劇団ゆきぐに「ブルー・レジェンド」(原案・渡邊朋和 脚本 演出・文那 雪丸)

2004年12月12日(日)
南魚沼市・南魚沼市民会館(旧・六日町文化会館)大ホール

今日はだんなのハッピーバースディ。おめでとうだんな。
しかし、だんなは帰郷すると日曜の昼には帰って行く慎重派?(競馬大好きッ子という噂も)なので、夕べ先取りバースディを行う。

勤め先のそばにある「ラ・プランタン」のおいしいいちごクリームケーキに、だんな似顔絵つきのメッセージチョコプレートを添えてな!!

うちのだんなの似顔絵は結構簡単です。両さんまゆ毛に点々と目を書いて煙草加えさせればあらできあがり〜。

喜んでもらえました。よかった。

で、今日は六日町の「劇団ゆきぐに」の公演を見る予定でいたので、帰りしなのだんなと堀ノ内辺りまでツーリングしながら六日町を目指す。で、観劇。

劇団ゆきぐには、六日町を拠点にして毎年1回公演しているミュージカル中心の劇団です。今回は5周年とあって、脚本も完全オリジナル、楽曲もオリジナル。すごい気合いを感じます。
今回の作品「ブルーレジェンド」はメーテルリンクの「青い鳥」に着想を得たファンタジー。今は平和な町。その町には100年前に起こった邪悪な魔法使いによる混乱の歴史があった。・・・その魔法使いが復活した!再び町を滅ぼそうと企んでいる!そこで、かつて魔法使いを倒した勇者の血を継ぐ少年が立ち上がり、町を、町に住む家族や友人を守るために立ち上がる・・・といったストーリー。

勧善懲悪、とてもきれいな美しい正義の物語が、オリジナルの楽曲とダンスを織り交ぜながら繰り広げられました。

まず、この劇団の「演劇を愛する子どもを育てたい」というスタンスにはすばらしいものを感じました。役者の半数を、地元の小中高生が占めている。
子ども達は、「演じる」ことに興味を感じている子ども達が劇団員募集の呼びかけに応じて自発的に集まっているそう。演じている様子も、「好きでやっています」といういきいきとした表情の子どもが多かったです。
また、子ども達を脇で固める大人の劇団員も充実しており、地域に密着し、演劇を広めたいという理想が伝わってきます。キャリアのある大人の団員が、子ども達をしっかりと支え、そして公演につなげていく、そんな集団の絆みたいなものがカーテンコールににじみ出ていた気がします。

休憩や終演の折りに、おそらく友人が舞台に立っていたのであろう、中学生とおぼしき女の子がお母さんに「ほら、あんたもああいうの、やりたいんでしょ」と問われて「うーん・・・やりたい!やってみたいなあ」と言っていたのが印象的でした。

「お芝居をやってみたい」と感じている子ども達への門戸を開いている、この劇団の掲げる理想は大きくて、この地域の子ども達の可能性を広げているんだと思います。すごい。

さて、で、芝居の感想に戻るのですが、そんな風に楽しく芝居をしている団員たちと観客の間には残念ながら「温度差」があるように思いました。

この芝居のテーマは「いのち」。とても崇高なテーマを、勧善懲悪で描いていたのですが、いかんせん清く正しく、が過ぎていた気がするのです。とても崇高なテーマなので、まじめに、まじめに描いた印象です。

ところが、そのまじめさが空回りしていた気が・・・。南魚沼市民会館の大ホールは大入満員だったのですが、どうも、私の周囲を見るかぎり、シリアスなシーンの続く中でちょっとしたお笑いの要素を感じると「どっ」と客席が反応する。しばし舞台に集中するが、再びシリアスなシーンが「清く正しく」描かれるので「な〜んだ」といった風に座りなおす、という小中学生が多かったのです。いや、大人もかな。

演じることを楽しもうという土壌を感じるので、私はこの劇団は「客席の反応を感じ取りながら演じる」ことができればもっともっと伸びる!そう思いました。今はまだ、そのきまじめなメッセージ性が客席に届いていないと感じます。
メッセージを伝えるために、笑いのエッセンスで客の心をとらえることもできるんじゃないかな〜。以上、独断と偏見ですが、とても貴重な団体だと思うのでこれからも続けてほしいと思いました。