてしまう原因はいろいろあります。
道を歩いていて転倒したり、車の事故や運動中の外傷(骨折や脱臼だっきゅう)、脊髄の病気(腫瘍しゅよう空洞症くうどうしょうなど)、血管障害(血液がいきわたらずに酸素や栄養が与えられずに組織が損傷する)、神経機能に影響する病気(多発性硬化症たはつせいこうかしょうや頚椎症)などがありますが、それぞれ突然に傷をうけたり、またゆっくり圧迫をされて神経がダメージをうけて状態が悪くなるなどその症状の現れ方もいろいろです。
どんな状態にしても、基本は神経のダメージが大きくならないうちに正しい診断をして的確な治療をすることが、その後の身体の機能がどれくらい良い状態に保てるかの分かれ目になります。
特にいためたのが脊髄の上位(頚椎C1〜C4)の場合は、呼吸をつかさどっている部分ですから呼吸筋の麻痺を起こせば、命を失う危険性が高くなりますし、その後人工呼吸器を使用しなければならないかもしれません。。
事故などの時、安易に身体を動かしてしまうことでダメージが大きくなってしまうと言うこともあります。
左の図のように、C1〜C7が頚椎、T1〜T12が胸椎、L1〜L5が腰椎、S1〜S5が仙椎になります。
中身はともかくとして、1.2sから1.4sある重い頭をささえているため、事故などで頚椎の骨折や脱臼をおこしますし、腕や上半身の重さをささえている腰椎の部分に力がかかってくるのは良く理解できます。
いろいろな原因でダメージをうけた脊髄は、その悪くなった部分によって、現れる症状がはっきりしています。
症状から脊髄のどの部分を傷めているかを知ることができるように、損傷した後におおまかにどのような症状がこれからでるかを知ることもできます。
脊髄が傷をうけると、傷をうけた部分(障害レベル)から下の身体の機能が壊されますが、痛みはその上の部分にも現れます。
頸髄の上位C1〜C4は、呼吸麻痺をおこしますから大変危険な状態になり、事故をおこしたときにめだった外傷がなくても頸髄の損傷が見落とされると命を落とすことになります。
リウマチなどでもC1とC2の大靭帯(だいじんたい)が炎症をおこして伸びるてぐらついてしまうことで、症状に気が付かないままに大変危険な状態になっていることがあります。また、完全麻痺では肩からしたがまったく動かない状態になります。
C4:横隔膜(おうかくまく):肺を広げたりや縮めたりしている筋 肉と横隔膜で呼吸をしています。自律神経だけでなく脊髄神経でも動かされているので、勝手に呼吸をする以外に自分で息を止めたり、深呼吸することもできます。
C5:ひじから上の曲げる側の筋肉の麻痺(上腕二頭筋じょうわんにとうきん)、肩から下の知覚や運動麻痺。
C6:ひじから上の伸ばす側の筋肉の麻痺(上腕三頭筋じょうわんさんとうきん)、ひじから手首までの筋肉(前腕橈側とうそく側より下)の麻痺。
C7:手のひらや指の麻痺。
胸椎、腰椎から下は足の麻痺や膀胱・直腸(ぼうこう・ちょくちょう)の障害がでます。
傷をうけた場所(レベル)の違いから、脊髄損傷と頸髄損傷とでは身体の状態が違うということを書きました。それは、傷を受けた部位から下の機能がダメージをうけるのですから、上の部分を傷つけるほど使えなくなる機能が多くなります。
車椅子での生活といっても、自分で車椅子をこぐことができる、ベッドから車椅子に移ることが楽にできることと、肩から下の自由が利かないのではその生活の差は大きなものになります。
また、完全麻痺(かんぜんまひ)と不全麻痺(ふぜんまひ)というように、麻痺にもちがいがあります。とらたぬは麻痺の進行がある不全麻痺です。
完全麻痺は傷をうけたところから下の感覚や運動の機能がまったく失われていますし症状が固定している状態を指します。不全麻痺は部分的に機能が失われている状態です。
神経が切断されてしまったような状態と、部分的に傷をうけてもつながっている状態かな。
不全麻痺にも脊髄のどの部分を傷つけられたかで、上肢(じょうし)麻痺はひどくても、下肢(かし)の機能が一部分だけのこったり、運動する機能やや感覚は鈍くなっても、触って質感を感じたりなどはできる機能が残っているなどがあります。
車椅子にのっているだけでは無い、いろいろな症状があることを見て行きましょう。
海と森の詩
迷路を歩く
前のページへ
次のページへ
痛みってなんだろう
ぽんの道具箱
ホームページへ
森の地図へ
医療情報について
ページの先頭へ
尾瀬のぶなの木 春
写真をクリックしてください
ページの先頭へ
尾瀬
写真をクリックしてください
脊椎の名称
ページの先頭へ
芽吹く
写真をクリックしてください
海と森の詩
迷路を歩く
前のページへ
次のページへ
痛みってなんだろう
ぽんの道具箱
ページの先頭へ
ホームページへ
森の地図へ