【涼介の意外な作戦】 P1 (涼X拓) …何でこんなん、書いてしまったのかなぁ〜(爆)
(SCENE 1 …ホントに作戦?)
「拓海…」
掠れた声で耳元に囁かれて、拓海の躯はぶるりと震えた。
先程まで、バトル前日の興奮に熱くなっていた体は、今は別の熱さに翻弄されている。
「も…やっ……ん…っ」
明日…いや、今日…、いよいよ県外遠征のバトルである。
何度もビデオで研究して走った道路は、1度も走ったことない場所にも関わらず、まるでずっと走ってきた道のようで、こんな走り方を知らなかった拓海には驚きの連続だった。
───でも、今はそんなことを考えてる余裕など、拓海にはない。
「りょう…っ…んんっ……」
右に左にともどかしげに身動いて、拓海は自分に絡みつく腕から逃れようとする。
そんな拓海を許さないとばかりに、涼介はきつい口づけを与えてその動きを封じてしまった。
2人の交わった唾液が、拓海の口の端をツーっと伝って落ちる。
それを追うように涼介の唇も降りて行き、辿り着いた首筋から今度は上へと上っていった。
「ダメだよ拓海……逃げられないよ。」
クスッと小さく微笑って涼介は耳元で『わかってるだろう?』と甘い声で囁いた。
その声にすら、拓海は敏感に反応してしまう。
「んっ……」
小さく声を洩らして、涼介の腕の中でブルリと躯を震わせた。
その身体を、涼介は強く抱きしめる。
今だけは、腕の中にあるこの躯は自分だけのモノだと確かめるために……。
「拓海……」
拓海の顎をクイッとすくい上げて、涼介はまた軽く唇を触れ合わせた。
軽いキスには拓海も素直に応じる。そして、無意識に…受け入れるために唇を開く。
───それは最初に涼介に教えられたコト。
上手く出来るようになる為に何度も何度も……気を失うまでキスされたコトさえあったぐらいだ。
くちゅくちゅと、互いの舌が絡み合う度に漏れる音に酔ったように、意識がクラリと霞んでしまう。
「…あ、うっ…涼介さ…ん、んぅ…」
少し息苦しくなってきたトコロで、拓海は涼介の名を呼んだ。
そろそろ解放してほしくて…。
そして、腕を伸ばしていつものように涼介の首にしがみつきたくて…。
でも・・・・・
───今夜の涼介は、どこかいつもと違っていた。
「何?」
クスッと意地悪に微笑いながら、涼介はワザと拓海に尋ねた。
声をかけながら、スルリと服に裾に拓海よりも幾分大きな手を差し入れてくる。
「え?!…ちょっ……何す…んっ…、涼介さんっ!」
忍び込んできた手の冷たさに驚き、続いてその手がもたらす感覚に肌がざわざわと反応した。
ココまでしといて何だが、拓海は本気で驚いていた。
今日は…その、つまり『キス止まり』だと思っていたのだ。
だって、明日はバトルである。走るのは自分と啓介だけ。
少数精鋭で組まれたこの新チーム。特にドライバーには選択の余地は全く無い。
2人しか走れる車に乗って来ていないだから、代わりなどイナイのだ。
だから、チームのメンバーはバトル近くになると2人のコンディションに気を使ってくる。涼介は誰よりもその傾向が強いハズだったのに…。
「何を驚いてる?…俺が拓海を抱くのは……いつものことだろう?」
拓海が驚いてる訳も言いたい事を何もかも解っているくせに、涼介はわざと知らない振りをしてそう訊いた。拓海の戸惑う姿は、どれだけ見ても飽きない。
可愛いくて、愛おしくて……。こーやって意地悪するコトが楽しくて。
───ついつい、こんな真似をしてしまうのだ。
かぁーっと、拓海はまるで初めての頃のようにハッキリ『抱く』と告げた涼介の言葉に頬を染めた。
耳まで真っ赤になっているその姿に微笑んで、涼介は引き寄せられるようにまた唇をそっと寄せる。
「…んぅっ……あ、んっ……んーっ!」
話の途中で又いきなり口を塞がれて、拓海は目をつぶる暇さえ与えられない。
涼介の玲瓏な美貌があまりに間近でぼやけて見える。そうこうしている内に舌を差し入れられて拓海の背筋にゾクリと戦慄が駆け抜けてやっと目をぎゅっと瞑った。
拓海は何とか自分と涼介の間に腕を挟んで、のし掛かっている涼介の身体との間に隙間を作る。
───このままでは、流されてしまう。
もちろん、涼介に抱かれるのが嫌なワケではないけれど今はマズイ。
コンディションを整えて、明日のバトルに勝つ義務が拓海には有るのだ。
「…ぁ、り…涼介さん?…どーしたんですか?」
「何が?」
「何って…なんか・・・っあ…、今日…変…っすよ…っ」
息苦しそうに、喘ぎ声を混ぜながらも話を続ける拓海に、涼介は苦笑した。
「そうか?…そうだな。バトル前で…少し気がたかぶってるのかもな。」
自分が走るわけでもないのにそう言う涼介に少しむかついた拓海は、ムッと唇を尖らせた。
「…それが理由なら……もう触っちゃダメです!」
キッと睨み付けてくるその大きな瞳に、拗ねたような輝きを見て取って涼介は微笑んだ。
「…走りたいなら、涼介さんも走ればイイじゃないっすか。俺なんかより……ずっと速いし、まだ走れるのに…っ」
『涼介も走ればイイ』───それは啓介と拓海から何度も繰り返されたセリフだった。
何度言い合っても、拓海には諦め切れない。
涼介が拓海の走りを見ていたいと思うように、拓海だってもっと涼介の走りが見たい。
だって拓海は見たことがない。涼介とバトルしたことはあっても、誰かとバトルする彼をビデオでしか見たことがないのだ。
狡いと思った。
走りたいのに、走らないで───。
なのに、バトルの前触れのように身体の内側から生まれてくる熱だけを、自分で散らそうとするなんて・・・。
───そんなのは、絶対に狡い。
だから、拓海が出した結論は『触っちゃダメ』だった。
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