コーヒーで健康生活  (朝日新聞より)
 
 
 今、コーヒーが健康にいいと言われはじめている。
 朝日新聞の記事を紹介してみたい…
 
 
 大腸菌やピロリ菌を減らし、胃かいようや胃がん、食中毒を防ぐ……東海大学医学部の石井直明・助教授(分子生物学)のグループは、こんな効果を確かめた。
 
 ピロリ菌は、胃の粘膜に感染して胃かいようやがんを引き起こすとされる。薄めたコーヒーを混ぜた寒天培地で菌を培養すると、100倍に薄めた濃度で菌の成長が抑えられ、10倍に薄めた濃度では、ほとんど成長しなくなった。
 
 大腸菌でも同じだ。フラスコにコーヒーと栄養素を入れて菌を培養。濃度を4段階に変え、液の透明度によって菌の量を調べた。通常の半分の濃度になると、菌はほとんど成長しなかった。
 
 眠気が吹き飛び、集中力がアップする……東京大学大学院の飯野正光教授(薬理学)らは、コーヒーに含まれるカフェインの効果を実験で裏付けた。
 
 学生約100人に、200ミリグラムのカフェイン入りとカフェインなしのコーヒーを飲ませて、1けたの足し算を繰り返ししてもらった。飲む前と後で成績を比べたところ、カフェイン入りを飲んだ学生の方が1分間の正答数が1、2回増えていた。
 
 その外にも、香りをかぐと脳内でα波が出てリラックスできることや、脂肪の燃焼を促し、ダイエットに有効などといった報告がある。
 
 
 
 「コーヒーには発がん性物質が含まれる」…十数年前に国内で発表された論文をみて驚いた日本女子大学のグュエン・ヴァン・チュエン教授(栄養学)は、自ら確かめる実験に取り組んだ。
 
 注目したのは、クロロゲン酸などのポリフェノールと呼ばれる成分。漬物や食肉の発色剤などに使われる亜硝酸塩は、胃の中で反応して発がん性のあるニトロソアミンをつくるとされる。コーヒーに亜硝酸ナトリウムを入れ、胃の中と同じような酸性の状態で、37度で60分間反応させた。クロロゲン酸などの作用で、約8割の亜硝酸ナトリウムが分解された。
 
 さらに、がんの誘因とされる活性酸素が入った溶液にコーヒーを加え、電磁波を使う計測装置で測ったところ、3〜8割の活性酸素が抑えられることが分かった。
 
 グュエン教授は「豆を焙煎(ばいせん)してできるこげの成分に極微量の発がん性物質が含まれるが、体には心配のない微量だ。むしろ、発がん性物質や活性酸素を抑えるプラス効果の方が大きい。好きなら適度に飲めばいい」と指摘する。