■ 「ACROSS THE BORDERLINE」

2003年2月に訪れたオールトラリアでのゴキゲンなライブ旅日記。
題して「赤道を越えて 〜 (飛訳)ACROSS THE BORDERLINEです。


   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 1


最初はJackson Browneだった。
ワールド・ツアーの初日であるニュージーランドのオークランドは2月10日、1日休暇を取れば行ってこられる。せっかくだからと近くの日程を見ると国内に目ぼしい物は無い。オーストラリアまでチェックすると、これがあるんだなDylanやJTが!
うまく繋げないかと調整してみると二つは可能だが時間的にちょっと辛い。そうこうするうちに年末にJacksonの来日が決まる。
そんじゃ、Dylanなんかが出るフェスとJTに絞ればメルボルンだけに滞在すればいいじゃない〜
Jackson Browne 2003 Japan Tour
未踏のニュージーランドには惹かれるもののメルボルン行きを決意する。
幸いなことに、手持ちのマイレージでメルボルン迄の往復チケットもロハで予約できた。
ただし、行きはシドニー経由で待ち時間が長すぎるためシドニー〜メルボルン間は別に購入する。これもネットで6,500円くらいで安く買え、まあいいかというところ。
てなことで、行ってきました!赤道越えて


   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 2


カンタス22便は、2月7日の夜8時30分に無事にメルボルンへと旅立って行った。
シドニーでの乗継もスムーズに行われ、メルボルンへは2月8日の午前11時頃に着く。入国審査を済ませ空港バスにて市内のSpencer St Stationまで。
予約しているホテルはここからすぐである。ただしチェックインの時間が14時からだから早く入れてくれるかは疑問。まあ、リクエスト・メールは打っといたけれど。
Spencer St Station
フロントの彼女は妙に明るく、簡単にアーリー・チェックインをさせてくれた。
レイト・チェックアウトもさかんに勧めるので生返事をしていたが、チャージがかかるようならキャンセルしないとね。まあアーリー・チェックインさせてもらったんでその場は言うこと聞いてました。
しかしオージー・イングリッシュは聞き難いし、こちらの言うことも今ひとつ理解され難い。これって相性の問題だけ?
突然「トゥダイ」なんて言われると、おいおい、死ねっていうことかいなんて思うが、ただのトゥデイ(今日)ってことじゃん。
Melbourne Music & Blues Festival 無事に12時には部屋に入り、汗を流し着替えて街の散策に出動。夏の強い日差しを避ける為に日焼け止めクリームは念入りに塗って、帽子もデイバックへと詰める。「Melbourne Music & Blues Festival」は既に始まっている時間だが、お目当てのインターナショナル・ミュージシャンが出るのは夕方からだから、まずは街を一歩きして概要を掴むとしよう。
今回の旅では、友人のK氏から地元ミュージシャンのPeter CupplesのCD購入のミッションも受けている。
街の見所を見ながらレコ屋も回ることとしよう。
ホテルの前の通りをしばらく東へ向かうとショッピング・モールへたどりつく。このあたりで何件かレコ屋を覗くも望みのものはないな。さらに東へ向かい州議事堂や教会旧大蔵省などのランドマークを見ながらフィッツロイ庭園まで。
ここで靴を脱ぎ芝生に横になりしばし休憩。
こういった時が幸せを感じる時である。何せ日頃はコンクリートジャングルの中で暮らしているからね。
手持ちの地図を広げ今来た道のりの確認。その後、キャプテン・クックの家を見て庭園を後にする。
おっ、ありました。Gaslight MusicにPeter Cupplesの"Changes"を発見!
ボーナス・トラック付きのリイシュー物じゃないけれど、まあ抑えで買っておこう。何せもう10軒は回ってるからね。
これで一安心、じゃあライヴ会場へ行くとしようか。



   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 3


街を流れるヤラ川に沿ってエキビジョン・センターを目指す。ウィル・コール窓口で2日間のチケットを受け取り入場ゲートへ。
カメラは気にしないが、傘はだめだとさ。
「ここに捨てろ」と言うが、旅人のオイラとしては雨具は簡単に捨てられないのよね。
まだ時間もあるし「部屋に置いて戻ってくるよ」と言って、一回ホテルへ戻る。ついでに余計な荷物も降ろし、再び会場に着いたのは30分程経った夕刻は5時少し前であった。
こんどは難なく会場内へ。さあ!楽しもうかい!
会場へ入ると右手にアルコール販売エリアと屋台、真っ直ぐ行くと正面と右手が野外ステージ、左がインドアのステージである。
インドアのCD物販エリアではサイン会もマメに行われている。

まずはビールでのどを潤そうとアルコール牧場へ。
お酒もって外へ出てはいけないそうで、まさに牧場といったとこ。
でも、メインのステージの音は聴こえるし悪くはない。
Victorian Bitter通称VBをグイッとひとのみ。さあどこへ行こうか。
と、物販エリアへGO!
さあ、メインまでもう少し。ボビィ〜、プヒ〜!
Victoria Bitter
Nariちゃんに頼まれたDylanのレディースTシャツはないようで、フェスのTシャツでお茶を濁す。
まあ、背中にはDylanの文字もあるし、館長にはプログラムを買ってと・・・
頼まれると断り難いたちですので、次に行く時には声かけとくといいことあるかもネ。
The Waifs#1 The Waifsを聴こうとインドアへ入ると何かメンツが違うような・・・???
しばし聴いてから屋台エリアへ。中華街で汁そばを食べていたものの小腹がすいてきたので、ジャンバラヤで一服。シェアしていた兄さんが「The Waifs見た?そこでやってたけどすっごく良かったよね」と話し掛けてくる。
The Waifs#2
ガビ〜ン!すっかり会場間違えてたようで違うバンド見ていた私でした。
てことは、Beth Ortonはそこの野外でやるってことか、よしよし。二つの野外ステージは隣接しており、後ろにいると別の音が混ざって少し興ざめである。だから前のほうへいかないとね。
まだ日も高い7時少し前にBethのステージは始まった。チェロ、フィドル、ウッド・ベース、キーボード、ギター、ドラムスに彼女のギターと大所帯ながらもアコースティック楽器中心のステージは非常にクールだ。最新作の「Daybreaker」ではEmmylou HarrisやRyan Adamsも参加しており、ここからの曲中心のステージであった。
Beth Orton
彼女はJoni Mitchellが引き合いに出されることもあるが、ボトムの感じがちょっと雰囲気アリです。はにかみながらも、この英国SSWは淡々と良い歌を聞かせてくれた。クールな1時間でした。
Ani DiFranco 次いでライチャス・べイヴの女親分Ani DiFrancoの登場。
今回のDylanのオージーツアーの前座で一緒に回るが、結構受けるでしょうね。これがライヴ盤と違ってバンド無しの彼女のソロなのだが、彼女のアグレッシヴなギター・プレイは聴衆を虜にする。
フォークと言われるが、演奏や精神性にはパンキッシュなものが溢れているもの。
Dylanのファンの前で"Hurricane"でも一発かまして欲しかったけれどね〜、やっぱやらんか・・・、そうだよな〜
けっこうCDも持っているが曲目は覚えられなくて、おっ聴いたことあるね、この曲なんて感じが続く。鼻ピアスは取っちゃったのかな?Beth Ortonのクールさに反しAniはホントにホット。肌がピリピリするステージが終わるころには日も大きく傾いていた。



   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 4


もうすっかり日も暮れた中、バンドのセッティングは進む。
今までステージ下手(左側)に陣取っていたが、これじゃピアノマン・ディラン先生が見切りになっちまう。てなことで移動。
しかし、他のステージは皆終わっており、メインステージは人でうなっている。
マズい!と思いつつ見える位置はスッゲー遠くしかなかった。
まあ、しょうがなかろうコイツ(双眼鏡)持ってきてよかったね。
Bob's piano 9時15分頃にディランのステージは始まった。
うっ、知らない曲。"Empire burlesque"からの曲らしいが、このアルバム持ってないもんで・・・(館長から後日オメダマ有)。
しかし優しい声だ!ギターでなくピアノへと楽器を変えるとこんなにも優しくなれるのかと思うソフトな歌声。おまけに前回の日本公演よりもずっと声が出てるじゃない。
東ボブじゃないけど2002年型ディランは進化していたのだ!お世辞じゃないっすからね。
続けざまに5曲でピアノをプレイ。既報のように中腰で弾いていたのか座っていたのか、遠目にはちょっと分り難かったっていうか気にしてなかったんだが、そんなのど〜でもいいんだ。ただボブの優しい歌声に身をまかせるだけ。
"I'll Be Your Baby Tonight"はホントそんな声にマッチした曲。
「追憶のハィウェイ61」や「どこへも行けない」をピアノで聴けるなんて・・・絶句。
特に後者のバージョン素晴らしかった。
白眉は中盤での"Just Like A Woman"。
Larry Campbellのスティールが素晴らしいカントリー・ロックを奏でる。
ボブも「じゃすと らいく あ うまん」と歌う。決して「ウーマン」でなく「うまん」ネ。
残念ながらこの感じ言葉じゃ伝えられましぇ〜ん。
ピアノの後、エンディングでは長いハーモニカ・プレイ。ボビ〜、プヒ〜!カッコええで。
終盤では"Love And Theft"からの曲も結構やりました。本編最後は"Summer Days"で幕。
Bob's Guitar
Bob with Nerver Ending Tour Band 間髪いれずに「風に吹かれて」と「見張り塔からずっと」をやって風のように去っていきました。
ステージではほとんどMCなし、チャリ坊いなくなっちゃったのね。
代わりがビリー・バーネットとは帰るまで知りませんでした。
こんな奴ですオイラ(^^;
フェスなんで、チョイ短めの15曲1時間45分のステージでしたが、今まで見たDylanのステージと違ったショウが見れて満足度200%!
外に出るとお姉ちゃんがディランのバッタTシャツを売っている。表はイラスト、裏はオーストラリア・ツアーの文字、笑っちゃうがA$10(約750円)なんで1枚買っちゃった。

ヤラ川に架かる橋を渡る時の風が心地よかった。今日という日が今終わろうとしている。
TNKS The Dylan pool



   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 5


日曜の朝は静かだ。
8時過ぎに目を覚ましクィーン・ビクトリア・マーケットを目指す。メルボルンのシンボル的市場である。生鮮食品から家庭雑貨まで生活用品は一通り揃うところで見ているだけでも楽しい。
Queen Victoria Market ブランド物ではないので、値段も手頃だしね。
カンガルー柄のソックスを買い、フード・コートにてカレーでのブランチを取り、マーケットを後にする。
東へしばらく歩くと旧メルボルン監獄にたどり着く。さあ、入ってみよう。
旧メルボルン監獄内部 ここはオーストラリア版ビリー・ザ・キッドとも言われるネッド・ケリーが投獄されていたところである。
ロック・ファンにはミック・ジャガーの映画で有名だ。
しかし、房は狭く冷たい。
こんなとこへは死ぬまで入りたくないやね。
何と!ネッドのデスマスクとともに映画のポスターも飾ってありました。ここはこれで面白かったね。
旧メルボルン監獄概観
じゃあ海へ行ってみよう。
セント・キルダへはトラムで20分足らずだ。No.96のトラムは来た段階で超満員。
これじゃチケット買えませ〜ん。てなことで、意に反してキセル乗車となる。
セント・キルダ・ビーチ 今日はセント・キルダ・フェスティバルということで若者でいっぱいである。
何かウキウキ。フリー・コンサートも各所で行われている。埠頭では釣りをする人の姿、海では泳いでる人も目にする。水際は開放感に溢れていてとても気もちがいいね。
ビーチ・バレーの大会も行われていて、スポンサーのリプトンがアイス・ティーをサービスしている。ありがたく力水をいただくことにしました。
日曜日という事でフリー・マーケットも開催されており、すっごい人だかり。
2時間ほどぷらぷら散策、トラムにて街へ戻ることとする。途中、アルバート・パークの横を通る。3月に行われるF1のスタンド作りが始まっている。今度はF1を見に帰って来たいものだね。
もちろん帰りはチケット買いましたよ。チケットは"2時間チケット"で、時間内は何回でも利用できる。
従って一度宿に戻って不必要な荷物を降ろし、再度トラムに乗ってフェスの会場へ行くことにする。
今日はちょっと早めの4時には会場へ入る。2日目ということで何らトラブルも無く会場へ。
さて、今日はどんなの聴けるかな。さあ、いつものように一杯飲んでハイになろうか。
VBくださ〜い。
まずはメイン・ステージで地元の女性ミュージシャンDeborah Conwayを聴く。
もともと女性ボーカル好きのオイラとしては知らないミュージシャンでもストライク・ゾーンは広い、ちゅうか甘い(笑)。
Deborah姉さんもアコギを奏でる素敵なSSWでした。
ただしサングラス外したご尊顔も拝したかったもんだね。
Deborah Conway


   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 6


Tony Joe White インドアやサブ・ステージを冷やかしながら5時半からのTony Joe Whiteのステージを待つ。
Tonyのバックは彼のギターの他はドラムスのみ。でもリズムがあるから、結構メリハリあっていいステージングでした。最近のアルバムは知らないオイラですが、スモーキーな彼の歌声は今も変わらずスワンプ・ロックしている。モミアゲはかなり小さくなってるけれど(笑)。ギターもJ.J. Caleみたいに聴こえる時もあって、とても気持ちがいい。
"Even Trolls Love Rock And Roll"などホワイト・ブルース系の曲が多い中、終盤に一番好きな"Rainy Night In Georgia"が聴けて感激。
ラストはやっぱこれでしょ"Polk Salada Annie"、あっという間の50分でしたね。
ここでちょっと屋台で腹ごしらえ。
今日はチャイニーズでいこうかネ。暑いから水分もしっかり取って、さあステージへ戻ろう。
Ray Charles' Orch.
← お次はソウル・レビューの形式にのっとり、まずはバック・バンドが演奏してから御大が登場
Ray Charles
Ray Charlesだ!齢72まだまだ現役です →
曲は"Route66"、次いでLeon Russellの"A Song For You"この曲、ヘタなオリジナルより数段イカしてましたね。
Rayはシンセでビブラホーンのような音を奏でる。へ〜、ピアノじゃないんだ。
それからも"Hit The Road Jack"、"What'd I Say"、"Unchained My Heart"、"I Can't Stop Loving You"などお馴染みの曲の数々。もちろん"Georgia On My Mind"も。
雨の夜のジョージアの次は我が心のジョージアか・・・
のめり込んで聴いてなくとも昔のヒット曲というものは妙に体に刷りこまれている。Rayの歌もまさにそんな感じ。大衆音楽っていう奴なんでしょうかね。時々そんなことを思いながら1時間のステージを楽しんでいた。
やっぱり曲知ってると楽しいや!
同時間帯にやっていたJason Mrazが見れなかったのがちょっと残念だったネ。
John Mayall 日も傾き始めた8時過ぎにJohn Mayall & The Bluesbreakers登場。
彼が率いればメンツはどうあれThe Bluesbreakersってこと。
Rayまでいかないまでも彼も69才。しかし現役の匂いプンプンである。ジーンズにランニングの姿はとても若々しい。
キーボード、ギター、ハーモニカと曲により楽器を持ち替えて演奏する。その間にも新譜"Stories"の宣伝も忘れないところがしたたかな所だ。最後の曲ではステージを降りて客席に飛び込む元気さも見せてくれた。時代に左右されないブルースというジャンルを選んだところが長続きの秘訣か?
しかしライヴ・バンドとしてこれからも死ぬまでやるんだろうなって感じでしたね。
予定より長めの1時間20分、終わる頃には周りは暗くなっていた。
オオトリとして地元のBilly Thorpeが残っていたが本日は退散。
これでも5時間位見ていたことであり、連日のスタンディングでちょっと疲れめ。明日は郊外へ出かけるつもりなので風呂入ってビール飲んで早めに寝ることにしよう。
そうだ、帰りにセブンイレブンでカップめん買って帰ろっと!



   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 7


旅に出ると街に留まらずに電車やバスに乗って郊外へショート・トリップするのが好きだ。
本日は最終日ということで電車に乗り近郊のバララットへ行ってみることにする。
朝7時に起きSpencer st. Stationへ急ぐ。電車は8時5分発だ。往復の言い方も"Return"とか"Round Trip"とかいろいろあるが、チケット売りのおやっさんはここでも「トゥダイ?」とのたまう。
はいはい、今日中に帰ってきますよ、また夜はライヴに行くからネ
てなことで定刻に出発。耳のヘッドセットから心地よい音楽が流れてくると気持ちよくなりついうとうとzzzz。
気がつけば窓の外では羊が群れている。オッ、世界の車窓からだぜ!
電車は1時間半ほどでバララットに到着。メルボルンに比べるとグッと小さな街で、月曜の朝だというのに妙に静かな感じである。
ここでの目的地はゴールド・ラッシュの時代の町を復元したソブリン・ヒル、何を隠そうオイラはウェスタン大好きなもんで。
ガキの頃からカウボーイに憧れてました。牛追いって、職業だけど根っからのHoboだもんね。
Sovereign Hill まずはインフォメーションで行き方を聞いてみよう。
「ソブリン・ヒルへ行きたいんだけど、確かバスで行けるんですよね?」
「そこ戻った角を右に曲がったバス停から9のバスよ」
てなことでバスは坂道をどんどん上へ昇っていく。そして、10分も経たないうちに到着。チケットを買って中へ入る。
まだオープン間近ということで人は少ないなあ。
町並みを見て歩くと小川が流れ砂金取りのプレートがあるので、にわか砂金取りに変身し砂金取りに興ずる。
ホントにあったらどうしましょと思ったりして・・・、ある訳ないよな!
露天掘りの地下ツアーにも参加したが結構よかったなこれ。砂金にあきたらず金塊を求めて地下にもぐり、見つけたものをドンパチドンパチと奪い合う。アウトローの誕生!てことで秩序を守る為に保安官登場、時は流れて現代へといったとこでしょうか?
フイッシュ&チップスで軽く腹ごしらえ。周りを見て回り、2時間半程過ごした後で街へバスで戻る。
13時35分の出発時間までバララットの街を散策、朝に比べ活気が出ている。街は生きてるね。
てなことで、時間だからメルボルン戻るとしようか。帰りもやはり・・・zzzz
15時過ぎに帰着、ショッピングでもと歩き出す。
レコ屋があったので入ってみるとあるじゃない、Peter Cupples"Home Grown"が!
灯台下暗し、投宿ホテルのそばですよここ。でもよかった、2枚あれば御の字でしょ!
気持ちを良くしてセントラルのショッピング街を見て回るもあまりそそられないな、かつてはよく買い物したけど今はあまり買わないネ。
Peter Cupples's Home Grown
じゃあ早めの夕食へと行こう、今日はイタリア人街へ。旧メルボルン監獄からすぐである。
気のよさそうなオヤジの店のテラスに座り、まずは小ぶりの生牡蠣半ダースをワインと共に。美味いじゃないですか。ほんでもってちっちゃいカルボナーラでしめる。ウ〜満足、満足。
でもって部屋へ戻りシャワーを浴び、荷造りをし、翌日のレイトチェックはキャンセルしてモーニング・コールは頼んだと。
では、本日のライヴへ出動しよう!
ヤラ川の脇を歩いていくと今夜の会場であるコンサート・ホールが見えてくる。ガイドブックにも必ず載っている街のランドマークだ。クラッシックやオペラも催されるこの会場で今夜はJTに会えるんだナ。



   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 PART 8


メルボルン・コンサート・ホール BOX OFFICEでチケットを受け取る。赤い絨毯を敷きつめた立派な会場であるが、チケットチェックもないままホワイエへ入れるのにはちょっとビックリ。エスカレータで2階層降りたロビーで開場を待つ。時間になったらチケット・チェックをして中へいれるようである。何かおおらかな大陸的ノリなのだ。
ビールでも飲もうかと思ったらキャッシュの手持ちが少ないことに気づく。
まあいいか、明日帰るのだからとライト・ビールをグイっと一飲み。
座席は14列目の真ん中となかなかよろしい。会場のアナウンスが「ジェィムス・タイラー・コンサート」と言うのにブッ飛び!名前にOZなまりは困るんだよな〜
8時10分に客電が落ち、ジェィムスが拍手の中を洗いざらしのシャツにコッパン姿で登場。頭髪を除けば何ら変わらぬJTがそこにいる。彼はアコギを取り"Secret O'Life"を歌いだした。
おっ、音がいいじゃない、ジェィムスの歌声がナチュラルに響いてくる。いいぞこれは。
次いで"Copperline"。アルバム"New Moon Shine"の曲はお気に入りなのか、4曲程やったね。この曲もアコギがきれいな、いかにものJT節でうっとりです。
この後で新作"October Road"のMCがあり、立て続けに表題曲他3曲をプレイ。
バックボーカルがArnold Mccullerしかいないのがちょっと残念。
デビューした息子Ben君はともかく、David LasleyKate MarkowitzValerie Carterなんかのコーラスも聴きたかったな。
ファンてのは欲張りなもんですからネ。
"The Flozen Man"は好きな曲で、やってくれて嬉しかった。
そして何曲か続いたあとで、"Fire And Rain"。
ひときわ拍手と喚声が大きくなる。SSWの草分け的なこの曲に聴き入ってしまったことは言うまでも無い、詩も含めて時代を超越してますもの。
そして、第一部のラストは感動的とも言えるArnold Mccullerのソロを大フューチャーした"Shower the People"で幕。
とってもソウルフルなひととき、ジェィムスは深々とおじぎをして舞台袖へと下がっていく。
James with Arnold
50分のステージは心地良い余韻を残しながら、インターミッションへ入っていった。
休憩は20分もあるのでグッズを見たり、アイスなめたりしながら待つとする。これ以上お酒を飲むと気持ちよすぎて寝ちゃいそうだからネ。
しかし、人のことは言えないけれど年齢層が高いです。ジェイムスの良さはJT節を大事にした「変わらない」素晴らしさ。だからファンも離れずについてきているのでしょう。かたくなにアコギしか弾かない頑固さも貴重だ。
さあ始まりのベルが鳴る、席へ戻って第ニ部を楽しむとするかい。



   ■ 「ACROSS THE BORDERLINE」 FINAL


ステージ前には奥サマ方が鈴なりになっている。バンドが"Jump Up Behind Me"のイントロを奏でるとジェイムス登場。
しかし、彼は急にしゃがみ込んだ。何とご丁寧に奥サマ方のCDにサインをしているではないですか。香港じゃあるまいし、これってこっちじゃ普通なのかな?と、ちょっと閉口。しかしジェイムス優しいね、せっせとサインしてましたもの。
バンドがイントロを繰り返すのが見ていて可笑しかった(笑)やっと一段落して歌いだす。ちょっと間抜けなスタートです(^^;
James's fan seivice

次の曲は"Stop Thinkin'Bout That"リズムが跳ねて楽しい曲だけど、ギターのMichael Landauちょっと弾きすぎだな。さらに、2曲続いた後は怒涛のJTクラッシックスのオン・パレード。
James on stage "Up On The Roof"(Carole Kingとの友情の証)〜"Carolina In My Mind"〜"Country Road"(ドラマーはSteve Gaddだったのね、ちなみにベースはJimmy Johnson、キーボードがLarry Goldingsというメンツ)〜ラストの"You've Got A Friend"(皆歌ってました)と、これって何年のライヴ?
アンコールでも"Steamroller"と"How Sweet It Is"だしね、でもこういった曲がオイラも大好きだからネ。ジェイムスの歌はワーナー時代に完成していたってことでしょ。
再度のアンコールでは場内から「Handy Man!」の声もあがったけれど、やっぱりこれですよね、"Sweet Baby James"おもいっきり口ずさんじゃいましたです。
優しい雰囲気に包まれながら2時間にわたるコンサートは終わりを告げた。
JT来日は結局は流れちゃったのかな?変わらない歌声をまたいつかどこかで聴きたいね。
Vielen Dank Markus


ヤラ川の夜 外へ出ると、ヤラ川の対岸にメルボルンの街並みの灯りがきれいに映る。
空を見上げれば沢山の星が輝いている。
時が移ればまた違った空を見上げている自分がいる。
それはどこかはわからないけれど、きっとまた・・・


おしまい



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