9月16日(日)
ロサンゼルス5日目 スタンバイ2日目
6時に起きて、部屋に付いていたコーヒーメーカーでコーヒーを入れて、リッツで朝ご飯。今日はかなりあきらめモードだ。昨日のさばけた人数を聞いた後では、まだ数日かかるだろうな…って感じだもんね。
さえさん情報の今現在チケットが取れる状態だという21日辺りが、やはり確実なのかもしれない。でも自分でのチケット手配はやはり心配なので、毎日JTBに頼って空港には通わねばな〜、と少々覚悟。
あと「会社に電話せねばなあ…」というのが決まったせいもあって、結構力が抜けておりました。
7時半くらいにロビーに降りて、公衆電話で会社のSさんの携帯に電話することにした。日本は16日の夜中だ。
本当は会社に日本の朝11時くらいにかけれるといいのだけれど、その時間はもしかして飛行機に乗っているかもしれないし(本日はその可能性が低いが…)、あるいはまたホテルに移動やらなにやらでバタバタしていそうな時間だったもので、夜中に電話をかけても大丈夫そうなSさんに連絡を頼むことにした。
『もしもし』
「いきなり夜にすんません。まお(仮)ですけど。実は今、アメリカにいんのよ」
『………はあ?』
「だから、すぐに帰れそうにないんだわ。会社に休むって、伝えて欲しいんだけど」
『…そりゃ、帰れんわな〜!』
はい、すんません…。言葉には出さなかったが、かなり呆れていたことでしょう、ははは…。
HPの日記で「飛行機落ちたり、向こうで事件に巻き込まれたりしたら、バレバレじゃん…(^^;)」って、書いておいたのが現実になってしまった瞬間でした、とほほ。
とにかくも伝えてもらうことにしたんで、「もう堂々と休んじゃる!」と、ゲンキンながらも気が楽になりました。
チェックアウトして待つこと30分ほど。ロビーには30〜40人くらいいたかな。7時50分、とは言っていたが、バスが来たのは8時すぎだった。10分程度とはいえ昨日まで、バスが遅れることはなかったんで、大人数の中ではイライラ気味の人もいる。
「まずノースウエストの方から乗ってください」
そうか、今の時間でバスを待っていたのはノースウエストとANAの人だったのね…と、おとなしく待っていると、
「バスが満員になってしまったので、あと4人しか乗れません…」
とのこと。おいおい、まだ乗ってない人が20人くらいいるんですけど…
どうやら、前のホテルで、7時50分よりも遅いバスに乗る予定だった人も乗せたりしちゃってるらしい。確かに昨日の時点で私でも「早く行かなくちゃ」と思ったくらいなんだから、早いバスに乗れたら乗っちゃえ、って人がいたんだろう。紙にバスの時間まで書いてくれたので、てっきり確認して乗せているかと思ったら、そんなことはなかったのか〜。
とにかくもその4人には、11日出発予定だった、という人が乗ることにJTB側が決める。私達と同じくラスベガスから来た女の子4人組が「すいませぇ〜ん…」と言いながら乗っていった。
さすがに、イライラだけでなく、言葉に出して文句を言う人が出始める。私らも「なんだよ、そりゃ!」って感じだったが、
「日本は秒単位で動かなくっちゃ、仕事になんないんだぜ〜。こんなんじゃ、あんたらクビだよ〜」
などと言うオヤジを見ていたら、そっちの方がげっそりしてしまった。こんな時に、秒単位だとかそういう問題じゃないでしょうが。
それに一人、とってもウルサイ女の子がいて、まいった。ほんとーにまいった。
ゴリラのぬいぐるみを持った女の子(とはいえどう見ても20代だけど)で、とにかくキンキン声でJTBの人を責めまくるのだ。
「どういうことですか!? 把握してないんですか!?」
「遅れる、っていうのは、10分が限度でしょっ! 15分も待たせるなんて何なの!? せっかく早起きしたのに!」
「ちゃんと仕事しなさいよ! どういうことよ! 本社に訴えてやる!」
…と、まあ、とにかくJTBの人が説明する暇がないくらい、責め立てる、責め立てる。ホテルマン達は面白げに見てましたが、関連している我々としてはうんざり。ちゃんと、説明させて、次の段取りさせてやってよ〜、あんたの文句言っている時間のせいで、私達が時間を食われてるんだよ〜、てな気分になっていた。
間もなく、昨日のはきはきした部長っぽいおじさんもやってきた。
「こちらも非常時で、精一杯のことをやってるんです! ホテルの手配も空港への送迎も無料でやらせていただいてますし、次のバスもすぐに来るよう手配していますから、申し訳ないですけどお待ちください!」
と言う、女の子を遮るおじさんの言葉の方に、ほっとしたくらいであった。
そのおじさんが来てからは、女の子はそのおじさんが一番上だと思ったのだろう、個人攻撃してた。よくもまあ、そこまで言えるよな…ってくらい、言いますな。
意外と早く次のバスはやって来たんで、我々はさっさと乗らせてもらったが、女の子は止まなかった。スーツケースを積み、バスに乗り込み、さあ出発、とおじさんが私達のバスに乗ってきたのだが、そのドアまで追いかけて来て、また怒鳴り散らす。
どうやらおじさんは「バスで行くのが嫌なのなら、タクシーでご自分で行ってください」とでも言ったらしい。
「タクシーで行けってどういうことよ! 自分で金を払えっての!? 名刺よこしなさいよ! あんたなんか上司に訴えてやる!!」
と、バスの入り口を閉めさせない。
「あの〜、うるさいんですけど。もうやめてください!」
と、一緒にバスに乗っていた人もさすがに言うけど、そんなの聞いちゃいない。
「のんびり行こう」と思った朝だっただけに、胃がキリキリするほど、嫌な気分になってしまいました。
文句を言うのが大切な事や時もあるけどさ、そういう事態じゃないでしょうが!
というか、私なんかほんとに、「いやいや、ホテルの手配や空港までの送迎や連絡や、ほんとにいろいろしてもらっちゃってすんません。手際がちょっとぐらい悪くても、我慢しますよ」って感じだったんだよね。
もともと安いツアーだし、保証してもらってる旅行日程も終わってる(テロ・天災の場合の保証はもともとないよな)、保険の期限も切れてる、極端に言えば「帰りの航空券はあげますから、あとは自分でしてね」って言われてもしょうがないかも、と思っていたんで、面倒な手配をまかせてこうやってのほほんと滞在できてるのは、ありがたかった。
だから「そういう人もいるだろうな」とは思いつつも、このテロという天災による事態でここまで「通常通り動けない旅行会社が全部悪い!」なんて風に文句言う人に会うとは思わなかったよ。現に、昨日までいなかったし。私が消極的な客なのも認めるけどさ、「文句を言った方が勝ちなんだ」って客の立場を振りかざして言うのって楽しいのかな?
とにかく、その文句を聞くって立場になるだけでも、長丁場でいらないストレスを溜めるだけだなあ、と実感いたしました。ほんと。
さて、女の子を振り払い(おじさんが名刺を渡していたかも)、バスは出発。空港に着くと、昨日よりは空いている印象だった。
JTBの空港係の所に行くと、
「昨日のWaitingカードがそのまま有効になります。無くさないでください」
ということで、新たな列を作らなくて済むことにほっとする。結局、急いで来る必要は無かったのだ。まあ、そういうことになるとは、昨日の時点では分かんなかったんだから、仕方ないよね。
カード番号が14日のスタンバイからの通し番号だということも知り、ほ。それほどすごく後ろの番号じゃないらしい。
12時半にANAのカウンターの所に来るように、ということで、3時間ほどの待ち時間が出来た。
ANAカウンターの横、トイレの前に椅子が空いていたので、陣取る。昨日は椅子から動かずに、手持ちのパンを食べていたけど、今日は上の階のフードコートでコーヒーでも買おうと上に上がった。
うーん、上から眺めると、人のぎゅうぎゅうぶりが良く分かりますね…開いてない航空会社のカウンターの前は空いてるのに。昨日はもっとぎゅうぎゅうだったんだなあ、と思いつつ、見慣れた店、マクドナルドの列に並ぶ。こちらのモーニングセットは、ビスケットサンドやいろいろ載ったプレートモノもあって、日本よりも種類が多い。とはいえ、あっさり軽そうなエッグマフィンセットとオレンジジュースを買った。
椅子に戻って、エッグマフィンとハッシュポテトを半分に割って、MAAと食べた。そんなに動いてもいないんで、これでちょうどいいくらいですねえ。
12時半前から(11時くらいだったか…)、カウンターから係の人が手持ちメガホンで、乗れる人の名前を読み上げるようになった。なんたって混雑している空港の中である。メガホンで叫んでいるくらいじゃあ、なかなか聞こえんのです。
MAAに荷物を見てもらって、私はちょろちょろカウンターの方を覗いて係の人の言うことを聞いていたりした。「昨日より乗れる方は少ないです」
などと言う係の人の声に「今日もダメか…」って感じは強まるんだけどね。
ちなみにこのANAの係の人は昨日から同じ人で、疲労感漂いながら声を嗄らして、一生懸命案内を出していた。多分、徹夜状態なんでしょうね(自分でも確か言っていたな)。
私がうろちょろ見に行くので、MAAには椅子で随分待っていてもらったんだけど、ちょうど隣が同じバス(JTB)に乗ってきた家族のお母さんで、いろいろ話しかけられちゃったそうだ。
そこの一家はお母さん、お父さん、娘の3人で初めての海外旅行に来たそうで、初めての海外でこんなことに…って感じだったそうだ。うーん、次の旅行に行く意欲が失せちゃうかもしれませんねえ…それとも、逆に強くなるのかな?
「デルタやJALは帰ってるけど、ANAは11日の人もほとんど帰ってないらしい…」なんて風聞も聞こえてくる。
それと後ろの椅子に座っていた人達が、某車メーカーの方々で(行きの飛行機でも一緒だった団体で、私の隣に座っていた人が、そこの団体の添乗の一人だった。名札を付けてたんで、会社名が分かった)、そこから漏れ聞いた話の様子だと「ビジネスやファーストなら、空いているらしい」とのこと。航空会社の人に交渉している、という話が聞こえた。
結局そこに座っていた、役員職らしい人々は「取れました!(確かファーストかビジネス…)」という事で、早々に去っていった。交渉をして席を取ってきた人の方は当然(?)、「私はまだ乗れませんので」と見送っていたけれど。
うーん、「なんでWaitingカードの順番の番号でなく、名前の方を呼ぶのかな?」と思っていたんだけど(JALは番号で呼んでいたので)、こういう交渉で乗って行く人達が優先されているから、番号で呼ぶようなキチンとした整列ができないんか!?という疑惑が浮かんできたよ。それじゃあ、一般の人達はどんどん遅れて行くだけなのかな〜、って。
それに、出発が近づくと、ANAに乗るらしい高校の修学旅行生達がたくさん列を作りはじめた。
…オリジナルチケットを持っていないんだとしても、彼らが優先されそうなのは目に見えてるなあ…
そんな状況の中で、あきらめモードは更に色を深めたのであった。
とはいえ事情をよく知りたいと思って、12時前には私はANAのカウンター前にはり付いた。
何人かずつ、何人かずつ、名前が呼ばれていく。呼んでも現れない人の名前はボードに書かれる(最後まで現れなければ、後回しにされるんだろうね)。名前を呼ばれることを期待している人々で、カウンターの前はぎゅうぎゅうになった。
だから、名前を呼ばれると「はいはいはい、いますっ!」「やったー!!」って、みんな明るい表情でパスポートと荷物を握りしめて、チケットカウンターに向かっていた。さながら、宝くじの発表場のようであった。いやもう、まさに。呼ばれないだろうな、と思っていても、つい期待してしまうこの心境。
旅行会社の人も何人か固まっていて、名前が呼ばれると「あ、うちのお客さんだわ!」と大喜びで呼びにいったりする。
まあ、行く人達を見ていると、年配の方々なんかは「呼ばれてよかったなあ…」なんて感じがするよね。こんな風に空港にへばりついたり、ホテルを往復する時間をこなしていくのは大変だろうな〜、と思うんで。
「昨日は最後に乗れる人が一人しかだめだったんだけど、カップルだったんだよね。結局、男の方が行っちゃったよ」
なんて話も聞いた。うーん、どんな状況か分からんが後で大丈夫だったのかしら、そのカップル。一人だけ残されて泊まるホテルの部屋とか、寂しそうだよね…
最後の最後の呼びだしは12時半位だった。そして今日も昨日と同じく「乗れるのはあと一人」…。
その最後が、なんとMAAの隣に座っていたご家族3人(11日のチケット)だった。少し悩んでいたけど「3人で帰りたいので」と、今日の搭乗は辞退していた。昨日のパターンとは逆ですな。でも、明日には確実に乗れることが確約出来たようなものだから、気は楽になったことでしょう。
そしてやっぱり予想通り、私達が呼ばれることはなかった。でも、
「昨日も100数名乗れています。今日もほぼ同じくらい乗っています。14日のスタンバイの方はもう全員お乗りになりました。そして11日チケットの方はもうほとんどいませんので…」(←ちょっと正確には覚えてない)
と、係の人の話。
ン? 昨日の「エコノミーが35名、ビジネスが7名乗れただけ…」とかって何の話だったの??
まあ、それはともかく、今の話からすると…15日スタンバイの11日出発分の人も乗り初めてるってことで…なんだよ、もう、かなり乗ってるんじゃん!
うおー、私達も明日には乗れるってのが、ほぼ確実なのでは!!
あきらめモードが急に「帰れるじゃん!」モードになりました。あの宝くじ当たったぜ状態に明日はなれる!と半分確信して、MAAの所に舞い戻ったのであった。
昨日と同じように、ホテルを取ってもらってバスで移動。今日はオムニホテルに戻った。
3泊したので、勝手知ったる感じ(おいおい)。明日の集合はさすがに今日で様子が分かったので「9時半」ということで、解散。
時間も3時過ぎだったので、夕飯と買い物に、歩いてゆっくりリトルトーキョーに行くことにした。
二人とも「きっと明日は帰れる」と気持ちも明るくなって、最後のお金でおみやげを買おうか、なんて余裕も出てきた。
MAAは妹にヨーロッパ系の化粧メーカーの化粧品を頼まれていたけれど見つからなかったので、リトルトーキョーの近くにあるDFS(免税店)に行ってみることにする。
しかし免税店は「帰りの航空チケットがないと買えません」なんだよね。中には入らせてもらえたんで、見るだけ見て、トイレ借りて帰ってきた…
私はスーパーで会社の人に一人一袋、天狗印のビーフジャーキーを買った。ええ、行くなんて言ってなかったんで、全く買うつもりなかったんです……。空港の高いモノは買えないんで、ここで買うのは許してくれい。
ガロンの水を再び買わなくていいな、と思うのはやはり嬉しかった。
夕飯はちょっとくらいリッチで大丈夫かも!と、普通にレストランに入ることにした。結局匂いにつられてカレー屋さんに入りました。ハウスが経営しているらしい(笑) リトルトーキョーの中なので、もちろん日本語でオッケーであった。
「最後の晩餐だねえ」とか言いながら、ビールも飲んじゃったりして、明るい気分でゆっくり食べました。
リトルトーキョーの中を歩いていると、そこかしこに「GOD BLESS AMERICA」の張り紙をしているのが見れた。
偶然というか何というか、私は来る前に「God bless you!」という言い回しを覚えたばかりだったんだよね。ラスベガスで花嫁さんに会ったら「Congratulation!」(「やったね!努力の甲斐あってゲットしたね!」って感じ?)よりも「God bless you!」(直訳は「神があなたに恵みを与える」…お幸せに!って感じ)の方がいい…というのを読んでいたのだ。
どこかで使えるかな、と思って覚えたけれど、まさかこんな風にお目にかかるとは思わなかった。
「GOD BLESS AMERICA」。きっと、当分このフレーズは国中に溢れているんだろう。
JTBのトロリーでホテルに戻って「明日は帰れそう!」と連絡をする。
明日は朝もゆっくりなので、かなり気持ちがゆるやかになって眠ることが出来ました。
ようやく展望が…つづく