2004年 5月 屋久島山行

行 程

4月30日 20:30大分出発 国道10号〜326号〜10号〜宮崎〜国道268号〜小林IC〜東九州自動車道〜鹿児島北IC〜2:30鹿児島本港南埠頭駐車場
5月1日 9:00鹿児島本港〜フェリー屋久島2〜12:45宮之浦港 13:30宮之浦港〜路線バス〜14:10白谷雲水峡 14:30白谷雲水峡出発 15:25白谷山荘 15:58辻峠 16:15太鼓岩 16:35辻峠 17:13楠川分れ(トロッコ道) 18:30大株歩道入口(テント泊)
5月2日 4:30起床 6:10出発 6:38ウィルソン株 7:58縄文杉 9:28新高塚小屋10:00 11:20平石岩屋11:40 12:16焼野三叉路13:00 13:44永田岳 14:33焼野三叉路15:05 15:48宮之浦岳 16:40翁岳直下水場 17:40投石岩屋(テント泊)
5月3日 5:00起床 6:50出発 7:28黒味分れ 8:00黒味岳 8:25黒味分れ 8:55花之江河 9:05小花之江河 10:15淀川小屋10:55 11:30淀川登山口〜徒歩〜紀元杉バス停〜タクシー〜ヤクスギランド(120分コース周回)〜バス〜安房〜バス〜宮之浦小前〜徒歩〜オーシャンビューキャンプ場(テント泊)
5月4日 オーシャンビューキャンプ場〜徒歩〜宮之浦港 13:30宮之浦港発〜フェリー屋久島2〜17:35鹿児島港〜鹿児島北IC〜小林IC〜国道268号〜県道24号〜高鍋〜国道10号〜日向道の駅(車中泊)
5月5日 大分へ戻る 



4月30日

 仕事の関係でゴールデンウィーク休みが取れるのか、遠出が出来るのか微妙だったのだが、何とか連休が取れたので、思い切って屋久島行きを決断。前回2000年に行ったときとは別の登山口から登り、別の登山口に降りるつもりで、白谷雲水峡出発、山中2泊で屋久杉ランドに下る計画を立てる。ちょっと歩行時間が長いが何とかなるだろう。

 夜8時30分に大分を出発、国道で宮崎市を経由して小林市まで行き、そこから東九州自動車道で鹿児島まで。夜2時30分に鹿児島本港に着く。乗船券売り場の建物外には、テント泊や寝袋で寝転がる人がちらほら。車は4日間県営駐車場に入れておくつもりだが、早く入れるとその分高くつく。入れるかどうか迷ったが、駐車場に入れて車中泊。


5月1日 天候 曇り 時々 晴れ

 6時起床。フェリーの乗船券売り場に行くと、すでに50人近くの人が並んでいる。乗船券販売開始は7時の予定なので、早めに並んでおく。予定より早く6時50分販売開始され、すぐに購入して車に戻り朝食後、フェリーに乗船。登山者のザックは後部甲板のベンチに置くように指示される。そうこうしている間にフェリーは超満員。さすがゴールデンウィークだ。登山者も結構多い。仕方なく通路に座り込んで少し睡眠をとる。

 予定より遅れて12時45分に宮之浦港着。すぐに雲水峡行きのバス停に並ぶ。大学のワンゲル部員だろうか、6名ほどの学生がやはりザックを背負って並んでいる。話している内容から察するに、彼らは永田に下るようだ。


 
苔むした山道を行く登山者

 バスで雲水峡まで。天気は晴れ間が出て途中から見える海が綺麗だ。雲水峡に到着して、協力金300円を払って出発。気持ち良い沢沿いの遊歩道を進み、つり橋を渡ると舗装が途切れ山道になる。徐々に緑が濃くなり、周囲は苔に包まれる。くぐり杉や試し切りの切り株、切り株更新など屋久島ならではの光景が次々と現れる。

 15時25分に白谷山荘に到着。この時間でも意外と宿泊者は少なめ。自分は今日はもっと先でビバーク予定なので先を急ぐ。

 辻峠に到着。分岐にザックをおいて太鼓岩を目指す。これでもかとピンクのテープが進む道を示す。よほど迷う人が多いのだろうか?少し過剰にも思える。太鼓岩からの眺めはまさに絶景。曇り空なのが残念だがガスは出ておらず、眼下の荒川、向かいの尾根、宮之浦岳など、ぐるっと一望できる。これは足を運んで正解だ。

 辻峠に戻り先へ進む。辻の岩屋では、テントを張ってビバークする初老の夫婦がいたし、トロッコ道に出る少し手前の広場では二張りのテントがあった。意外とテント泊する人は多いようだ。道は石畳が結構しっかり整備されている。楠川歩道の別名は奉行歩道。江戸時代、屋久杉は年貢代わりに屋根瓦用の平木に加工された。このルートはその荷卸をするルートで、それを総括する奉行も通ったとか。


 

 楠川分れに到着したのは既に17時13分。4年前にも通ったトロッコ道を、今日は逆に大株歩道入口まで歩く。まだ空は明るい。明るいうちに着けるよう早足になる。1時間ほどで大株歩道入口に到着。4年前には無かった立派な2階建ての無放流循環方式トイレが出来ていた。世界遺産に登録後大量の人が押し寄せているこのルート、このくらいのトイレはやはり必要であろう。トイレの前に1張り3人組の若者のテント。トイレ裏に行ってみると、奥まった場所にも二張りのテントがあり、北九州から来たという壮年の元気なパーティが夕食中。こちらのとなりにテントを張らせてもらう。こちらも早速夕食準備。初日くらいは豪勢にしゃぶしゃぶだ。酒が欲しくなるが、残念ながら持ってきていない。春菊など野菜たっぷりのしゃぶしゃぶでお腹も満足。途中つきが顔を出す。明日の天気はどうなるだろうか。明日の長時間歩行に備えて早めにシュラフにもぐりこむ。


5月2日 天候 曇り 時々 晴れ

 朝4時半起床。お隣のパーティーは既に出発準備中。昨日の鍋の残り汁で春菊タップリ雑炊を作る。ヘルシーで美味い。出発前に立派なトイレで用を足す。オーバーユースなのか、少し臭う。

悠然と佇む屋久島の長老


 6時10分に出発。早速の急登。しかも木道の階段だ。これは最初から結構つらい。すぐにウィルソン株に到着。切り株だけでも周囲の小杉を従えて威厳タップリだ。内部の祠に今回の登山の安全を祈り拍手を打つ。

 ウィルソン株を過ぎるとガスが立ち込め、森の神秘性がいやおう無しに増してくる。徐々に高塚小屋、新高塚小屋から降りてくる登山者ともすれ違いだした。程なく夫婦杉。2本の杉の枝が繋がって手を取り合っているように見えるためにこの名が付いたらしい。しかしある人曰く「奥さんが旦那さんを刺してるのかも?」 なるほど、そういう見方もあるか。

 大王杉の前を通る。威風堂々、大王の名に恥じぬ佇まい。そしてすぐに、今や屋久島の代名詞ともなった縄文杉に着く。立派な観賞用デッキから見る縄文杉は、大王杉が威張り散らしている感じなのに対し、時の流れに我関せず、4年前と変わらず悠然とこちらを見下ろしている感じだ。

 縄文杉の少し先に、立派な東屋があった。高床で屋根があるので、休憩はもちろん、ビバークにも最適だ。程なく高塚小屋。旧宮之浦歩道がここに合流する。最新の昭文社登山地図では、途中の竜神杉までの益救参道ルートが記入された。昔屋久島にめぐらされていた登山歩道が復活してくれれば、登山者が分散してオーバーユースも少しは緩和されるのだろうか。

 新高塚小屋まで来てちょっと長めに休憩。既に結構足がだるい。飴とチョコでエネルギー補給。屋久鹿が一頭、小屋のすぐ横まで来て、こちらを気にする様子も無く歩いている。


つかの間の晴れ間、焼野に向かう道中、平石を望む

 新高塚から第一展望台までは急登。テント担いではさすがにキツイ。ユックリ一歩づつすすむ。平石岩屋に到着。休憩中、突然ガスが晴れて永田岳が姿を現す。程なく宮之浦だけも顔を出し、太陽と青空も覗く。ここに来て晴れるとは思わなかった。なんともラッキーだ。天気がいいうちに山頂に行きたいと思い先を急ぐ。



 昼過ぎに焼野三叉路に到着。時折雲の隙間から挿す日差しが暖かく気持ちいい。広場で軽く食事を取り休憩。休憩後、荷物を置いて長田岳へ向かうが途中からガスが出てくる。水場のある鞍部を過ぎるとハードな登り。雨水による浸食が激しい。この登山道の整備は来年度から行うそうだ。永田ののピークに来てもガスは全く晴れず、10分ほど粘ってみるがあきらめて焼野に戻る。

 焼野に戻るとガスも晴れる。先ほども軽く昼食をとったが、疲れたため休憩もかねてラーメンを作り食べる。元気を取り戻して出発、宮之浦岳へ向けて最後の急登りをゆっくり登る

   

ようやく宮之浦岳へ到着。またこの山頂に立つことが出来たが残念ながら曇り空。時刻は既に15時48分。前回来た時は昼前で多くの登山者でにぎわっていたが、さすがに人影は少なく1組のみ。こちらは重荷と長時間歩行でヘロヘロだが、向こうは元気に記念撮影している。こちらも三脚を取り出し記念撮影。しばし周囲に連なる山の景色を楽しみ、キャンプ地へ向けて先を急ぐ。

 下りになるといくらか楽だ。眼下にヤクザサの中を登山道がずっと続いている。翁岳直下の水場で水を補給。また少しザックが重くなる。なおも続く登山道。疲れた足を引きずり、17時40分に本日のキャンプ地である投石岩屋へ到着。岩屋には先客が。なんと寝袋とシュラフカバーのみでのビバークだ。かるく挨拶を交わし、ザックからテントを取り出して岩屋の外に張る。今晩の食事はアルファ米のチキンライス&レトルトカレー。量もあり意外と美味い。夜は結構冷え込む。しとしとと霧雨が降りだした。寝袋に包まり、疲れを取るために早めに就寝。

 

5月3日 天候 曇り 時々 雨

 5時起床。夜の間に雨は降ったりやんだりで何度か目が覚める。アルファ米の五目御飯で朝食を済ます。少しゆっくりして濡れたテントをとりあえず畳んでザックに詰め込み6時50分に出発。

霧に煙る花之江河で記念撮影


 30分ほどで黒味岳への分岐へ。雨が降っており、疲れもあったので黒味岳はあきらめようと思ったが、前回の屋久島山行でも黒味岳は素通りしたし、なんとか気力を振り絞り黒味岳山頂を目指す。やはりガスで展望は全くなし。晴れていれば屋久島で一番展望の良い山らしいだけに残念だ。


 黒味分れに戻り花之江河へ下る。やはりガスで展望はなし。だがガスに浮かび上がる周囲の木々が幻想的だ。この辺まで来ると登ってくる登山者も増える。お願いして記念写真を撮ってもらう。


ここからは花之江河歩道へ入り屋久杉ランドへ下るつもりだったのだが、雨が降っていること、結構疲労がたまっていることから、淀川へ下ることにする。世界遺産に登録されすっかり整備された登山道を下る。この木の階段が結構疲れる。延々と階段が続くのでいい加減うんざりするが、周囲の森を眺めて気を紛らわす。やはり屋久島の森は深くて美しい。


10時15分に淀川小屋へ到着。ザックをおろし、コーヒーを沸かしてゆっくり休憩。静かな森の中に立つ山小屋で、自然を感じながらコーヒーを飲むと、なんとも落ち着いた気持ちになる。今回の山行も後少しだなぁ。

10時55分に淀川小屋を出発、30分ほどで淀川登山口に辿り着く。登山口は登山者の車でいっぱいだ。4年前は道路は未舗装だったが、今はしっかり舗装されトイレも綺麗になったか? ここから紀元杉まで車道を歩き、バスを待つことにする。紀元杉のバス停で時刻表を確認していたら、淀川登山口に登山者を下ろしてきたタクシーが通りかかる。荒川登山口まで行くというので、屋久杉ランドまで乗せてもらうことにする。ちょうど20代前半の青年が居合わせ、タクシーに同乗する。話を聞くと、一昨日は雲水峡から縄文杉を往復。昨日は屋久杉ランドから花之江河歩道を登り石塚小屋に1泊、今日宮之浦まで登り淀川へ下りてきたとのこと。なかなかのツワモノだ。

屋久杉ランドを流れる澄んだ沢

 屋久杉ランドに着くころには雨もすっかり上がる。屋久杉ランドでは120分コースを歩き、ちょうど昼時だったのでコース途中のランドの中を流れる沢沿いの東屋で昼食。結構広くて雲水峡と同じく手軽に屋久島の森を楽しみたい人にはお勧めだ。

 入口まで戻りお土産を買って、15時過ぎのバスに乗り下界へ。さすがに連休中で乗車客が多い。島を走るバスは嫌がおうにも旅の気分を盛り上げる。バスの窓から、左手には山々が、右手には海が見える。


 宮之浦までバスで行き、目星をつけていたオーシャンビューキャンプ場へ。入口まで来て見て予約が必要だということが発覚し、20分歩いて屋久島観光センターまで利用許可証を書きに行く。さすがにきつかったので戻りはタクシーでキャンプ場まで。キャンプ場はほぼ満員で、中でも島根の高校山岳部集団が多かった。海の見える五右衛門風呂を期待してここのキャンプ場に来たのだが、五右衛門風呂は沸いておらず、薪もなさそうで入れず。温水シャワーがあったのがせめてもの救いだった。


 夕食はサラスパとシメジ、たまねぎを使ってスープパスタ、そしてコンビニで買ったビール。美味い! 夕食後パラパラと雨が降り出すがすぐに止んで綺麗な月が顔を出す。波の音を聞きながら屋久島の旅最後の夜の床に就く。



 

5月4日 天候 晴れ 時々 曇り 一時雨

最終日は晴天。フェリー屋久島2の白い船体が映える


 今回の屋久島の旅も今日が最後の日、天気は滞在中で一番良い。歩いて宮之浦港まで。昼のフェリー出向時間までかなり時間がある。お土産を買ったり、写真を撮ったりして時間をつぶす。途中突然の雨が降り、じき止んだ。後で知ったことだが、千尋の滝周辺で沢登りをしていた人たちがこの雨で増水した川に流されて死亡したとか。雨の中沢登りをしていたこと自体が疑問だが、自分も山に入るものとして自然を舐めてはいけないなと痛感する。亡くなった方のご冥福を祈る。

 定刻より遅れ、13時30分にフェリーは宮之浦港を出航。2度目の屋久島も満喫できたと同時に、また来たいという気持ちが早くも湧いてくる。またきっと、いつかこの地を訪れるだろう。そのときはまた違った屋久島の顔を見て、もっと楽しみたいと思う。