【Sweet Sweet Pain】 P20 (涼X拓) …何となくでたらめな英文字←アホか
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遠くに微かに聞こえる水の音に、拓海はゆっくりと目を開けた。
・・・んー…な、なに?雨か?
暫くボーッとそんな事を考えてから、拓海はコロリと寝返りを打つ。すると目の前に1輪、赤い花が飛び込んできた。それ不思議に思い、ボヤ〜としたまま無意識にソレを手にした途端、拓海は急速に今の現状を思い出したのだ。
ガバッと勢い良く体を起こして、すぐに腰を折り曲げる。
体の奥から、何とも言えぬ鈍い痛みが響いたせいだ。理由なんて考えるまでもなくて、拓海は真っ赤に頬を染めた。
でも、体はアチコチ痛いのに、ドコか幸せだと感じてる。そんな自分に気づいて、俺ってマゾ?とホンの一瞬、己を疑う拓海だった。
キョロキョロと、拓海は涼介の姿を探した。
・・・水の音?・・・風呂かな?
涼介が居ない事に安心したような残念なような複雑な気分だった。でも傍に居たらどんな顔すればいいのか解らないので、やっぱりどっちかというと安心したのかもしれない。
ほうっ…と大きく息をついて、拓海は何気なく手の中にある蕾をクルクルと廻した。
───信じられないけど、抱き合ったのだ。あの涼介と・・・。
体に残る気怠さと痛み、何より、瞬間の涼介の声を拓海は覚えてる。甘く掠れた、あんな涼介の声を拓海は初めて聞いた。
思い出して、カァッと頬を染めると、拓海はブンブンと首を振った。。
・・・ダメだー!思い出すな、俺っ!!
心の中で自分に言い聞かせて、拓海は他の事を考えて、何とか平静を保とうとする。手の中にある薔薇をなおも廻して、じっと眺めるフリをして・・・。
───そしてふと気がついた。
・・・あれ?もっといっぱい花、あったよな?
思いついた疑問に拓海は首を傾げた。でも枕元にはやはりコレ1本しかない。
拓海はごそごそとシーツをめくって中も探すけど、やはり無い。そして、ひょいっと床を覗き込んで、拓海は無惨な姿になっている花々を見つけた。
花のすぐ根元で茎が折れてしまっているのが殆どで、一部が散ってへんな形になってしまっている花もある。挙げ句の果て、踏みにじられた花も一杯あった。この犯人はきっと涼介だろう。
拓海はごそごそと落ちている花を手で探った。
「…うわっ…ひでー…コレ…」
シュンと眉を下げて、それでも何本かキレイなモノを手に集めた。でも、貰った花の半分どころか10分の1くらいになってしまっている。小さなブーケというくらいの大きさだ。
ボロボロになってしまった薔薇の中から救いあげたその数本を両手に持って、拓海は悲しげにそれを見つめた。
「……花……ぐちゃぐちゃに…なっちゃったな…」
・・・折角、貰ったのに。大好きな人から、貰った花なのに。
拓海だって、別に特に花が好きだというワケじゃない。薔薇だというコトくらい解っても名前も詳しい種類も全然解らない。どの花が好きとか、そういう好みも別に無いのである。
でも、この花は特別だ。涼介が拓海の為に用意してくれたモノだから、拓海にとっては特別なのだ。
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シャワーを終えて、濡れた髪を拭いながら部屋へ戻った涼介は、自然にツイッと視線をベッドへ向けた。拓海はまだきっと眠ってるだろうと思いこんでいたので、身を起こしてる姿を目にして少しだけ驚いた。
・・・怒ってる・・・かな?
ハッキリ言って、後半は問答無用というカンジで抱いてしまったので、いささか心配なのである。……と言っても、もう2度とヤダって言われたらどうしよう…って程度の心配なので、贅沢なことこの上ない。
部屋の中は薄暗いままで、見えているのは拓海の後ろ姿だ。だが、何だかうなだれているようにも見えて、涼介はドキリとした。
とりあえず、怒られる覚悟を決めて、そっと拓海に近づく。別に気配を消しているワケではないので拓海も自分に気付いてるハズだが、顔を上げてくれない。
「拓海?・・・怒ってるのか?」
声をかけてみると、案外、あっさりと拓海は顔をあげてくれた。
「・・・怒ってないけど・・・」
けど…という語尾からして、何か不満があるのだろう。でもそのワケは拓海の手を見てすぐに解った。
「ああ…それ。ゴメン、さっき俺が踏みつけたんだ。帰りに又、買って帰ろう。」
「要りません。」
宥めるように言った涼介の言葉を、拓海は間髪入れずに否定した。
「拓海?」
「無駄遣いはダメです!…こんだけ残ってるし、俺、コレでいいっす。」
涼介の金の使いように、時々、疑問を持ってた拓海である。まあ、人様のお金なのだから拓海がどうこう言うものではないのだが、気になるのが貧乏人のサガというモノだ。
拓海は手に残った数本を涼介に見せるように突きだして、窘めるようにそう言った。
世界広しと言えど、こんな風に涼介を叱ってくる者などいない。やはり拓海は貴重な人材である。(…兄、なんだかカッコわる〜い(-_-;))
「・・・拓海に贈る花は全然無駄じゃないんだが……ま、拓海がそう言うなら…」
涼介のセリフの前半を聞いて視線をキツクした拓海に、涼介は苦笑した。そんな顔しなくても…と思ったが、こんな顔すら愛おしい。そして、何だか嬉しいのだ。
自分も相当重症だ…と思ったが、恋とはきっとこういうモノ。誰もが普段通りの自分では居られないのだろう。まさか自分がそうなるとは、涼介は夢にも思ったコトはないのだが・・・。
「…コレが枯れてから、又、贈ることにしよう。」
言いながら、涼介は拓海へとそっと顔を近づけた。
「涼介さん!解ってな……んっ!」
そうして『解ってない』と言おうとした拓海の唇をあっさりと塞いでしまった。これ以上の苦情は受け付けませんというコトだろうか?
ほんのり軽く、甘く、何度も口づけられて、拓海の身体から力が抜ける。見計らったように拓海の手の中にある花を奪って避難させると、涼介は拓海を両手で囲ってしまった。 誤魔化されたようでちょっと面白くない…と唇を尖らせる拓海だったが、ちゅっと音をたてて口付けられると、反射的に又、唇を解いてしまった。
「拓海…」
そんな拓海に小さく笑って、涼介は頬や額にもキスをすると囁くように名を呼んだ。
そして、何?と言うように目を瞬いて見つめ返してきた拓海の頬を、今度は手のひらで優しく撫でながら言葉を続ける。
「…気分は悪くないか?…どこか酷く痛むトコとかは?
「は?」
一瞬、拓海には涼介が何を言ってるのかよく解らなかった。つい今まで優しいキスの応酬で頭の芯がポーッとなってたので・・・。でも、すぐに涼介の言ってる意味に気がついて、真っ赤になると俯いてしまった。
「……気分は別に……でも、ケツはちょっと痛ーかも…」
「それは…まぁ…そうだろうな。我慢できないほど痛いか?」
涼介のその言葉に拓海はブンブンと首を振る。なんだか照れくさくなってきて、拓海は頬をますます染めて尚も深く俯こうとした。
「拓海?顔あげて?」
「ヤです。」
「どうして?俺はキスしたいんだけど…イヤか?拓海はしたくないか?」
「…したい…けど…」
ポソリと呟くようにそう言いながらもなかなか顔をあげない拓海に、涼介はクスクス笑うと促すように拓海の頬に手を添えた。
しぶしぶ…と、拓海が顔を上げる。ほんのりとイイ色に染まった拓海に涼介は何だか嬉しそうに微笑んだ。
目が合って、又俯こうとする拓海の両頬を両手で包むと、そっと唇を寄せていく。拓海も自然と瞳を閉じて、唇を涼介に重ねてきた。
そうして又、2人でゆっくりとキスを交わす。今夜はこれでもう何度目だろう?
───胸の中に巣くってた、切ない痛みは何時しか消え去り、今はなんだか甘い疼きのようなモノがドンッとそこに居座っている。
互いにそれを感じながら、キスに酔いしれる2人だった。
End.
・・・終わったぁー\(>_<)/バンザーイ、バンザーイ!
まさかウチで1番長い話になるとは…私の方こそ夢にも思わなかったよ(爆)
何はともあれ、長い間応援してくれてた皆さん、ホントにありがとうデス〜。
『頑張ったね、ちむちゃんコール』大歓迎です。ヨロシクね〜♪←厚かましいっ
次回はもちろん啓X拓!久々に表にお部屋でお会いしましょうネ!(笑)
THANKS!6699Hit 光さん、リクエストありがとうございました。
(…私、自分でリクありますか?とか訊いておきながら…リクとはかけ離れたモノが
出来上がりましたぁ(T_T)ゴメンなさーいっ!!)
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