ミラネッロ(10/15)


■ミラネッロへの道

ミラノ郊外に存在するミランの練習場ミラネッロ。基本的に人が近づきにくく、大自然の中にある場所なので、車で行くのがベストな方法ではある。しかしレンタカーではかなりのお金がかかるし、何よりイタリアで車の運転は冗談抜きで命の危険が伴う。タクシーでも最寄の駅からは7ユーロかかる。7ユーロごときケチらなくても、と言われそうだが、往復14ユーロ。何度か行ったらユニが買えてしまう。そう、ここはサンシーロ同様、これから何度か訪れることになるであろう場所。だからルートの選定には事前に結構な時間をかけた。(何日か前や当日午前中にも近そうな駅で降りて、歩いて、調べて、人に聞いてみて・・・を繰り返した。)

結果、一番コストパフォーマンスの優れていると思われたバスルートを選択。最高にケチケチ行くなら徒歩ルート(最寄鉄道駅から約1時間)というのも聞いたのだが、地図も無い山道を1時間歩いて遭難して新聞の紙面を飾るのも嫌なのでそれは辞めた。

■ガキとオヤジとミラネッロ

バスを降りて標識を頼りに歩くと、20分ほどでミラネッロの正門前に到着。

ミラネッロの看板

もっと沢山の人が来ているのかと思っていたのだが、10人程度だった。"通"らしいオヤジがあそこにシェヴァがいるよ、と教えてくれた。いきなりミラネッロ駐車場のシェヴァ目撃。声も聞こえる距離だ。インタで聞いたことのある、ちょっと鼻にかかったようなシェヴァの声。舌っ足らずな喋りもインタそのままだ。車についてスタッフと何事か熱心に語っているようだった。査定か?

日本人女2人組が相当に珍しかったのか、その場にいたオヤジ(どうやらここに集まって、サッカー談義を繰り広げるのが日課のご近所さん達のようである)数名が熱心に話し掛けてくる。会話集片手に適当に応えていると、今日は何時に誰が来たとか、今日の練習は誰が来ていて何時までだとか、聞きもしないのに重要な情報を色々と提供してくれた。また、しばらくして建物からカラーゼが出てきたとき、わざわざ私たちの存在をアピールしてくれた。お蔭様でカラーゼが手を振ってくれ、またバレージが出てきたときには呼び止めてくれたため、サインをもらう事も出来た。それから後述する非公開練習場についてヒントを教えてくれたのも、このオヤジたちであった。ありがとうオヤジ。そういえば、オヤジの一人に「誰が目当てなんだ?」と聞かれた。咄嗟にネスタとピッポと答えてしまった。イタリア人のイイ男2人。我ながら何と当り障りの無い答えだろう(笑)。オヤジは笑いながら小指を立てて、「ネスタはコレがいるから諦めろ、ピッポならフリーだぞ」と言った。ピルロなんて言った日には凄いツッコミ必至だっに違いない。危ない危ない。

■練習を目撃

現段階でここに詳細を書き記すことは控えるが、最深部グラウンドでのミニゲームを一部目撃することに成功した。これは先のオヤジの助言と、とあるイタリア人青年の助けによるものだ。

練習風景

練習は和気藹々と行われていた。スタメン組ではシェヴァとルイコスタが不参加だったようだが、他のメンバーはほとんどが参加していた。スタジアムでは喧騒にかき消されて聞き取れないプレー中の声も聞くことが出来た。

■出待ち

門の前で帰宅する選手の車が出てくるのを待った。トップバッターはミントアイスみたいな変な色のポルシェで登場のアッビアーティ。でかいので天井に頭がついてしまいそうだった。続いてフィオーリ。

ナイス笑顔

そしてレドンド。横でN氏が「レ、レ、レドンド様だ〜!」と意味も無く慌てている。かく言う私もひたすらうわ言のように名前を復唱してアワアワと取り乱していた。おかげでサインこそもらえたものの、写真は上手く撮れなかったのが大変心残りだ。この日の自分の”心臓バクバク度”ではダントツであった。素敵過ぎ。顔の小ささにもビックリした。いつか落ち着いて目線をもらいたい・・・。永遠の貴公子を前に落ち着ける日は来るのか。

次々に選手が現れる。人の良さで印象に残ったのはブロッキとセルジーニョ。写真撮影の際に、車から身を乗り出し、こちらがシャッターを切り終えるまでずっと笑顔で待っていてくれた。周りが子供とオヤジばかりだったこともあり(?)、その他の選手についても目線ゲット率はかなり高かった気がする。


この状態で待っててくれたブロッキ

ダントツ小顔大賞のカラーゼ

実物ネスタは死ぬほどカッコよかった。

怖い顔で写ってしまったマルディーニ。

テンパっていたのはトマソンとカカ。トマソンは駐車場を出たところで携帯に電話がかかってきてしまったようで、携帯で電話をしながら車のハンドルも握りつつ、それでもサインや写真は断らずしっかり受けていた。携帯で話していたため、写真で視線はもらえなかったが、とにかく噂通りの”いい人”なのは間違い無さそう。カカはリバウドの車と並んで出てきた。いっしょに夕飯でも食べに行くつもりだったのか、二人とも車の窓を開けずに発進することを示し合わせていたようだった。しかし、子供が無理やりリバウドの車の窓に近づいたことで、リバウドは仕方なく窓を開けてサインに応えることとなった。それを見て「あれれ?話が違うぞ?」と思ったのか、あわててハンドルを切りそこなうカカ。こちらも窓を開けざるを得ない状況となり、サインと写真に応えてくれた。リバウドが気になっていたのか、リバウドのほうを何度も確認しながら、笑顔も若干引きつり気味の写真となった。実物を見るまでは、もっとアイドル然として余裕を湛えた青年、というイメージがあったのでこの焦りっぷりは意外であった。

笑顔引きつり気味のカカ

■ピルロ登場

真っ黒な4ドアの大型ポルシェ。その全ての窓にスモークがかかっているという、見るからに怪しく偉そうな車が出てきた。と、子供が「ピルロだ!」と叫んで窓に駆け寄った。ひょいと窓から顔を出して子供に声をかけていたのは、まさにアンドレア・ピルロその人だった。真っ先に目を引いたのはやはりそのファッション・・・。黒光りするベルベット地に、これまたベルベット地で真っ赤な文字(パンクなフォントで・・・)がドカンと入っているパーカー。視覚的にクラクラしつつもサインをもらって、写真を撮らせて貰う。写真を撮りながら気が付いたのだが、よく巷で言われるほど顔はでかく無かった。むしろ小さい方かも。周りの人が小さいのと、膨張している髪型のせいで冗長されて見えるのかも知れない。目も開いてた。これまで散々書いてすんませんでした。(今更。)ちなみに愛想は大変よく、カメラを向けたところシャッターを切り終えるまでしっかり待っていてくれた。

写真では服の質感が出ないのが残念・・・

■ピッポ現れず

練習ではしっかり存在を確認していたピッポだが、帰りの時間(終バスぎりぎりの時間)になっても現れず、この日は諦めた。また、セードルフとパンカロも練習で姿を見ていたが、現れず。ルイコスタは練習にも姿が見えなかったので、おそらくこの日は休みだったのだろう。また、ヂダはネスタ、ガットゥーゾ(この二人がほぼ同時に出てきた)の直後だったため、間に合わなかった。それから1台スモークで中の見えない車が窓を開けずに通過していったのだが、これは愛想が無いことで有名なビリーだったのではないかと推測。シェヴァは真っ先に帰ってしまったらしく、帰り際の姿を見ることが出来なかった。

結局この日、サインをもらえたのはバレージ、トマソン、ボリエッロ、セルジーニョ、カカ、リバウド、ガッちゃん、アンブロ、ブロッキ、レドンド、ピルロ、カラーゼ、マルディーニ、ネスタ、ラウルセン、シミッチ、カフー、アッビアーティ、フィオーリ。実は今日は下見のつもりで来たのに大収穫であった。

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