オレ達の関係は変わっていたらしい。
見た目ややり取りは相変わらずだけど、それでも変わったものがあった。

楓はオレを愛してくれている。
でも、楓は愛されることを否定した。
幼い頃に誤解とは言え、オレを殺そうとした事に対する『謝罪』という意識が拒んだからだ。
オレは諦めなかった。
オレの想いを全て伝え、楓も受け入れてくれた。

関係が恋人になって、楓は積極的になっていた
でも・・・
麻弓や何故かいた樹や亜沙先輩、他にも大勢生徒がいる校門キスするのはやめてほしい(汗

 

その後、楓の手を引いてその場から逃げるように離れ(実際そうだけど)教室に入る。
お互いに息を整えている間に、遅れて麻弓と樹も来た様だ。

「見たわよ、見ちゃいましたよー。
話題の男と学園のアイドルの一人のキスシーン!
これは是非ともスクープさせてもらうからね!!」

「黙れ、このエセジャーナリスト!!」

オマエが話しを振ったんだろ!!
て、ゆーか教室で大声で言うんじゃねー!!

「稟・・・
殴っていいかな?
学園の男子生徒の数だけ」

「なら、
オレはオマエに黙された女の子の数×10でやり返すぞ」

コイツは無視して教室を見渡す。
よし、まだシアとネリネは来ていないな。
さて、どうする・・・
2人とも楓の事を心配していたから、元気になっていた姿を見れば喜ぶだろう。
いつか話さなくてはならないが、
昨日までいっぱいいっぱいだったから何も考えていない。
さすがに某親父さん達のメチャクチャな提案に乗るわけにはいかないし。
さて、どうやって誤魔化すか・・・

 

ガラララ!!

 

「稟くーん!!
カエちゃんとキスしたって本当!?」

「稟さま!!
それだけではなく楓さんを押し倒したって本当ですか!?」

『何だとー!?』

 

ガン!

 

噂って広まるのは早い上に、そんな出鱈目になるんだろう(汗
これなら、ホームルーム前で全校生徒に知れ渡っているだろうな・・・

「本当なの!?」

「本当なんですか!?」

異界のプリンセスお2人は、目の前まで来て顔を近づけてくる。
美少女2人がそんな目前までくると、さすがにドキマキする。
すまん、楓。
オレも男なんだよ・・・(笑

「それは・・・」

「はいはーい!
その真相は土見くん変わって、私が教えてあげる!!」

説得(言い訳?)しようとする前に、某貧乳娘が名乗りを上げる。

「ジャーナリストとして、真実はちゃんと伝えないとね。
まず、容疑者が楓を押し倒したなんて根も葉もない・・・根はあるかな?、
取り合えずそれは嘘。
どうせ、どっかのバカが適当に言っているんでしょ」

「ま、麻弓ちゃん」(困

止めてほしいのか、楓も控えめに麻弓の制服の裾を引っ張る。
というより、容疑者って何さ?

「で、では、キスも・・・?」

言うなよ、言うなよ(念

「それがキスは本当の事なのよ!
しかも楓から!!
いやー、やっと楓も積極的になってお姉さん嬉しいわ」

「「ええー!!」」

やっぱりバラすのか!!

「ちなみに証人は私と緑葉くん。
というより私の目の前でやってくれたんだけどね」

「カ、カエちゃんから!?」

「・・・大胆」

「ま、麻弓ちゃーん」(泣

楓もさすがに恥ずかしいのだろう。
少し涙声になっている。

「というわけで・・・
その容疑者である土身くんに取り調べ・・・もとい、インタビューさせてほしいんだけど」

「絶対嫌だ!!
ほら、楓も何か言って・・・あれ?」

麻弓の側にいたはずの楓がいなくなっている。
それに2人も・・・

「楓ならプリンセス達に連れて行かれたわよ。
何でもお願いがあるんだって」

な、何!?

「心配しなくても大丈夫よ。
それより、後ろにいる男達を何とかしたら?」

「えっ?」

振り向くと樹を始め、いつの間にか他のクラスの男子までいた(汗

『土見ー!!』(怒

どうやって止めろというんだ?

 

一触即発だったが、教室にやってきた紅女史が一括して嵐は去った。
ホームルーム(3人も戻ってきている)が終わるとオレだけ廊下に呼び出された。
紅女史曰く・・・

『つっちー、
オマエはいくつ私の悩みの種を増やすんだ?』

怒られ・・・

『いいか、根性だぞ、根性。
今が一番ツライ時だ。
だが、人間というものは良い悪いは関係なく、慣れるという適応能力がある。
それまで頑張れ!』

何故か励まされた。

 

その後、オレは休み時間になるたびに男子に狙われた。
いまやオレは完全に男子生徒全員の敵になったらしい。
昼休みも満足に飯も食えないくらいに疲労してしまい、
楓が『早退しましょうか?』と言われる始末。
けど、これからは毎日続くだろうやり取りに意味がない。
紅女史が仰るとおり、早く慣れろということだろうか?

 

 

何とか乗りきり、放課後になり何処も寄らずに楓と家に帰った。
ようやく落ち着いたと思ったが、神王と魔王の両おじさんが我が家で宴会を開き始めやがった。
シアとネリネはもちろん、プリムラも一緒だ。

「いやー、めでたい!
ついに稟殿も女を覚えたか!!」

バンバンと背中を叩かないでください。
ものすごく痛いです。

「まったくだね。
いいかい、稟ちゃん。
男は女性を満足させなくてはいけないよ。
精神的にも肉体的にも。
でも、稟ちゃんなら大丈夫だね」

どこがどう大丈夫なんだよ?

「稟・・・大丈夫?」

プリムラ、オマエだけだよ。
心の安らぎは。

「おお!
そうそう、本当の用事を忘れる所だった!
シア、ネリ坊!!」

「「はい!」」

宴会が始まってから妙にソワソワしていた2人が、
勢いよく返事をしオレの所に寄ってくる。

「稟さま、全ては楓さんから聞きました」

「でも、私達もどうしても稟くんを諦める事なんてできないの」

「・・・・・・」

オレにはかける言葉がなかった。
だから、平手打ちだろうが何でも受けるつもりだ。

「「だから・・・」」

だが、彼女達は予想を超えていた・・・

「「楓さん(カエちゃん)と結婚は神界であげてください!!」」

「へ?」

「つまり神界なら一夫多妻制だから、
ネリネちゃんとシアちゃんも大丈夫っということだよ」

それって、前におじさんが言っていた無茶苦茶な提案じゃないか!!

「おじさん!!
あの事を2人に言ったんですか!?」

「おいおい、稟殿。
俺達はなにも言っちゃいねぇよ。
全部2人が考えてたこった」

「そ、そうなのか?」

いまだ信じられずについ確認してしまう。

「はい。私達は稟さましか考えられないんです。
ご迷惑かもしれませんが・・・」

「か、楓は・・・」

かなり動揺しながらも、楓に意見を求めたオレを褒めてほしい。
怒るか悲しんでいるかと思ったが、いつもどおりの笑顔で・・・

「かまいませんよ。
稟くんを好きになる事を止めさせる権利なんて私はありませんし、
シアさんとネリネさんなら歓迎します」

なんておっしゃいました(汗

「なんでそんなに冷静でいられるんだ、楓?」

「実は今朝、先にカエちゃんに相談したの」

今朝って、麻弓のネタばらしの時か!

「お互いに話し合って、楓さんも認めてもらったんです」

「認めたのか、楓さん」(汗

「はい、認めました。
最後に稟くん次第と言いましたけど」

な、何かずれていると思うんだが、修正できない。

「ですから・・・」

「「「私達の事、お願いします」」」

・・・明日死ぬかもな

 

次の日に何故かシア・ネリネ・楓の3人と婚約したと3世界中に広まった(絶対おじさんだ!!
その知らせを聞いた麻弓は一言・・・

「土見稟、神王と魔王だけでなく、3世界の王になる男」

 

 

楓・ハッピーエンド!!(?



稟第一に考えて、自分のことはちょっとポカをする子。
幼少の頃に稟が彼女の憎しみを受け止め、その罪が彼女を悩ませた。
やはりこの所にもCGがほしかったですね。
ストーリーはプリムラ、亜砂に続き納得しています。
でも、楓ももっと押し出してほしかったと思うのが本音です。
このSSは、何故かプチALLエンドぽくなってしまいました。
けど、やっぱり楓なら拒まないと思うんですよ。
決め手は屋上で『神界は一夫多妻制だから』のシーンですね。
とうわけで納得してください(笑