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シャボン玉とばそう SS+感想

 自作品を振り返って感想を書こう第一弾。

 以下、「シャボン玉とばそう」の、ネタバレ含む後日談的SS+感想文です。
 なので、未読の方は続きを読まないのが得策かと。

※私の最も敬愛する人、「rahaki」さんが某所やっていた形式を真似させていただいています。

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 変わっていく。
 真っ赤だった空が色を失い、黒へと。
 飛ばし続けていたシャボン玉の色も変わっていく。
 受け取る光が夕日の赤から街灯の白へと。

「ほんと、なくならないね」

 久しぶりの声だった。
 それだけ二人はシャボン玉を作るのに夢中になっていた。

「今日はもう帰るか?」

 正樹のその一言に私の身体が急激に冷えていき、私はとっさに正樹の腕をつかんでいた。

「残ってるのはまた今度にしようぜ」

 また今度。
 そんな言葉にすら不安を感じる。

「いつでもつきあってやる。
 10年後なんて言わず明日でも明後日でも」

 しかしそんな不安もすぐに吹き飛ぶ。
 吹き飛ばしてくれる。

 ほんとに、かっこつけすぎだよ。

「じゃあ、これがなくなったら今日は帰る」

「おう」

 すっかり暗くなってしまった公園で、大量のシャボン玉を作り続ける二人の影は、赤い光りに照らされていた時よりも近づいていた。









 ***


 これを作ったのは確か中学生にあがるかあがるまえかぐらいだったはず。
 これを読んで思ったのは、あんまり成長してないってことです。

 自画自賛も甚だしいのですが、意外と読める意外と面白いと思えました。
 今読むといろいろひっかかる文章もありましたが、話の作り方なんかはほぼ今と同じ。短いテキストでこれだけの物語がかける分、今よりできがいいのではないかと思ってしまう。

 そういえば、高校時代。女子の友人に読ませたところ、泣いてくれたことを覚えています。
 思えばそれが、自分の文章が相手に感動を与えることができたんだと実感できた瞬間かもしれません。

 ベタベタでありきたりの作品だなとは思いますが、そんな思いでもあって、結構気に入っている作品だったりします。

 結論として、10代前半の自分に胸を張って「成長したぞ」と言えない自分に自己嫌悪を抱きつつ、自分の作品は意外とおもしろいんだと思うこともできました。

※今アップされているものは、若干の修正がされています。