【Sweet Sweet Pain】 P10 (涼X拓) …何となくでたらめな英文字←アホか
「涼介……さん。・・・・な、何?」
でもこの現状は何だろう。ソファに居たはずなのに、今いるこの場所はどう考えてもベッドで、上から涼介が覗き込んでいる。
拓海はぽやんとした瞳のまま、涼介に問いかけた。拓海の言葉に、涼介は笑った。
「何だ。まだ酔ってるのか?…まあ、その方が俺は都合がいいけど。」
そう言いながら、涼介は拓海の服の裾をまくり上げて指を這わせた。
「やっ!何!」
素肌に直に触れられて、拓海の体が大きく跳ね上がった。
「何って……もちろん、こーいうコトさ。」
涼介は驚く拓海の首筋に顔を埋めて、キツクそこに吸い付いた。呆気ないほど簡単にその場所には鬱血の痕が残る。
「い、嫌だっ!…何で!」
拓海はブンと両手を大きく手を振って、涼介を撥ね除けようと暴れた。
「痛っ!…なっ…」
その時、伸ばした腕にピリッとした痛みが走って、拓海は驚いてその場所を見た。
そこには赤い薔薇があった。さっきの痛みの正体はきっとこの薔薇の棘だろう。
───薔薇?え?なんでこんなトコに・・・?
気が付くと、周りにもたくさん置いてある。さっき、拓海が手にしていた、あの薔薇だ。拓海は何が何だか解らなくなって、眉を寄せた。
「涼介さん…ど…して?」
「一人で抱かれるの、嫌だろう?…なら、花と一緒に抱いてやるよ。…この花は、ずいぶんお気に入りだったみたいだしな。」
薔薇は以前、涼介が拓海に贈った花。愛の告白に1番ポピュラーな花である。
もっともあの時はバトルの挑戦状だったから、そんなつもりはなかったハズだけど。
・・・・いや、あったのかな?
フッと涼介は己の考えに笑って、また言葉もなく拓海の唇を奪ってしまった。
口づけされながら、そっと脇腹を撫でられて、拓海の肌がゾクリと粟だった。
自分以外の誰かの手が体に触れると生理的に起こる、ザワザワとした感じ。
「…っ…やっ!」
反射的に、拓海は両腕を突っ張って、涼介の体を離そうと藻掻いた。
「往生際の悪いヤツだ。・・・ダメだよ、お前の力じゃ・・・」
───俺を離せない。
熱い息を吹き込まれながら耳元でそう囁かれても、拓海は抵抗を止めようとはしなかった。尚も涼介の身体を離そうと、必死で両腕を突っ張っている。
「大人しくしてくれ・・・って、言っても無理だろうな。・・・じゃあ、縛らせてもらおうかな?」
キッと睨んできた拓海に、涼介は苦笑しながらそう言った。
「え……?」
おもむろに涼介が取り出したのは、花束を括っていた太いリボンだ。そしてあっと言う間に捕らわれた、拓海の右腕。
何をされるか?なんて、そんなの一目瞭然である。
「・・・っ!!」
拓海は言葉もなく、瞳を揺らして涼介を見つめた。
きっと、心のどこかで知っているのだ。涼介が、その瞳に弱いことを。
「ど…して……っ…?」
息を詰まらせながら、辿々しく声を出して、拓海は涼介を見た。舌が痺れて、上手く動かない。驚きで目を逸らすことも出来ずに、拓海はまるで信じられないモノを見るように涼介を見つめた。
驚いている拓海に、当然だな…と涼介は思った。
涼介は今までに1度だって、拓海に無理を強いたことはない。嫌だと言われれば手をひいて、キスと微笑みで宥めてきた。
涼介にとって、それは本当の自分ではなかったけれど、拓海が知るのはその涼介だけだったのだから。
「・・・さぁ?・・・どうしてかな?」
まるで人事のようにそう答えて、笑みを口元に湛えながら涼介は拓海の右手首にリボンをかけると、グッとその腕を伸ばさせた。
「痛いっ!───嫌だっ、涼介さん!!」
バラの刺がまた一つ、拓海の肌を傷つける。スッと細く赤い糸のような傷から、ジワリと赤い血が滲んだ。だが、それよりも何よりも、腕を捕まれるその力の強さに拓海は驚いた。抗う間もなく、片手をベッドの縁と括りつけられて、強く固定されてしまう。
驚きを隠せない拓海に、涼介は又、首筋に唇を寄せて、噛みつくように強くそこを吸い上げて痕を残した。吸血鬼にでもなったような気分で。
「あっ!…な、何すんっ…やだって!!」
拓海は残った片手で、精一杯涼介を押し除けようとした。
その腕を捕らえて、涼介は指先を口に含み、視線と拓海に送りながら軽く喰む。
「ッ…涼介さ…!」
名を呼んで、拓海が見つめたその先に合ったのは、今まで見たことないような涼介の瞳だった。
どこか、野生の肉食獣を思わせる、圧倒的な力が宿る視線。呪縛されたかのように、拓海は一瞬、呼吸することさえ出来なくなった。
───抗えない強い腕とその瞳に、涼介は本気だと拓海にも判った。
「り…ぁ、涼介さんっ!りょう…っ!!……っ…ぁ、涼…介さぁ…っ」
拓海は何度も何度も涼介に呼びかけた。
でも、どれだけ呼びかけても、涼介からの返事はない。
まるでもくもくと何かの作業でもしているかのように、涼介は言葉もなく拓海の躯を開こうとした。
「やぁ───だっ……ぅくっ………」
精一杯伸び上がって拓海は訴えた。
───熱い体、強い腕。自由にならない自分の体。
意識だけがどこかに放り出されそうになって、拓海は必死に自分の意識をつなぎ止めた。
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