―結婚式―

今、教会で結婚式が始まり一つの夫婦が誕生する。

夫はこの町であるロンサール領主・クロード=フラヴィーニ。

妻は領主の屋敷のメイド・ミレーヌ=トラントゥール。

 

彼女はかつての愛する人・エリック=フラヴィーニがいた。

彼は革命に失敗に国外追放されてしまった。

ミレーヌは愛する人を失い、心を凍らせた。

だが、クロードはそんな彼女を暖め、心から愛した。

ミレーヌも彼に感謝しもう一度愛した。

だが、ミレーヌの前に再びエリックが姿を現したのだ。

エリックは再び革命を起こす為に一つの依頼をする。

ミレーヌにとっては、まさにクロードに対する裏切りの行為を・・・

エリックかクロードか・・・

だが、クロードはその事を知りエリックに会う。

結局、エリックは革命を諦め自由の国を目指す。

ミレーヌはクロードの側に残る事を決め、クロードのみを愛する。

 

そんな2人の結婚式。

参列者は皆、祝福する。

これから夫婦の日々が始まる・・・

だが、彼は忘れていた・・・

彼女は少しばかり頭が固く、しっかりとしたメイド意識を持っていることに・・・

「あ、あの、ミ、ミレーヌさん・・・
それは・・・?」

「えっ? メイド服ですけど?」

 

 

―新妻はメイドさん・食事編―

「・・・・・・」(モグモグ)

「・・・・・・」

「・・・・・・」(モグモグ)

「・・・・・・」

「あ、あの・・・?」

「お呼びですか?」

「だ、だいぶ、料理もうまくなったね」

「あ、ありがとうございます」

僕の言葉に照れるミレーヌ。
少しずつだが、確実に美味しくなっていく料理は先が楽しみだ。
そう言っていつも通りに朝食を食べている。
そう・・・『いつも通り』なのだ

「ミレーヌも一緒に食べようよ?」

「私は後からいただきますから」

と言って、『再び』背の後ろに戻って立つ・・・

 

 

―新妻はメイドさん・洗濯編―

「ミレーヌ?」

「はい?」

洗濯物を洗っているミレーヌがこっちに振り向く。
・・・鼻に泡が付いて可愛いと思ったのは秘密(笑

「ぼ、僕も少しぐらいは手伝うよ」

「いいえ、結構ですよ。
それ程、多くありませんし」

「そ、そう(汗」

「はい。
クロード様は気にせずにお仕事をなさってください」

「・・・はい」

あ、あの・・・

 

 

―新妻はメイドさん・掃除編―

「だから、僕も手伝うって」

「結構ですよ。
クロード様はご自分の仕事をなさってください」

僕の意見を却下し、ミレーヌはモップを持ち掃除してスタスタと移動する。

「でも、シャルロットもいなくなったし・・・こんな広いのに1人だけじゃあ・・・」

「クロード様が来るまでは、私1人だったんですよ。
いまさらですよ」

追いかけて話し続けるけど、意見を聞いてくれる気配は全くない。
中途半端に上げた手が空しい・・・

 

 

―新妻はメイドさん・夜編―

「はあ・・・」

執務室で机に座って仕事をしているけど、出るのはため息・・・

「どうしたらいいだろ?」

ミレーヌは確かにメイドであることに誇りを持っているし、プライドもある。
でも、今は夫婦なんだから頼ってくれもいいと思う。

 

コンコン

 

「はい?」

「クロード様、お茶をお持ちしました」

「ありがとう、入っていいよ」

「失礼します」

取りに行こうとして腰を浮かすけど、ミレーヌは器用にドアを開閉して僕の側まで来る

「どうぞ」

「い、いただくよ」

ひと口飲み、カップを置く。

「ねえ、ミレーヌ」

「はい?何でしょう?」

「僕たちは昨日、結婚したんだよね?」

「は、はい・・・」

頬を赤く染めて小さい声で答えてくれる。

「夫婦なら、もっとお互いに支え合うべきじゃないかな?」

「・・・・・・」

「食事も一緒に食べたり、家事は分担にした方が・・・」

「クロード様」

僕の言葉を遮って、ミレーヌが声を出す。
でも、顔は微笑みながら優しい声で・・・

「クロード様、貴方がおっしゃりたい事はよく分かります」

「うん」

「でも、これが私なんです」

「・・・はあ」

それはよく分かってる・・・
充分と・・・
だから・・・

「どう言っても変えてくれる気はないよね」

「はい・・・」

優しい声ではっきりと答える。

「それに・・・」

テクテクと僕の後ろに周って、肩に手を置いて・・・

「幸せならいいじゃないですか?」

眩しい笑顔でそう言ってくれる。

「・・・そうだね」

そう言われれば何もいえない。
たぶん、僕は疲れた顔になっていると思う。

「ふふふ・・・」

でも、確かに幸せだと言える・・・
君が側にいてくれるから・・・

 

〜ミレーヌ・八ッピーエンド〜


一番お気に入りのミレーヌです。
わたしはこういう大人しい(無表情?)というのが好きなんですよ。
そこから、照れやアタフタする時のギャップがいいんですよ。
エンディングですが、これは前もって予測していました。(プロフィールを見た時から)
悪く言えば、有りがち(お約束)みたいで・・・
もう少し捻ってほしかったですね。(カトリーヌは逆に予想できませんでしたが)
SSは本当にそのままですね(捻りもなんもありません)
さて、ここで一つの疑問が・・・
シャルロットのメイド服のスカートは長いのに、なぜミレーヌは短い!?
狙ったのか!? 狙ったのか、山本さん!?