青い海〜、白い砂浜〜、黒いウニ〜

100m先から写真撮ってくれって頼まれた

■真・レッジョの休日

アズーリ戦翌日、レッジョカラブリアで1日を過ごした。当初、試合の日程を日曜だと勘違いしていたため、飛行機を翌日の月曜に手配してしまっていたからだ。しかし結果的にこの間違いは大正解であった。

昼過ぎにのそのそと起き出す。ホーンテッドマンションにも1日居たら何だか慣れてきてしまったので、結局部屋は変えずにそのまま泊る事にした。何も出なかったし、まぁ夜寝るだけならちょっとくらい何か出ても平気だろう。

外に出ると、街はゴーストタウンだった。14時過ぎ、メインストリートには人っ子一人いない。前日に営業時間を確認したのだが、この街ではほとんどの店の昼休みの時間が13時前後から17時や18時までとなっていた。駅前のスーパーさえ12時半から17時半まで開かない街、レッジョカラブリア。昼休みが5時間て。私が8月まで勤めていた会社なんか、45分しか休み時間が無かったのに!それを自主的に15分延ばすのにさえ苦心していた身としては、無茶苦茶羨ましい。夕方開店すると20時前後くらいまでは開いているようだが、それにしても長いよなぁ。(ちなみにミラノのスーパーだと昼休みの時間は12時か12時半からの3時間程度。15時半ごろ再び開店して、夜は19時半くらいで閉まるのが普通。)

ただ運がいいことに、ホテルの目の前のお洒落なパン屋兼バール兼ジェラート屋が昼の間も営業していた。昼の中途半端な時間にも営業している店は、この街ではこことマックくらいしか無いかもしれない。店の名は「モラービト」。レッジーナの選手と関係あるのだろうか?その辺は分からないが、とにかくここでパンとレモンティーの遅い朝食を取った。食事の後にはジェラートを頼む。金髪美人な店員のお姉さんがコーンの限界までジェラートを盛ってくれた。日本で食べるジェラートの2、3倍はありそうな大きさだ。それでいて1つ1.5ユーロという良心的な価格設定だったのが嬉しかった。ただし、気温が30度近いこの地では、外で食べるとアイスが溶ける速度との戦いになるので、普通の人は大変かもしれない。私はアイスクリームに関しては常人の3倍のスピードで食べられるというアビリティの持ち主なので問題なかったのだが、同行のN氏は苦戦していた。

■スカパー映像まんまです!

スカパーの映像にこういう場所があったような?

お腹を満たした後、歩いて数分の海辺へ出ると、そこにはテレビでしか見たことの無いような風景が広がっていた。まさに”絵に描いたような”青い海と白い砂浜。道沿いに植えられた真っ赤なハイビスカスとのコントラストが目に眩しい。海は数メートル先の海底が肉眼で確認できるほど透明だ。エメラルドグリーンから始まって青紫で終わるグラデーションのかかった海の色が最高に美しい。両親が海好きで小さいころから日本の海はいろいろな場所で見てきた私も、こんな色の海を見たのは生まれて初めてだった。強いて言えば夏時期の太平洋から東シナ海へかけてのグラデーションに近かったが、それよりも色が淡いのはここが浅くて穏やかな内海だからだろう。

FF8のオープニングムービーみたいな海。

桟橋から下を覗き込むと、水深数メートルほどの海底に天然のウニを発見!
ウニだ!ウニ丼食いて〜。

植物も南国仕様。
サボテンまで生えてます

桟橋にはこんな像も。
海の守護神? 
海辺では砂浜沿いにずっと歩いてみた。泳いでいる人もチラホラいて、水着を持ってこなかったことをかなり後悔した。こんなに暑くてこんなに綺麗な海なら泳ぎたかった・・・。

■レッジョの夜

イタリアの南部は治安が・・・という話をよく聞くが、この街ではそのような危険を感じることはなかった。夜になると人々が家から出てくるからだ。まぁ街じゅうの店が夕方にならないと開かないのだから当然といえば当然なのだが。だいたい18時をすぎると街が急に賑わいはじめる。昼間はゴーストタウンなだけに、異様な光景でもある。ピークは20時過ぎのようだ。レッジョカラブリアの駅から隣駅までのメインストリートは町の人々の散歩と歓談の場となる。小さな子供が一人で歩いているし、ベビーカーそっちのけで井戸端会議に花を咲かせている主婦も多い。警官も一応は巡回しているものの、タバコをふかして雑談しながらののんびりムードだ。同じ時間帯での比較なら、ミラノ中央駅付近の夜のほうが断然恐い。夜になると人気が格段に減り、歩いている人間の種類が胡散臭くなるからだ。(まぁそんな中で歩いてる私も当然、胡散臭い部類なワケだ。)

夕飯はメインストリートにあるレストランに入った。船室をイメージした作りの小洒落た店だった。この魚料理がオススメだよ、と店員のお爺ちゃんに勧められたので、言われるままに料理を注文したのだが、本当にこれは美味しかった。メニューも見ずに(見たって読めないしなぁ)注文したので何の魚かは分からないが、味はカジキマグロによく似ていた。白身のあっさりとした魚がワインで煮込まれていたものだ。他にラザニアや野菜の煮込みなども注文したのだがどれも美味しく、お腹は一杯になった。一杯になりすぎてコッソリとパンを2つ持ち帰ったのは秘密である(パンも漏れなく美味しかったんで、残すのが余りにも勿体無かったのだ。)。これだけ食べて2人で20ユーロ少々とは安い。しかも支払い後にお爺ちゃんがデザート盛りをサービスで持ってきてくれた。これまた美味しく、別腹に収めて22時ごろホテルへ戻った。

■帰還

翌日は2日間お世話になった恐怖部屋ともお別れだ。そうそう、チェックアウトの際に他の部屋の人のキーを見ていて気付いたのだが、他の人たちの部屋は「201」とか「207」とかいう連番の部屋番号だった。私らの部屋番号はタダの「2」だったのだが。やはり他の部屋とは違ったと言う事か。まぁ何も出なかったし、宿泊費もどうやら他の部屋の半額だったようなので良しとする。

駅から空港行きのバスへ乗り、昼頃の飛行機でミラノへと戻った。行きは10時間以上かけた道程も、飛行機で飛べば1時間そこそこ。呆気ないモンである。

■結論:レッジョはオススメ。

そんなわけでレッジョカラブリアはとてもイイ場所だった。イタリアの中でも遠すぎて行くのを躊躇しているナカムーラのファンの貴方は迷わず行くべきだ。アリタリア航空でローマかミラノへ飛べば指定都市への1往復分がタダで付いてくるから、それを利用して往復すればいい。個人的には超観光地のローマやフィレンツェよりも気に入った場所だ。イタリア人のバカンス時期をはずして行けば、海岸も空いているだろうし、ここは人も気候も温かい。食べ物も美味しい。なお宿泊の際には是非ホーンテッドマンション(DIANA HOTEL)の「2号室」を指定で!泊めてくれるかどうか、その日まであの部屋が存在するかどうかは分からないが・・・。


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