1997.6.23.MON
10◆マリリンのお墓へ行こう!
●タクシーを呼ぼう!
さて、ラスベガスからロスへの移動日はチェックインで丸々つぶれるかと思ったけれど、
無事に3時過ぎくらいからは自由な時間が出来た。
ロスの日程はあと丸2日あるのだが、
「3大テーマパーク!」と銘打ったこのツアーでは、
一日ユニヴァーサルスタジオ、もう一日がディズニーランドという割り当てである。
移動日に時間が取れるとは思わず、
来るまではこの2日の1日を丸々潰してマリリンのお墓参りに行こう、と思ってた。
なんたって、ロスを訪れた一番の目的は、
うあの小さいころからの夢「マリリンのお墓参り」なんだから!
…とはいえ、テーマパークにもお墓参りにも両方行ければ言うことないよね〜(笑)
「今日、行けそうじゃない?」と二人で相談し、早速行くことに決めた。
場所が「ウェストウッド墓地」というのしか分からなかったので、
出発前に調べられたのはロスの地図上の位置だけだった。
ホテルの場所(ハリウッド)からは歩いていけそうもなく、
タクシーで行くしかない…とは思っていたものの、ロスは名だたる犯罪都市。
危険地域も把握できない初めての土地で、
右も左も言葉もろくに分からない奴が、タクシーで行って、
帰りもちゃんとタクシーを拾って、ボラレもせずに無事に帰ってこれるか?
とーっても自信がなかった。
しかし、そんな私達の手元に、お兄さんのくれたパンフレットが輝いていた!
「日本人運転手のタクシー<往復も有>」だ!
パンフには行き先別にチップの含まれているというはっきりした料金表があり、
その中には「ウエストウッド」もちゃんとあったわけです。
料金は往復で80ドル。
…当時は1ドル130円くらいだったから、10000円くらいである。
はっきり言って高い。
しかし冒険より、安全じゃ!
と、私達はパンフにある通りに、ホテルで公衆電話を使って電話をした。
(これも初めて! 25セントコインを入れて、どきどきボタンを押した)
応対はもちろん日本語で、行き先も告げてホテルで待つことになった。
20分ほど待って3時頃にやってきたのは、よくあるタクシーではなく、
空港に向かえに来てくれたお兄さんと同じような6人乗り位の車。
荷物も積めるし、観光客用の車というのは、こういうのなんでしょうね。
そして運転手は、よく日に焼けたずんぐりしたおじさん。
ちゃんとワイシャツにネクタイという風体だけどちょっと似合ってない(←失礼)。
日本人というよりは日系人みたいだ。
「はい、どうぞ〜」
と、車に案内してもらって、出発!
●マリリンの家にも!?
「ウエストウッドのどちらまでですか〜?」
「あのっ、マリリン・モンローのお墓に行きたいんですけどっ」
「ああ、はい、メモリアルパークね。20分くらいで着きますね〜」
空港送迎をしてくれたガイドさんとは対照的に、あんまり愛想のないおっちゃんであった。
まあ、ガイドじゃなくてタクシーの運ちゃんだもんね。
一応「この辺は○○ですね〜」とか言ってくれたりはするのですが。
なので、こちらも特に会話もせず、ぼーっと周りの風景を見ていた。
うあはバーガー屋さんを撮るのに余念がない
しかしおっちゃんはビバリーヒルズ辺りに近づいた頃、思いがけないことを言った。
「マリリンの家は、知ってるんですか〜?」
ビバリーヒルズにマリリンが、自分で初めて買ったという家があることは知っていた。
(最期を迎えた家でもあるわけなのですが…)
しかし、もう人手に渡っているだろうし、住所も分からんしね〜、
と、家を見ることなんて考えてなかった。
「ももも、もしかして、行ってもらえます!?」
思いがけないお誘いに、二人で色めき立つ。
おっちゃん、いい人じゃん!と急に思い始める現金な私達(笑)
「い〜ですよ〜。でも、忘れちゃったな…」
地図をがさごそ出して走りながら調べ始めるが、どうも見つからないらしい。
「ちょっと見てみてください〜」
と折り畳み式の大きい地図を運転席から渡された。
英語だけど「ビバリーヒルズ・スター豪邸マップ」らしい。
なあんだ、有名人の家って、地図になって売っているのか。
しかし、おっちゃんが見つけられなかった通り、その地図にはマリリンの家は書いてなかった。
無線で仲間に連絡を取るおっちゃん。
「あ〜? なに〜〜?」
と、おっちゃんより更に気の抜けた声が無線から聞こえてくる。
みんな、こんななのかな〜(^^;)
「マリリン・モンローの家って、どの辺だっけ?」
「…ん〜〜〜……忘れた〜」
「あっ、そう…」
ドキドキしながら、やり取りを聞いていた私達だが、おっちゃんの情報網はそこで終わりだった(T.T)
ビバリーヒルズの道の奥の方に入ってくれて、「ここは○○の家ですよ」と、
いくつか教えてもらいながら少し走ったものの、マリリンの家は結局分からず…
「あんまり来る人は、いないね〜。モンロー知らない人もいるしね〜」
そ、そうなのか。
とはいえ、私もうあに会うまでマリリンが女優である事さえも知らないくらい無知だったしな。
がっくりしたものの、当初の予定通り、ウエストウッドに向かうのであった。
●念願のマリリンのお墓へ
アパートメントやビルが並ぶ道が続いたあとに、緑の生い茂る道に入った。
どうやら、ここがそうらしい…
車を降りると、広いとは言えないけれど開けた公園のような空間がそこにあった。
敷地を囲むような壁、中央に緑の芝生、そして囲むような木々…
特別奥まった場所ではなく、足を踏み入れて以外とすぐのところに、マリリンのお墓はあった。
壁、ではなくて、これが引き出し式のお墓。マリリンの所は遠目からでも分かる!
「あそこですよ」とおっちゃんが指差してくれたそこは、近くに行かなくてもすぐに分かる。
マリリンのところだけね、くっきりと色が違うんだ。
一体どれだけの人が、ここに触れたらこんな色になってしまうのかな。
白い石はすっかり茶色に変色していた。
備え付けの花差しには、ディマジオが贈っていたという赤いバラではなかったけど、
今日差したのかな〜という、カーネーションとかすみ草。
毎日誰かが、マリリンに花を捧げにくるんだなあ…
プレートも、文字のところがかすれてます。何度も塗っているのでしょうね
横にはこれもプレートのはめ込まれたベンチが設置してあった。
年数を観ると1992年と随分新しい。
確かにまだ真新しい白さがある。
おっちゃんも知らないので私達もこの時は分からなかったが、
ファンクラブの有志が設置したものらしいです。
毎年ここに訪れる方達が作ったんでしょうね〜。
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お墓の真ん前にあります。みんな座るんだろうな…
念願のお墓参り…なのだが、お花も持ってこなかったし、
写真やビデオをちょっと撮ってちょっと佇むと、
「…もう帰ろうか」となってしまった。
なんだか、背後でじっと待ってくれているおっちゃんが気になるんだよおお〜。
結局、来ることしか考えていなかった私達は、
マリリンのお墓の前に10分くらいいただけで帰ることにしたのだった。
ああ、小心者。
おっちゃんが「ナタリー・ウッドのお墓もありますよ」と指差してくれたので、そこにも行ってみる。
(「ウエストサイドストーリー」なんかで有名ですね)
ナタリー・ウッドのお墓は墓地の中央の芝生にあって、
芝生の上にプレートが直に置いてあって、周りを植木が囲んでいた。
プレートの上には小銭がちらほら乗っている。
日本人は水があるとやたらコインを放るけど、これはどんな意味があるのかな?
大きな墓石などはないのです。ぱっと見は公園
勝手な想いなのですが、マリリンのお墓はこっちでなくて良かったかな〜、と思った。
マリリンのお墓は、人の視線の所にいるけれど、
ここでは、名前を踏んじゃう人もたくさんいるんだろうな〜という感じなのだもの。
それに、植木に囲まれて一見立派そうなのだけれど、鬱陶しくも見える。
まあこの墓地が、引き出し式の墓地が大半だからそう思うのかもしれないですね。
(地面の墓地の方が高いだろうし…)
それ以上見るものもなく、去ることにした。
うあは「左隣と左斜め上が空いていたのが気になる…」と言っていたけど、
ほんと、だれか予約しているのかなあ。
予約できるものなのか分かりませんが、空いてるって事はそんな気がしますね。
そしてまっすぐホテルに帰って、4時半到着。
チップ込み80ドルを渡したあと、おっちゃんは去っていった。
1日かけて行こうと思っていたお墓参りは、1時間半で終わってしまったのであった。
なんだか、考えていたよりあっけなかったな〜。うう。
おっちゃんのいらん気を使いすぎちゃった、って思い出が残ってしまいました。
とはいえ、行けるかと思っていたマリリンのお墓に無事行けたのは、本当に嬉しかったね!
まだまだ日は高いぞ〜。