アマチュア無線用語集
一般編
AF Audio Frequency の略。一般的に耳に聞こえる周波数帯域のこと。この低周波信号を増幅する回路を低周 波増幅部と言う。 AGC Automatic Gain Control の略。自動的に利得を調整し、強力な信号が飽和しないように、また微弱な信号 を増幅する回路のこと。 AM Amplitude Modulation の略。振幅変調と言い、搬送波(キャリア波)の振幅に音声信号などで強弱をつけ、 送信するための変調方式。外来雑音の影響を受けやすいのが欠点。 CW Continuous Wave の略。モールス信号、つまり電信のことで、短音と長音の組合せによって、メッセージを 伝える方式。電波が弱くても聞き取ることができ、音声通信と比べて、長距離通信が可能となる。現在では、 アマチュア無線で使われているほか、ほとんど使われなくなった。 FM Frequency Modulation の略。周波数変調といい、搬送波(キャリア波)の周波数に音声信号などで強弱を つけ、送信する方式。雑音の影響を受けにくい。 HF帯 High Frequency Band の略。短波帯ともいう。アマチュア無線で許可されているバンドは、1.9MHz帯、3.5M Hz帯、3.8MHz帯、7MHz帯、10MHz帯、14MHz帯、18MHz帯、21MHz帯、24MHz帯、28MHz帯である。 IF段 中間周波段または中間周波回路のこと。スーパーヘテロダイン方式では、受信周波数を一旦、異なる一定 の周波数に変換して増幅するが、この一定の周波数のことを中間周波数といい、この部分の回路のことをIF 段またはIF回路という。 PAユニット Power Amplifier Unitの略。送信出力部のこと。 QRP 小出力または小出力局を指すQ符号。小出力で運用しているときに、小出力であることを示すために使う。 RF段 高周波増幅段または高周波増幅回路のこと。受信した電波をそのまま増幅する回路。 SN比(S/N) Signal to Noise Ratioの略。信号と雑音の比率をdB(デシベル)で表したもの。数値が大きいほど雑音(ノイ ズ)が少ない。 SSB Single Side Bandの略。搬送波の上側と下側にできる側波帯のいずれかで通信する方式。上側の側帯波 を使うのがUSB、下側の側帯波を使うのがLSBである。これは、AM変調の一種であるが、通常のAMより3k Hz程度と占有帯域幅が狭くなるため、通信できる帯域で同時に運用できる無線局が増えることになる。音質 は周波数帯域幅が狭いため、慣れないとチョット聞きとりにくいのが難点。 SWR Standing Wave Ratioの略。定在波比ともいう。アンテナ方向に向かう進行波電圧とアンテナから発射され ずに無線機の方に戻ってくる反射波電圧との干渉でできた波の最大と最小の比を表したもの。SWRは、1.0 が最高で、∞(無限大)が最悪。SWRの測定値が1.5以下であれば満足すべき数値である。 UHF帯 Ultra High Frequency Bandの略。極超短波帯ともいう。アマチュア無線で許可されているバンドは、430M Hz帯、1200MHz帯、2400MHz帯である。 VHF帯 Very High Frequency Bandの略。超短波帯ともいう。アマチュア無線で許可されているバンドは、50MHz帯 144MHz帯である。 アッテネーター 強力過ぎる信号を受信したとき、受信機が飽和状態なり、受信音が歪むのを防ぐため、信号を20dB(1/10) 程度減衰させる回路。 受信感度 電波を受信する能力。受信感度が高いと弱い電波まで受信でき、受信感度が低いと強い電波しか受信で きない。無線機の場合、日本アマチュア無線機器工業会で決められた測定法で表示している。受信感度は、 SSB/CW/AMでは10dB S/N、FM/WFMモードでは12dB SINADで表示する。 シンプレックス・モード 同じ周波数を使って、送受信を切り換えて通信する方式。単信方式ともいう。通常のアマチュア無線では、 このシンプレックス・モードで交信を行う。 スキャン機能 スキャン機能には、指定した周波数範囲をサーチするプログラムスキャン、バンドの端から端までくまなくサ ーチするフルスキャン、すべてのメモリーをサーチするメモリースキャン、指定したメモリーだけをサーチするメ モリースキップスキャン、5秒に1度メモリーをチェックするプライオリティスキャン、空きチャンネルをサーチする エンプティスキャン、受信電波に重畳されているトーン周波数をサーチするトーンスキャンなどがある。 ダイナミックレンジ 強い信号と弱い信号の幅(レンジ)のこと。無線機の回路が扱える信号は、ノイズレベル(雑音レベル)から 飽和レベルの範囲だが、この幅のことをダイナミックレンジという。 短縮型アンテナ 効率よく電波を発射するために、運用する波長にマッチさせたアンテナが必要。しかし、波長そのままにマ ッチさせると、アンテナが大きくなりすぎるため、1/4λ(ラムダと読む。波長のこと。)、1/2λ、3/4λな どの短くしたアンテナが使われる。これを短縮型アンテナという。アンテナを短縮するために、ローディングコイ ル(短いアンテナを電気的に長くするために使うコイル)などが使われている。 チューニング 目的とする電波に同調させること。つまり、電波を正確に捕まえて、最良の状態で聞くことが出来るようにす ること。 チューニングステップ 目的とする電波にチューニング(同調)するときの周波数が変化する幅をいう。変化幅は、0.1kHz、0.5kHz、 1kHz、2kHz、5kHz、10kHz、20kHz、25kHz、100kHzなど送受信する周波数帯によって異なる。 パワーセット機能 LOW、MID、HIGHなど送信出力を設定する機能。最近では、10W・5W・2.5W・1Wなどと数値表記する機種も あり、精度の高い出力設定が可能。たとえば、出力を5Wに設定すると、パワーメーターのスケールレンジが5 W出力でフルスケールになるように切り換わり、あたかも5W機として運用することができる。 フィールド運用 家に設置された自分の無線機で交信するのではなく、野外に無線機を持ち出し、運用すること。仲間とグル ープで出かけることが多く、キャンプやバーベキューなど、アマチュア無線以外の楽しみも味わえる。 復調 受信した電波から音声信号を取り出して、音声に復元すること。受信機では検波回路で、この電気的操作を 行う。 プログラムスキャン あらかじめ指定した上限と下限の周波数範囲を自動的にサーチして、信号が出ているところを探し出す機能。 ブロッキング 強力な近接信号を受信したとき、受信機のサイドバンドノイズが上昇し、弱い信号がその雑音によって聞こえ なくなる現象のことを言う。 変調 音声などを電波に乗せるため、送信機で行う電気的操作。音声を電気信号に変換し、それによって搬送波(キ ャリア波)に変化を生じさせ、受信機は、この変化を読み取って音声に戻され情報が伝達される。 待ち受け 電波を送信することなく、受信状態を続けている状態をいう。 隣接信号 互いに干渉したり、妨害したりする隣り合った2つの信号のこと。 ワッチ 電波の使用状況を把握するために受信したり、他人の交信を受信することをいう。自分からは電波を送信する ことなく、だまって聞いている状態。 BPF Band Pass Filter の略。設定された一定の周波数帯域だけの信号を通過させるフィルター。 HPF High Pass Filter の略。設定された周波数より低い周波数帯域の信号は遮断し、高い周波数帯域だけの信 号を通過させるフィルター。 LPF Low Pass Filter の略。設定された周波数より高い周波数帯域の信号は遮断し、低い周波数帯域だけの信 号を通過させるフィルター。 周波数安定度 送信機で設定した周波数が時間が経過するとともに、ズレて行く度合をいう。VFOや局発(局部発振)回路の 安定度によって決まる。周波数安定度は、ppm(百万分の1)単位で表示される。 周波数確度 送信機で設定した周波数と本当の周波数のズレの度合をいう。 終段 電力を増幅する最終の回路。送信機の電力増幅部を構成するパワーモジュール、FET、トランジスター、真 空管などの素子を指す。 ナローFM 占有周波数帯域幅の狭いFMの電波のこと。アマチュア無線のVHF帯、UHF帯で使用するFMモードは、この ナローFMである。これに対し、無線機や通信型受信機で、一般的なFM放送を受信するときには、WFM(ワイド FM)モードを使用する。 ラグチュー 気の合う仲間との「おしゃべり」のこと。多くのアマチュア無線家が交信しているのはこの「ラグチュー」。もとも と英語の「Chew the rag」が語源だが、日本ではひっくりがえされて、「ラグチュー」というようになった。 |