リリック演劇祭・シアターゴーイング

1999年11月19日(金)〜23日(火)
長岡リリックホール

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◆シアターゴーイングの全体観

◆「えんぺ風」シアターゴーイング1行レビュー!

 リリック演劇祭シアターゴーイング。

 theater・going ━《名》[U] 芝居見物, 観劇.「芝居見物・観劇」=という意味なんだそう。5日間で県内各地の劇団・高校の演劇部合わせて11団体が集うアマチュア演劇の競演の場でした。

 今回初めてこのイベントに足を運んでみましたが、たしかに通し券2,000円ポッキリでこのボリュームはすごい!一日最大3公演、脳みそはフル回転、もうおなかいっぱいです。ま、ここまで見た人はかなり限られそうですが。
 これだけの劇団が県内に存在していると言うことが認識できましたね。新潟にもこれだけ演劇を楽しむ人がいるんだぞと。
 そしてそれらの劇団がある期間中に一堂に会し、それぞれの芝居を見せ合い、刺激しあえるいい場であると思います。ビバ!シアゴー!!

 というわけで、まずシアターゴーイング全体を通して感じたこと、それから私が見た8公演それぞれの感想を一言ずつ書いていきたいと思います。特にシアゴー全体の印象についてはちょっと辛口かもしれないですが、それだけ今後の展開に期待していると言うことです、それは。


◆シアターゴーイングの全体観
 まずチラシを見て感じたこと。今回は全部で11団体が参加すると言うことで、チラシにもそれぞれの劇団のコメントなどあってなかなか期待感の持てる作りでした。
 が、視覚的にはちょっとインパクトがなかったかも。中開きのパンフレット形式にして、それぞれの劇団のビジュアル的アピールがあるとなおよいのでは。
 パンフレットといえば、シアゴー公式ハンドブックみたいなのがあってもいいよね。各団体に1ページずつ、公演の概要やスタッフロールなんかを載せてあるようなやつ。どこの団体も独自でパンフレットを発行しているのだから、それをまとめてみられるといいなあと思うんだけど。むむ、むむむ。どうでしょ。

 宣伝に関しては、これだけWEBが浸透している昨今、インターネットでも積極的にアピールしてもいいのでは。折しも今回の参加劇団のひとつが独自に非公式の応援サイトを作っていて、WEB愛好者としては結構役に立ちました。応援メッセージ募集は結局公開されなかったみたいだけどねえ。むむ、むむむ。どうなんでしょ。

 仕事の都合で行くことのかなわなかった初日以外は毎日足を運んだ訳ですが、どの日も結構にぎわっていたような気がします。
 リリックホールの職員やシアゴーの運営スタッフと、参加劇団のスタッフとの二重の接客体制はお客さんに優しくて好印象。特にシアゴーのスタッフの方は少数精鋭ながら、とにかく参加劇団をサポートするという姿勢やこのイベントに対する熱意を感じました。全体をまとめる人なしにはこうした演劇祭は盛り上がらないのですから、本当に心からお疲れさまですをいいたいところ。
 ただし多くの公演に足を運んだ私としては、毎回毎回配られるシアゴーというイベントに対するアンケートがもったいないような…。もったいないので3枚くらい書いていれましたけど。むむ、むむむ。こまかいですかね、わたし。

 今年は長岡で市民60人が参加した野外劇などがあった影響か(ってわたしも参加してましたけど)、この野外劇の参加者がたくさん見に来ていたことも印象深いです。リリックホールがワークショップとこの演劇祭をリンクさせながら地元の演劇文化を盛り上げていく役目を果たしてくれるような予感がして、よいことだなあと。
 ワークショップで実践に触れ、シアゴーでいろいろな演劇を見て目を肥やす。ダブル効果が期待できますね、きっと。

 あと素朴な疑問。シアゴーの参加団体同士の交流の場ってあったのかなあ。それから、5日間連続で毎日仕込みバラシが続いたであろうこのイベント、参加劇団の人たちは他の劇団の芝居を見る余裕があまりなさそうなのが残念。しょうがないことなんだろうけど、お互いに見合って刺激し合うことも大切よね。きっと。

以上、シアゴー全体を通してのよしなしごとでした。


◆「えんぺ風」シアターゴーイング1行レビュー!
 それぞれの公演の感想を一言ずつ書きたいと思います。また、個人的シュミの視点で★をつけます。あくまでも独断と偏見ですのであしからず。(★〜★★★★)

ご参考:演劇系WEBのスタンダード

「えんげきのぺーじ」


11月20日(土)
★★★ オフィス一発屋「シーマン」作・演出 中島かねまさ

スタッフ・キャストが楽しく作りこんでいる肩の力の抜けた俺ワールドを堪能。遊び心と客を楽しませようという姿勢がうまくマッチ。一休最高。
 



11月21日(日)
★★ 中越高校演劇部「春の小川はさらさら行くよ」作・前崎寿美代/演出・丸山由希

がんばる高校演劇。以外とシビアなテーマを扱うのね、現代の女子高生。誤解してたかも。「家族」が表面的な表現にとどまっていたのが残念。あるいは戯曲のせい?

★★ 劇団第二黎明期「TEN POINT」作・演出 シダジュン

スタジオの設備的制限をうまくカバー。脚本いいけどギャグが滑っててたはは。「ぴちぴち〜」のギャグには終演後気づいて大笑いしたけども。

★★★★ 小賭的「フローズン・ビーチ」作・ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出・山川緑

純粋に客として楽しめた一本。女優4人のバランスと全力疾走ぶりが気持ちよかった。最後で残念。


11月22日(月)
★ 劇団開放宙域〜考えるペンギン「They〜彼ら」作・R・A・ハインライン 構成・演出 木村敏雄

むずかしく考えすぎて消化不良?の印象。客の視点で場転などを考えて欲しかった。生演奏もいいけど、リサイタルだったのか?


11月23日(火)
★ 劇団のあ「敬子と珠美−SAME TIME NEXT YEAR−Lesbian Version」作・大森多夏 演出・小林優子

中盤ちょっと盛り上がったけど、いかんせん場転が長すぎ。クロイヌ運輸など場転の工夫を楽しむ姿勢は感じたけど、とにかく長すぎ。

★★★ 劇団パラグラフ「サンタクロースが歌ってくれた」作・成井豊 演出・松本章嗣

スタッフワーク、客を楽しませようというていねいな作り、劇団の底力に★3つ。まんまキャラメルに★−1。

★★ 湊屋野上組「夕日の伝言」作・井上公 演出・野上大樹

錯綜した物語にいまいち乗れず。英語のナレーションが??悪くはないんだけど。