アマチュア無線用語集

無線機器編


AC

   Alternative Current の略で、交流のこと。電圧に関係なく、交流のことをACという。商用電源には交流
  が使われており、日本の場合は、AC100Vが商用電源として使われている。
AD変換
   アナログ信号をデジタル信号に変換すること。変換する回路や装置をADコンバーター、AD変換器という。
AF
   Audio Frequency の略。耳で聞こえる周波数帯域(可聴周波数帯域)のこと。電波などの高周波に対して
  、音声領域のことを低周波ともいい、受信機などでは、この信号を増幅する回路を低周波増幅回路という。
AGC
   Automatic Gain Control の略。RF(高周波増幅)回路は、極めて微少な信号を増幅するものだが、アンテ
  ナから入ってくる信号の強さに合わせて、RF回路の増幅度を制御すれば、強力な信号が入ってきたときに
  も、安定して増幅することができる。この増幅度の調整を自動的に行うのがAGC回路である。
ALC
   Automatic Level Control の略。SSBやAMモードのときには、大きな音声入力があると、大きなパワーが
  出ることになるが、あまり大きなパワーを出すと振幅が大きくなり過ぎ、終段で信号が歪み、スプラッターな
  どの妨害波を撒き散らし、他局に妨害を与えることになる。これを防ぐため、最終段が歪む前に、自動的にレ
  ベルを下げる働きをするのが、ALC回路である。
ANT
   アンテナの略号。アンテナの項を参照。
ATT
   アッテネーターの略号。アッテネーターの項を参照。
CTCSS
   Continuous Tone Coded Squelch System の略。音声通信に支障のない連続したトーン信号を送信電
  波に付加して、希望する相手方と交信するときに使われるシステム。国際的な規格に基づいてトーン周波
  数は67Hz~250.3Hzの38~39波が割り当てられている。日本では、レピーターの起動信号として、88.5Hz
  が使われている。
GPアンテナ
   グランド・プレーンの頭文字を取って、GPアンテナという。グランド・プレーン・アンテナの項を参照のこと。
IC
   Integrated Circuit の略。集積回路のことで、1つのパッケージの中に色々な回路を納めた半導体素子
  である。
IFT
   中間周波トランスのこと。中間周波数は一定なので、スカート特性の急峻なトランスを使用すると高選択
  度が得られる。
IFシフト
   IF(中間周波)信号を微調整して、見かけ上のIFT(中間周波トランス)の通過帯域幅を変化させて混信
  を軽減または除去する回路。
LED
   Light Emitting Diode の略。発光ダイオードのこと。電気を光に変換する効率が約90%と、省力・省エネ
  照明に適している。発光ダイオードにはガリウム・ヒ素(GaAs)などの化合物半導体が用いられる。
LNB
   Low Noise Block Downconverter の略。低雑音ダウンコンバータのこと。受信アンテナ、局部発振回路
  とミキサー回路を1つのパッケージに納めたもので、パラボラアンテナなどと一体化されているのが一般的。
  ミリ波帯、準ミリ波帯と呼ばれるSHF(Special High Frequency)帯の電波は極めて減衰し易いため、低い周
  波数に変換して、受信回路に送るのである。
LSI
   Large Scale Integration の略。大規模集積回路のこと。
OSC
   Oscillator の略。発振器、発振回路のことである。
SG
   Signal Generator の略。信号発生器の総称。高周波信号を発生させるSGというときには、出力レベルは
  正確ではないのが一般的。
SSG
   Standard Signal Generator の略。標準信号発生器のこと。受信感度の測定などに使用する出力信号の
  正確な高周波信号を発生する装置。
SWR
   Standing Wave Ratio の略。「定在波比」という。送信機からアンテナに向かう進行波電圧とアンテナから
  戻ってくる反射波電圧の干渉でできた波の最大と最小の比を表したもの。SWRの最良は1.0、最悪は∞(無
  限大)であるが、実測値が1.5程度であれば満足すべき数値である。
Sメーター
   「S」は、Signal の略で、シグナル・メーターのこと。信号強度を表示するメーターで、目盛は1~9までと、
  それ以上は+10dB、+20dBのように表示されている。シグナルレポートを送るときの目安となる。
XYスコープ
   一般的なオシロスコープでは、X軸(横軸)は時間経過を表し、Y軸(縦軸)には信号を入力するが、XYスコー
  プは、X軸とY軸の両方に信号が入力できる位相の測定に使うオシロスコープである。X軸とY軸の位相が一
  致すれば、斜め45度の直線が表示され、位相がずれると楕円になって行き、45度ずれると斜めの楕円にな
  り、90度ずれると円になる。
アイアンピック
   エレクトロニック・キーヤーに接続するマニュピュレータで、短点側と長点側の接点を別々にコントロールで
  きる構造のマニュピュレータ。
アイソレーション
   電気的に回路を分離することで、分離している度合いをアイソレーション・レベルという。単位はdBで表す。
アクティブ・フィルタ
   半導体やICなどアクティブ(能動的)な増幅素子を使って構成するフィルタ回路のこと。小型で急峻なフィル
  タ特性が得られるが、大信号には使えない。これに対し、コイルや抵抗、コンデンサーなどパッシブ(受動的
  )な素子だけで構成されるフィルタをパッシブ・フィルタという。
アッテネーター
   抵抗やコイルなどで構成された信号を減衰させる回路。大入力を適正な入力レベルに調整するための働
  きをする。電波の強い強電界域でアンテナ入力が飽和して、受信障害が発生したり、正常に復調出来なくな
  ることを防ぐのがアンテナ・アッテネーター。
アップバータ
   送信機の周波数を上げるための装置。たとえば、144MHz帯から430MHz帯に、430MHz帯から1200MHz帯
  に上げる装置がある。これに対し、周波数を下げる装置をダウンバーターという。
安定化電源
   AC100Vの電源から無線機で使われるDC12VのDC電源を作り出す装置。出力される電源電圧を変化させ
  られる電圧可変型と一定の電圧しか出力されない電圧固定型がある。安定化電源を購入するときには、そ
  の容量を確認することが必要。送信出力20Wの無線機を動作させるには、最低5Aの容量が必要だが、無線
  機の性能を十分発揮させるため、余裕を持って10Aのものを選ぶのがよい。
アンテナ
   電波の出入口で、空中線ともいう。送信機からの電波はアンテナを通じて空中に放射され、逆に空中の電
  波はアンテナを通じて受信機に入る。従って、効率よく送受信できるようにアンテナを調整することが必要で
  、交信範囲も大幅に異なることになる。
アンテナ・チューナー
   送信機からの出力をアンテナに効率よく伝える装置。送信機の出力インピーダンスは50Ωに決められてい
  るが、ケーブルとアンテナがマッチしていないと、効率よく電波が送信できない。市販されているアンテナは
  、この特性にマッチするように設計されているが、自作アンテナなどではミスマッチが発生し、ロスが発生す
  る。このミスマッチを解消するのがアンテナ・チューナーである。
インダクタンス
   コイルの性能を表す指数の1つ。コイルに変化する電流を流すと、その電流変化を妨げる方向に電流を流
  す電圧が発生する。この発生する電圧の度合いをインダクタンスという。単位はH(ヘンリー)である。
インピーダンス
   交流抵抗のこと。回路に交流電流を流すとき、その抵抗分は直流のときのように、抵抗値だけでは決まら
  ない。流す電流の周波数、回路の抵抗分、コイルやコンデンサーが抵抗として働く要素などが絡み合って、
  抵抗分となる。このため、直流回路の抵抗と区別するために、交流回路の抵抗をインピーダンスと呼ぶ。
エキサイター
   送信機のこと。パワー・ブースターやリニア・アンプなどを使っているとき、これらにパワーを送る装置をエキ
  サイターという。
エンコーダー
   ある決まりに従って、信号を記号化する回路のこと。エンコーダーには、レピータを起動させるトーン信号を
  作り出すトーン・エンコーダー回路、ピポパという信号を作り出すDTMFエンコーダーなどがあるが、ダイヤル
  の回転数をパルス信号に変換するロータリー・エンコーダーもある。
エンド・ローディング
   ローディング・コイルをアンテナ・ケーブルの根元に入れること。ベース・ローディングともいう。ケーブルの
  先端に入れるとトップ・ローディング、中央に入れるとセンター・ローディングという。
円偏波
   指向性アンテナを地面と水平に設置すると「水平偏波」となり、垂直に設置すると「垂直偏波」となるが、
  大きさの同じ水平偏波と垂直偏波を位相差を持って合成すると「円偏波」となる。円偏波は、衛星通信など
  で使われるが、このとき用いられるのは、クロス八木アンテナやヘリカル・アンテナである。
オーディオ
   耳で聞こえる周波数帯域および信号をいう。この周波数帯をAudio Frequency (AF) といい、この周波数帯
  、つまり音声信号を増幅する回路をオーディオアンプという。
オシロスコープ
   電圧や電流の時間的変化を見るための測定器。直流から高周波まで測定できるので、自作派のハムで
  あれば、1台持っていれば無線機の調整などがやりやすくなる。
カウンター・ポイズ
   接地型アンテナで、良好なアースが取れないときに、アースの代用として張るワイヤー(線)のことをいう。
  車載用アンテナのラジアルを指すこともある。
寄生振動
   大出力のピーク時など特殊な条件下で、発振器や増幅回路で目的としない周波数の発振現象が起こる
  ことをいう。
逆Vアンテナ
   T字型のダイポール・アンテナの給電部(同軸ケーブルが接続される部分)を高く持ち上げた、アンテナポ
  ールが1本で済むアンテナのこと。V字が逆を向いた形となるため、逆Vアンテナと呼ばれる。
キャビティ
   キャビティ共振器の略称で、マイクロ波帯で使われる重要な部品。円筒形などの中央部分が中空構造
  になっており、形状や長さ、大きさなどで共振周波数が決まり、この周波数帯しか通さない。
給電点
   電波をアンテナに供給する部分。よく使われるアンテナには、GP(グランド・プレーン)アンテナ、八木アン
  テナなどがあるが、アンテナの給電点は、同軸ケーブルとアンテナを接続するコネクター部分である。
キュビカル・クワッド・アンテナ
   四角形の立方体アンテナ。2つのエレメントの正方形ループ・アンテナの形状が四角形の立方体に見え
  たので、こう呼ばれるようになった。
筐体(きょうたい)
   機器の外側を覆うケースのこと。
局発
   スーパー・ヘテロダイン方式の受信機に搭載されている局部発振回路の略称。
空中線
   空中に電波を発射し、受け取るためのワイヤー(線)、つまりアンテナのこと。V/UHF帯で使われる八木
  アンテナなどは、アルミパイプを組み合わせたもので、空中線というような形状ではないが、元々、アマ
  チュア無線では、HF帯の交信が主流であり、その時使われるアンテナは、ワイヤーを張ったダイポール・
  アンテナだったので、空中線と呼ばれるようになった。
空中線電力
   送信機からアンテナに供給される高周波電力。通常は、送信機から出力される電力をいう。
空電
   雷の放電により発生する雑音電波や雲と大地の間で発生する電気を帯びた粒子の放電によって発生
  する雑音電波のこと。「ジー」とか「ザー」というような雑音が混じって、受信の障害になる。
クランクアップ・タワー
   元々、手動でクランクで巻き上げるウインチを使って高さを上げ下げするタワーのことだが、最近では、
  モータを使ってアンテナの高さを調整する電動式のものがほとんど。
グランド・プレーン・アンテナ
   1/4λ(ラムダと読む。波長のこと)、5/8λなど波長にマッチさせた垂直型のアンテナとアースの役目
  をするラジアルを組み合わせたアンテナのこと。頭文字を取って「GPアンテナ」という。
クリコン
   クリスタル・コンバーターの略。アンテナとトランシーバーの間に接続し、トランシーバーでは受信する
  ことができない他のアマチュアバンドを受信できるようにする周波数変換装置のこと。
クロス八木アンテナ
   2本の八木アンテナを90度ずらして1本のブームに取り付けたアンテナ。このアンテナは、垂直偏波、
  水平偏波、円偏波にも対応する。衛星通信を行うときには、水平ローテータの他に仰角ローテータも必
  要になる。
コイル
   導線を螺旋状に巻いた部品。コイルの中心にコアと呼ばれるインダクタンスが調整できる磁性体を挿
  入したものとコアのない空芯コイルがある。コイルはインダクターとも呼ばれ、略号はL(エル)である。
高調波
   交流信号は、基本周波数の他に整数倍の成分を含んでいるが、これを高調波という。無線機では、
  基本波以外の成分が出ると目的としない妨害波になるので、これを抑えるためにフィルター回路を入れ
  る。高周波では、奇数倍の高調波が出やすく、3倍、7倍の高調波には注意が必要。
交流
   家庭のコンセントのようにどちらがプラスでどちらがマイナスか決まっていない、一瞬一瞬で電圧の値
  が変わりプラスになったりマイナスになったりする電気のことをいう。
交流音
   「ハム音」ともいう。日本では、AC100Vの電源周波数は、50Hzか60Hzであるが、これが何らかの原
  因で受信機のスピーカーから出ると「ブーン」という雑音になる。これを「交流音」、「ハム音」という。
コード・スケルチ
   DTMF信号の有無で、信号を受信したり、しなかったりする機能。トーン・スケルチと似ているが、一度
  スケルチが開くと設定している局以外でも受信するのが大きな違い。この機能を使うと同報呼出、個別
  呼出、不在受信履歴など多彩な使い方ができる。
コネクター
   同軸ケーブルとアンテナ、トランシーバを接続するときに使う部品。M型、N型、BNC型が一般的であり
  、超小型ハンディ機ではSMA型が使われることもある。
コモンモード・ノイズ
   プラス、マイナスの一対の電線間ではなく、これらの線と大地(アース)間に発生した電位差によって
  発生する雑音のこと。
コモンモード・フィルタ
   コモンモード・ノイズを除去するためのフィルタ。一対の電線をコアに巻き付けるとフィルタになる。
コンデンサー
   電池ではないが、電荷を蓄積できる部品。2枚の電極間に電圧を加えると、その間に電荷が蓄積され
  る。蓄積される電荷の量は、電極の表面積と電極の間隔で決まるが、これを利用したのがコンデンサ
  ーである。また、コンデンサーは、交流だけ通過させ、直流は遮断する特性も持っている。
サイド・トーン
  電信の送信機で、自局が送信する信号をモニターするための低周波信号のことをいう。
三端子レギュレーター
   電圧を安定させる定電圧電源回路を入力、グランド(アース)、出力の3つの端子だけで使えるようにした
  IC(素子)のこと。
シールド
   電気的、磁気的に回路を分離するために金属で覆うこと。
シャント抵抗
   日本語では分流器。電流を測定する場合、最大電流に見合った電流計が必要だが、これでは、最大
  電流より小さい電流しか測定できない。電流計と並列に測定したい電流に見合った抵抗を入れてやれ
  ば、必要なレンジの電流が測定できるようになる。このときの抵抗をシャント抵抗という。
ジャンパー
   「ジャンプするもの」というところから、離れた回路を線でつなぐことをいう。この「線」のことをジャンパー
  線と呼ぶ。
終段
   電力増幅回路の中で、最も最後に電力を増幅する部分のこと。送信機の電力増幅部のパワーモジュ
  ール、トランジスタ、真空管などを指す。
周波数
   電波や交流の振動数のこと。1秒間に60回振動する交流は60Hzである。1Hzの1,000倍が1kHz、1kHz
  の1,000倍が1MHz、1MHzの1,000倍が1GHzである。
周波数安定性
   送信機の設定した周波数が時間経過とともにズレて行く度合いを示すもの。VFOや局部発振回路の
  安定性によって左右される。最近のトランシーバでは、周波数安定性は高く、ppm(100万分の1単位)で
  表示されるほど。
周波数カウンター
   周波数を計測するための測定器。測定レンジと精度によって、色々なタイプがあり、価格も異なる。無
  線機の調整や自作には欠かせない測定器である。
周波数確度
   送信機で設定した周波数と絶対的な周波数のズレの度合いを示すもの。トランシーバの周波数確度
  は、0.5ppm~100ppm程度の範囲である。
周波数偏移
   FM変調などでは周波数を変化させることで、音声信号などの情報を送信するが、この変化の幅をいう。
ショート・バー
   アンテナのインピーダンスをマッチングさせるために、エレメントの給電部に入れる短いエレメントのこと。
伸縮ポール
   移動運用などで、アンテナを高く上げるときに使用するアルミ製のポール。長いものでは伸ばすと10m
  程度のものもあり、ポールの下を抑えるのに、車のタイヤで踏んで使うタイヤ・ベース(基台)が必要にな
  る。
シンセサイザー
   複数の発振回路の出力を合成して、目的の周波数を得る技術。
水晶発振子
   水晶を薄い板状にして、その両面に電極を取り付けた構造の部品。極めて安定した精度の高い発振
  回路が構成できる。水晶振動子ともいう。
スイッチング電源
   AC電源の周波数(50Hz・60Hz)を高い周波数に変換し、電圧を安定化し、整流する方式の電源。効率が
  高く、小型化できるが、雑音を発生しやすいので注意が必要。
スーパーへテロダイン方式
   目的とする高周波信号(RF信号)を一定の周波数(IF信号)に変換し、選択度を高める受信機の方式。現
  在の受信機はほとんどこの方式が使われている。
スケルチ
   無線機には「SQL」と表示。信号を受信していない状態で聞こえるノイズ(雑音)が消える位置にセットし
  て、静かにワッチ(待ち受け受信)ができるようにする。右方向に回しすぎるとスケルチレベルが深くなり、
  弱い信号が受信できなくなる。
ストローク
   間隔のこと。電鍵のキーアップ、キーダウンの動きの量をキーストロークという。
スペアナ
   スペクトラム・アナライザーの略称。一定の周波数範囲内に、どのような周波数の、どのような強さの電
  波があるかを目で確認できる測定器。高級なトランシーバーには、同様の機能が搭載されている機種も
  ある。
スルーホール
   両面プリント基板の部品取付用穴にも銅箔加工が施され、表面と裏面が銅箔でつながった穴のこと。
スローパー
   1/4波長の接地型アンテナをアンテナタワーの上部から引き下ろし、接地側をタワーに接続したアンテ
  ナのこと。給電点はタワー上部にある。波長の長い、つまり周波数の低いHF帯バンドで使用されるアン
  テナ。
整流
   交流を直流に変換すること。
接地
   アース、グランドのこと。地面に銅の棒や鉄板を埋めて、固定局用のアースとして効率を高めたりする。
  また、接地型のアンテナは、アースを取らないと本来の性能が発揮できない。
接地型アンテナ
   アンテナのアース側を接地(アースに落とす)して使うアンテナ。垂直型アンテナ、ロングワイヤー・アン
  テナがある。

   信号の電気的な変化量を大きくすること。小信号を大信号に変化させること。
ターンバックル
   アンテナを建てるとき、支柱が倒れないようにステーワイヤー(支持線)を張るが、このときステーワイヤ
  ーをピンと張るために使用する部品。ターンバックルの両端にワイヤーを結んで、本体をグルグル回すと、
  張り具合を調整することができる。
ダイポール・アンテナ
   1/4λ(ラムダと読む。波長のこと)のエレメント(アンテナ素子)を向かい合わせて設置したアンテナ。タブ
  レット型アンテナとも呼ばれている。
縦振れ電けん(鍵)
   電鍵は英語で、key という。モールス符号を発生させるための装置。縦振れ電鍵は、台座の上にテコの
  ようなアームが付いており、アームの両端の上下に接点とツマミが付いており、アームを上下に動かして
  操作する。アームが縦方向に動くので縦振れ電鍵という。
チップ部品
   リード線のない粒のような部品のこと。自動ハンダ付け機が誕生したことによって、製造工程でハンダご
  てを使う必要がなくなり、部品の小型化が進み、チップ部品が誕生した。
チャージャー
   英語で、charger。バッテリー充電器のこと。ニカドやニッケル水素などのバッテリーによって、充電器も
  異なる。使用されている素材の特性にあった充電パターンで設計された充電器で充電しないと、バッテリ
  ーの寿命を縮めることになる。急速充電は短時間で充電が終了するが、バッテリーに負担がかかる。時
  間がかかるが、通常充電の方が安全である。
定格電圧
   無線機器の正常な動作を保証する電圧値。カタログや取扱説明書に、100V±10%、100V±15%など
  と表示されている。100V±10%であれば、90V~110Vの範囲が定格電圧ということになる。
デコデコ
  DC-DCコンバーターの俗称。
デジタル変調
   音声などのアナログ信号をデジタル信号に変換して、通信する変調方式。携帯電話やPHS、警察無線
  などで使われているが、最近、アマチュア無線でも使われるようになった。ノイズに強く、混信にも強く、
  同一周波数複数の通信を同時に行うことができるなど、電波の有効活用が可能。
デシベル
   「 dB 」と書く。倍率を対数表記したもの。倍率を対数で表せば、掛け算が足し算になり、割り算が引き
  算になる。加えて、対数圧縮ができるのが特長。たとえば,電圧利得で10倍は20dB、1,000,000倍は120
  dBとなり、2つの間には大きな数値の違いがあるのだが、デシベルで表現すれば、100しか違わず、判り
  やすくなる。
テスター
   直流電圧、直流電流、交流電圧、抵抗値などを簡単に測定できる計測器。メーターの付いたアナログ・
  テスター、数値を液晶パネルなどで表示するデジタル・テスターがある。
デバイス
   トランジスター、FET、IC、LSI など、無線機を構成する主要な素子のこと。
デュプレクサー
   英語で、duplexer 。2周波混合器という。周波数の異なる2つの高周波を混合または分波する装置。
  1本のアンテナで2バンドの無線機を同時に使うことなどが簡単にできる。
電界強度
   ある地点における電波(電界)の強さ。通常は電界強度計で測定され、単位は、「V/m」。1μV/mを
  0dB(基準) として、10μV/m=20dB、100μV/m=40dBと表す。
電けん(鍵)
   CWモードで通信を行うときに使用する装置。人差し指で叩く縦振れ式、親指と人差し指でつまんで
  使うマニュピュレーター、電子回路が組み込まれたエレクトリック・キーヤーなどがある。
解コンデンサー
   英語で、chemical condenser 。2つの電極間に電解液をしみ込ませた誘電体を使用したコンデンサ。
  大容量のものが作れ、主に電源の平滑回路に使用される。極性があり、端子にかける電圧も決まって
  いる。極性を間違えると、破裂したり、電解液が漏れ出したりすることがある。
同軸ケーブル
   英語で、coaxial cable。アンテナと無線機を接続する重要な電波の通り道。ケーブルのインピーダン
  スは、テレビ用が75Ω(オーム)、アマチュア無線用が50Ω(オーム)となっており、できるだけロスの少
  ないケーブルを使用することが重要である。
トーン・スケルチ
   英語で、tone squelch。受信信号に一定の低周波信号(国際的に決められた38種類のトーン信号)が
  重畳されているときだけ、受信音が聞こえるようにした機能。レピーターにアクセスするときには、88.5Hz
  のトーン信号を送信することが必要。
トラップ
   英語で、trap 。罠のこと。特定の周波数の妨害波などを除去するための共振回路。送信機の出力段
  や受信機の入力段に挿入し、妨害波を除去する。
トランジスター
   英語で、transistor 。ゲルマニウムやシリコンなどの半導体を使った発振、増幅用のデバイス。基本
  構造は、P型とN型の半導体をPNP、NPNといったサンドイッチ状にして作る。ベース(B)、コレクター(C)、
  エミッター(E)の3つの極をもつ半導体である。
トランスバーター
   無線機の運用周波数を他のバンドに切り替える装置。
トリプレクサー
   英語で、triplexer。3周波分配器のこと。回り込み対策、信号の減衰やSWRの悪化がないようになっ
  ている。
トリマー
   半固定タイプの調整用ボリューム、可変コンデンサー、可変コイルをいう。
内部抵抗
   部品やケーブルなどには、必ず抵抗成分がある。この部品やケーブル自体が持っている抵抗成分を
  内部抵抗という。
ナロー・フィルター
   英語で、narrow filter。CWモードの電波を受信するとき、近接周波数の妨害を防ぐために使用する狭
  帯域フィルター。
ノイズ・フィルター
   ノイズを除去するためのフィルター。AC電源から入り込んでくるノイズを除去するため、電源回路に入
  れることが多いが、効果的に除去することは難しい。
ノイズ・ブランカー
   受信の妨げになるパルス性の外来雑音を除去する回路。車のイグニッション・ノイズ、リレーの切り
  替えノイズなどがあり、電源ラインやアンテナから混入することが多い。ノイズ・ブランカーは、AM、SSB
  モード時に効果がある。
ノーマルモード・ノイズ
   電子機器の信号ラインや電源ラインを通って混入してくる雑音。信号や電源と同じ経路を通ってくるた
  め、ノーマルモード・ノイズと言われている。
BFO
   Beat Frequency Oscillator の略。音声信号で変調されていない電信を受信するとき、受信している
  周波数とわずかにズレた周波数(SSBの場合、±1.5KHz程度)を加えることにより、うなり(ビート)が発
  生する。このうなりを利用して、電信に「ピー」という音を付けたり、SSB信号の音声を復調したりする。
BNC型コネクター
   BNC type connector 。ハンディ機、測定器などに使用されるバヨネット式の小型コネクター。コネク
  ターをもう一方のコネクターに差し込み、90度ひねると固定する同軸ケーブル用コネクター。特性インピ
  ーダンスは、75Ωまたは50Ωに規格化されている。
PBT
   Pass Band Tuning の略。スーパヘテロダイン受信機の中間周波数の通過帯域幅を2つのフィルター
  の重ね合わせを変えて、妨害波を除去するものである。
PLL発振回路
   Phase Locked Loop Oscillator の略。電圧で制御される発振回路の安定度を基準発振器並に合わ
  せる方式。発振周波数を基準信号と比較し、発振周波数を自動的に修正するため、広範囲にわたり
  安定した周波数が得られる。
PTT
   Push To Talk の略。マイクに付いているスイッチで、押すとマイク回路がオンになり、送信状態にな
  る。スイッチを離すとマイク回路がオフになり、受信状態に戻る。
VCO
   Voltage Controlled Oscillator の略称。外部から与えられる電圧で発振周波数が変化する発振回
  路。PLL(Phase Locked Loop)シンセサイザー内部の発振回路として使用され、モジュール化したもの
  もある。
バグキー
   英語で、bug key。機械的な横振れの半自動式電鍵。短点側がバネになっており、親指で押すと押
  している間、連続した短点信号(トトトト・・・)が発生し、長点側は人指し指で押している間、連続した信
  号(ツー)が発生する。連続信号を常用する船舶通信でよく使われていた。
発振器
   英語で、oscillator 。高周波を得るために、周波数を発振する回路のこと。
バリキャップ
   variable capacitance diode の略。加える電圧によって、容量が可変するダイオードのこと。
バリコン
   variable condenser の略。回転軸を操作することにより、容量を変化させることのできるコンデンサ。
  半円状のアルミ板を1mm以下の間隔で数枚重ねて、この間に同様のアルミ板を挿入して可動電極と
  したものが一般的。
パワー・モジュール
   英語で、power module。送信出力段の電力を取り扱う半導体と回路部品をまとめてモジュール化し
  たもの。
ハンダ付け
   スズと鉛の合金を溶かしたハンダで部品と基板を溶着すること。無線機などを自作するときには、
  不可欠な作業。ハンダの語源は、スズと鉛の割合がほぼ半分であるところから来ている。
ヒートシンク
   発熱を効率的に冷却するためのヒダの付いたアルミ製の部品。送信機の出力段のパワーモジュー
  ルやパワートランジスターなどの素子は、極めて高温になり、熱を逃がしてやらないと、素子は壊れ
  てしまうので、ヒートシンクによって自然冷却されている。ハイパワー機では、電動ファンによって、
  強制空冷されている。



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