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通い妻(仮)
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某月某日 快晴
「♪〜」
鼻歌まじりで歩く私は、これから雪村君のアパートに行くところ。
今日は、私が雪村君に夕飯を作ってあげる日。
今では週に大体2,3回位の割合で、雪村君のアパートにお邪魔して作っている。
雪村君は自炊しないからインスタント食品やコンビニのお弁当ですませる事が多い。。
だから『雪村君、私が夕飯を作ってあげるわ♪』って言っちゃった。
まあ、私は自炊してたし料理事体は嫌いじゃなかったから焦ることもなかった。
そして程なくして私は、雪村君の住むアパートの玄関の前に着いた。
ピンポ〜ン
あれ?……返事がないはね……もう一度。
ピンポ〜ン
…………暫く待ってみても返事がない。
「留守なのかな?」
でも、そんな事あるはずがない。
私が来る事は雪村君は知っているはずだし、何も言わずに出かけたりするような人でもない。
少し考えた後、私はポケットの中からキーホルダーを取り出す。
それには二つの鍵がついている。
一つは私の家の鍵で、もう一つは雪村君のアパートの鍵。
この鍵を持っているのは、雪村君のお母さん以外では私だけ。
ドアを開けてみると……靴はあるはね……取り合えず上がってみましょう。
「雪村君?」
声をかけながら部屋のドアを開けてみる。
すると……
すーすー
「あら♪」
ベットの上で雪村君は寝ていました。
「……どうしようかな?」
どうしようかと悩んだ挙句に、私は暫くこのまま寝かせてあげることにした。
それにしても…雪村君は寝ていてもカッコイイ♪
写真に撮って、販売でもしたら何人の娘が買うのかしら?
少なくとも学園内の大半の女の子が買うわね……なんか複雑な気持ちだわ。
雪村君の寝顔を堪能したあと、
私はお気に入りの淡い水色のエプロンをして、買い物袋の中から買ってきた食事の材料と、
予め自宅で下ごしらえしてきた物を取り出して早速お料理に取り掛かった。
『本日のメニュー』
フワフワの卵をのせたオムレツピラフ………フワフワ感を出すのに苦労しちゃった。
ブロッコリーのスープ…………………………………緑が良い感じよね♪
ジャガイモのサラダ ハンブルク風…………ジャガイモは肉料理には欠かせないわ。
ビーフグーラッシュ…………本日のメインディッシュ。豚や鳥でもOKなのよ♪
「うんっ、こんなもんかな♪」
会心の出来具合に満足する私。
さてと、雪村君を起こさないとね。
「雪村君、起きて、夕飯にしましょう」
……なかなか起きないわね……仕方ないわ、アノ手を使うしかないわ。
私は雪村君にそっとキスをした。
定番だけど、これが雪村君には絶大な効果を発揮する。
他にも……く、口で、その……あれよ……(ポッ♪)
「ん…」
「…んん?」
私が雪村君の唇に触れたと同時に、私の口の中に雪村君の舌が入ってきた。
「んん…くちゅ…んっ……♪」
「んっ……ぷはぁ…」
「玲於奈、おはよう」
「ゆ、雪村君、いつから起きてたの?」
「ん?……玲於奈がキスする寸前だな」
「嘘でしょ……?」
「さあ……? それより夕飯を食べよう」
「はぁ〜……仕方ないわね」
本当ならここで怒るべきなんでしょうけど……無理ね……。
これが惚れた弱みってやつなのかしら?
……………
…………
………
……
…
「ふぅ〜、今日も美味かったよ、玲於奈」
「ありがとう♪」
「じゃあ、後片付けは俺がやるから」
「いいわよ、私がやるから。雪村君はテレビでも見て休んでて」
「……わかった」
俺の返事を聞いた後、玲於奈は後片付けを始めた。
なんか最近……玲於奈は主婦してるよな……(見方を変えれば、ヒモだよな……)
それにしても……玲於奈のエプロン姿を見てるとなんかムラッとくるな……
剛田が置いていった本のせいだな……たしか『漢の浪漫 増刊号』だったな。
…………やはり食後の運動はしなければな。
「(なんか視線を感じるわね……) っえ?きゃっ!」
「玲於奈……いいか?」
「ダ、ダメよ、後片付けの最中なんだから♪」
「後片付けは俺がやっとくから……それにデザートは食べておかないとな」
「あっ、ちょっ、ちょっと待って雪村君…ぁん♪……はふぅっ」
……………
…………
………
……
…
そして2時間が経過した。
「雪村君のケダモノ……(こうゆうのもあるのね〜)」
「否定できん……(随分と興奮したな…剛田に感謝か?)」
FIN
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後書き
ユキユキSS第三段の玲於奈でした〜。
ぶっちゃけて言うと、この内容だったら晶子でもせりなでも誰でも使えましたね。