STRANGE, EXOTICA ROOTS


 ■ STRANGE, EXOTICA ROOTS

  2004年4月27日(火)



Jazz Grass バッファロー / Ridge Runner

BUF-129

Jazz Grass

Slim Richey's Band
  懐かしいアルバムが帰ってきた。このCDは、1977年に発売されたブルーグラスとジャズのお洒落なクロスオーヴァー・ミュージック。当時、コアなブルーグラス・ファンから敬遠されたが、ぼくとか宇田和弘さんは大好きだった。スリム・リッチーは、ローカルなジャズ・ギタリスト。彼をメインにグラス・シーンの凄腕ミュージシャンと繰り広げた小洒落たジャム・セッションを収録したものだ。われらのサブ・ブッシュがフィドルで参加。リッキー・スキャッグも、リチャード・グリーンもフィドルで参加。ビル・キースは、例によってプログレ・バンジョーで参加だ。他はローカル・ブルーグラッサー。だが、侮れない力量を発揮している。いまアコースティック・スウィング・ブームのなかで、若いDJ周辺の洋楽ファンに絶賛されているとか・・・。スリムのオリジナル「To Linda」も素晴らしいが、何と言ってもジャズ作品の小粋なカヴァーが素晴らしい。「Back Home In Indiana」「Summer Time」「Angel Eyes」「Stompin At The Savoy」「Night In Tunisia」などと聴きどころが目白押しだ。ぼくのお気に入りは、温もりいっぱいのジャズ・ヴォーカリスト、マット・デニスでお馴染みの「Angel Eyes」。モダン・ジャズの巨匠、チコ・ハミルトン・バンドでわが国でも馴染みの「Night In Tunisia」は、本盤のアルバム・ラストを飾るに相応しい名演奏だ。サム・ブッシュは、スタッフ・スミスのジャズ・ヴァイオリンを彷彿させるパワフルで、ビル・キースは、持ち味を活かした革新バンジョーで本領を発揮。



I'm Hip Pヴァイン / Stash

PCD-23322

アイム・ヒップ

ジョン・ピザレリ
  ニューヨークの軽妙なスウィング・ジャズ達人、ジョン・ピザレリの初ソロ・アルバム。アナログ盤は宇田さんに教えていただき、それ以来ぼくの愛聴盤としてタンテーブルの上を幾度となく乗ってくれた超お気に入り。小粋なヴォーカルが、なぜかこころを和らげてくれる。言うまでもなくスウィンギーなギターも文句なし。父親は有名なジャズ・ギタリスト、バッキー・ピザレリ。こうした血を引くだけあって、ヴォーカル&ギターのセンスは群を抜いていた。どうやらピザレリは、ニューヨーク出身者だけあってフォークやシンガー・ソングライター、ロックなどにも興味があったようで、そのためかジャズ・ミュージシャンにはみられない幅広いレパートリーをもつようになったようだ。ぼくが大好きなナット・キング・コールが大好き、というのも嬉しい。それを物語るのが、アルバム冒頭の「Rout 66」と、「Straighten Up And FlyRight」のお洒落なカヴァー。ジャズ・アコーディオンで人気が高いジョー・ムーニーのカヴァー「Have Another One,Not Me」だって、もう泣けるトラックだ。ヒップ・スター、デヴィッド・フリッシュバーグ「I'm Hip」は、アルバム表題となっただけあって本作の白眉だろう。クールなヴォーカル&ギターがたまらない。アコースティック・スウィング・ブームのお陰でこのレアなアナログ盤がPヴァインの英断でCD化された。同時に発売されたソロ第2作目のCD化『ヒット・ザット・ジャイヴ・ジャック』もぜひチェックしたほうが良いですよ。手前味噌ですが、『アイム・ヒップ』の解説は、ぼくが書いております。





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