STRANGE, EXOTICA ROOTS


 ■ STRANGE, EXOTICA ROOTS

  2004年2月10日(火)



エリック・ダーリング nalyD

NACD-3217

エリック・ダーリング

エリック・ダーリング
  70年代、ロック・ファンの間でライ・クーダージェフ・マルダーなどがうたったブルース・カヴァー作品にうつつを抜かしたファンも多かったに違いない。両者は単なる黒人音楽のカヴァーに終わることなく、先人たちの録音に敬意を払いながら独自の解釈で素晴らしい作品に仕上げていた。早くもこうした視点を持った若者が50年代後半のニューヨーク・フォーク・シーンにも存在していた。エリック・ダーリングという男だった。ザ・タリアーズザ・ウィーヴァーズザ・ルーフトップ・シンガーズで大活躍したミュージシャンとしてもお馴染みだろう。本作は1958年、フォークの老舗レーベル「エレクトラ」から発表した記念すべき初ソロ・アルバムだ。オリジナル・アナログ盤を忠実に再現した紙ジャケット体裁で世界初CD化とは、まるで夢のようだ。ギター、バンジョーでの垢抜けた弾き語りは、エリックの高感度センスを余すことなく伝えている。最高の聴きどころは、黒人ブルース歌手レッドベリー「Boll Weevil」だ。スウィンギーなギターは、アコースティック・スウィングの名手ジョン・ミラーと何ら遜色がない。50年あまりの昔にこんなお洒落な録音に挑戦していたとは、まさに驚きだ。ミシシピ・ジョン・ハートのカヴァー「Candy Man」も魅了あふれるトラック。いずれもギター芸の素晴らしさに驚嘆させられるが、やはりエリックのハート・ウォーミングなヴォーカルが秀逸。



ガーデン・オブ・ジョイ nalyD

NACD-3213

ガーデン・オブ・ジョイ

ザ・ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド
  横浜周辺でジャグ・バンド・ブームが沸き起こっている。そのなかの中心的グループ、リトル・ファッツ&スウィンギン・ホット・ショット・パーティが待望のセカンドCD『Little Fats & Swingin' Hot Shot Party』(Get Hip GC-005)を発表した。「Shine」「On The Sunny Side Of The Street」などは、もう涙もののトラックだ。で、本家アメリカのリヴァイヴァル・ジャグ・バンドの最高傑作盤が紙ジャケで再発されたので紹介しておこう。ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドのラスト・アルバム『Garden of Joy』が、それに当たる。ブルーグラス・ファンなら天才リチャード・グリーンが参加したアルバムとしてご存知だろう。リーダーのクウェスキンはともかく、若き日のマリア・マルダージェフ・ナルダーのうた声が聴けるもので、ふたりの熱心なファンだったら絶対に外せないアルバムといっていいだろう。マリアの妖艶なヴォーカルで注目したい収録曲は、なんといってもレッドベリーのカヴァー「When I Was A Cowboy」だ。ジェフ&マリアのカヴァーだっで見逃せない。ナット・キング・コール・トリオのカヴァー「Gee Baby,Ain't I Good To You」だ。デューク・エリントン楽団のヒット・カヴァー「Mood Indigo」は、卓越したリチャードのヴァイオリンが悠久の存在感を放っている。





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