創造集団Area-Zero「その鉄塔に男たちはいるという」(作・土田英生 演出・樋口伸介)
2005年12月10日(土)19:00-21:00
長岡リリックホールシアター
2005年最後のかんげきは、長岡で旗揚げした創造集団Area-Zeroの公演となりました。
今年の締めくくりとしてはまずまず、おもしろいお芝居でした。
役者、はたまた演出家の遊び心が伝わるいい芝居でした。
物語は、近未来のアジア圏?に派兵されている自衛隊の慰問公演に訪れたお笑いトリオが、隊員たちの殺伐とした様子(いつ戦争が始まるかわかんないような?)に恐怖を感じ、脱走する。そして、鉄塔の上に滞在してサバイバル生活を営む事になるのだが、彼らを探す自衛隊員に見つけられて、でもでも・・・・
といったような。男同士の友情や反目、立場の違う者のおかしくも哀しい交流を描いている。
まず、戯曲の面白さを、きちんと「正しく」作り込んでいて、普通に面白い。特に、全員男性キャストだが、実力が安定しており、なおかつ年齢層も広く個性も幅広く、素直に引き込まれる魅力をもった舞台だった。
特に好きなのは、お笑いトリオのきめゼリフの部分とか、ネタを披露しあうところとか。物語上、「そのネタは寒く、周囲の失笑を買う」とか「意外と面白く、ジェラシーをもったりしている」といった流れもあるんだが、そうした状態をきちんと、かつ楽しく演じているのに好感をもった。
「あ、これは楽しんで作りこんだんだなあ」と言うシーンははっきりと伝わると言うか・・・。
また、演出もいろいろと楽しい。冒頭のシーンが懐中電灯の光がともるところから始まるのが、すき。
装置も好みでした。「鉄塔らしさ」を出すのに、工事用の鉄骨を組み合わせて作ってあり、最小限の準備で最大限の効果を発揮?って感じ?
あと、多分去年戯曲研究会さんが公演した保育園の机?を大道具として使っていたのはほほえましい感じ。用事サイズの机に大男(そう、この劇団はなんだかマッチョで大柄な印象)が座ってる姿って・・・
惜しむらくは、この公演が二日間しか行われない事だ。私が見たのは初日だったけれど、多少「堅さ」が気になったからだ。
長岡のリリックホールを借りる事は日程調整も予算調整もけっこう厳しく、また、仕事を抱えるメンバーでのアマチュア公演ということを考えると無理な注文なのだろうが、ちと残念なのだ。
できることならあと1週間は公演してもらえたら。シアターent.が長岡にあったらなぁ。そんな風に思う。