女神の騎士

あとがき

 たとえばの話。
 自分の信じていたものが、他者から馬鹿にされたら。それを信じること自体が、罪かのような言い回しをされたら。
 多くの人はそれを投げだしてしまうと思います。
 自分はそんなんじゃないと思っている人でも、歳をとっていくにつれて世界の常識の中に居場所を求めるようになる。私も若いと胸を張って言えない歳になってしまい、それを感じることが多くなっています。
 角がなくなり丸くなったとでも言いましょうか。
 でも、あの時信じたもの、あの時求めたものが魅力的であることは変わらなくて。その想いを貫かない自分を許してしまう今の自分を、あの時の私ならきっと軽蔑していたことでしょう。あの時、そんな大人を確かに低く見ていましたから。
 作中のアレスとラヴェルナは、その常識の中から外れて生きています。丸くならず、一つの角を極限まで尖らせて。一人は剣技。もう一人は処世術。それを武器にひたすらに一つの想いを貫こうとする姿は滑稽に見えるかもしれません。
 ですが、今でもそんな生き方が魅力的に思えるのです。

 これから先、彼らは不毛な戦いの中でいつまで希望を持ち続けることができるのでしょうか。どこまで自分の想いを貫くことができるでしょうか。
 作者は結果を書くつもりはありません。

 ですが、願わくば二人が想いを貫き通すことを祈ります。




2005年10月24日 美奈神秀


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