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動物奇想天外

　久しぶりに電車で変わった人に出くわしました。

　えーとですね。つり革につかまって普通に立ってたわけですよ。
　で、ですね。通勤時は肩からバッグを下げるわけですが、なんかバッグが微妙に動くんです。
　そこそこ色々入っているんで電車の揺れのせいかなーと思ってたんですが、グインっとあからさまに動き出したんですよ。
　流石に不思議に思って目をやると、隣に立っていた人が動かしていたご様子。

　あー、なるほど。
　バッグがぶつかってうざかったわけですね。

　……ゴツゴツ当たってたならともかく、この距離だったら揺れたとき少し触れるぐらいなのにうざかったわけですね。

　オッケーオッケー。
　ちょうど降りる人もいるみたいだし、距離を置いてあげますよ。

　と、距離をとったところで、電車から降りようとしていたご年配の方にガンくれてぶつくさ言い出してます。
　どうやら、降りようとしたときにぶつかったのが気に食わなかったようです。

　いや、君がそこに立ってたらぶつからないなんて不可能ですがな……。
　胸倉でもつかみだしたら、流石に割って入るぐらいのことはしないと、なんてことを考えているうちにご年配の方はそそくさと電車を降りました。

　そうだね。こういう人と話あっても意味ないもんね。

　そのあとも視界に入っていたんですが、もうちょっとした接触で過剰反応。あまりにも過敏なので怒り通り越して吹きそうになったところで、降車してくれました。

　してくれたんですが。
　なぜか降りてすぐの場所で待機してたんですよね。

　なんでそんなことを？なんて思いましたがピンと来ました。降車直後は人多いですもんね。ぶつかっちゃいますもんね（笑）

　まぁ、そんな感じの何かとの接触を過剰に嫌う、不思議な生物と出合ったというお話でした。