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精  進
 
 
 
 
  精進(しょうじん)とはサンスクリットのヴィーリヤの訳で、ひたむきに勇敢に善をつとめ励ます心のはたらき、または励む行為をいう。善を行い悪を断つ努力を継続的に行うことである。大乗仏教の実践徳目である六波羅密、布施・持戒・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)である第四に精進があり、これらは仏教における六つの修行であり、その一つが精進である。

 さらに精進は仏門に入って宗教的な生活に励むことをいうようになり、のちには憎の修行にならって魚鳥獣の肉を食べないことをいうようになった。むろん酒もいけない。この言葉は、日本人の生活の中に深く浸透し、今でも「努力する」というような意味にもなって、一般で使われている。

精進は、(励もう 自分の仕事に)…精進というと法事の時の精進料理のことをさす言葉となっていますが、経典には「勤というは謂うわく精進なり」と示されるように、本来は善を修し悪を断じ怠け心をいさめ善を実現しようという仏道のことです。つまり、精進の本来の意味は「正しいことに向かって怠ることなく努力すること」です。どんなに頭が良くても素質があっても、努力なしには宝の持ちぐされであります。たゆまずに勤めおこたらない努力の継続が精進であります。精進の裏づけは忍耐であります。