チェッカーズの事

2004年8月17日、クロベエが天に召されてしまった。
いわゆるチェッカーズ世代なので、寂しいと思った。
小学校の時、友人が、カセットを持って、ウチに来た。
初めてチェッカーズという人達の歌を聞いた。
なんだか、いいとも悪いとも思わなかった。
「どんびどんびどんびどんび・・・」という、意味不明のフレーズだけ耳に残った。
(これが、lonely lonely lonely lonelyと歌ってたことは、物凄く年月が経ってから知った。)
年月が経ち、ミーハーになった私。当時の人気者、光ゲンジとか、ナンノちゃんとかにハマって
いったが、普通の女の子だったので、チェッカーズも、普通に口ずさむようになっていた。
なぜか、「Room」という、昔の歌謡曲みたいな異常に渋い歌が気に入っていて、
学校で一人で歌い、周りの人に笑われたりしていた。
私は絵が好きだ。当時、兄が、ある音楽雑誌を定期的に購入していて、私も読ませてもらって
いた。
その中に、投稿欄があり、似顔絵コーナーがあった。
あのでかい耳、細い目、個性的なリーゼント。
クロベエをモデルに、ハガキに似顔絵を描いた。
私の様な子供でも、似顔絵が描けるような、ホントに、イイ感じの顔をしている。
仕上がりを見て、我ながらうまく描けたと思い、笑ってしまった。
ポストに入れた。
なんと、採用されて、雑誌に載ってしまった。
喜んだのはいうまでもない。父に、クロベエの写真と共に、雑誌を見せた。
「お〜〜〜〜。似てるな。」
「私って、もしかして、イケるんちゃうか!?」
似顔絵を描いたのは、生まれて初めてだった。それが本に載ってしまった。浮かれてしまった。
しかし・・・自分で考えて付けたペンネームが、あまりにもマヌケで、友人には言えなかった。
「磯野平波」
なんでこんなペンネームで送ってしまったのか、今、後悔している。
多分、採用されると思わなかったからだろうけど・・・。
それから、15年の月日が経ち、クロベエが亡くなった。
真っ先に、似顔絵の事を思い出した。
私は、今も、仕事で似顔絵を描く事があるのだが、原点は、クロベエだ。
お礼を言いたい。どうしても言いたくなった。どうすれば言えるのか?
インターネットで、彼の仲間達が、ファンの為に、「送る会」とやらをするという。
行くしかない。
当日は、なんと夜勤明け。しかも、夕方からミーティング。最悪だ。
普通の人間だったら、行かないだろう。
しかし、義理がたい性分の私は、新木場まで行ってしまった。
まったく寝てない。なんにも食べてない。そんな状態で、炎天下に約4時間待った。
「クロベエさん。ありがとう。」
ピンク色の可愛い花を、彼の遺影の前に置いて来た。
他のメンバーには悪いが、誰よりもかっこいいクロベエ。
もちろん、夕方のミーティングは、半分以上寝ていた(笑)。
このことがあってから、気分が15年前に戻ってしまい、改めてチェッカーズが聞きたくなり、CD
を買って聞いている。
今更思うが、自分で気が付かなかっただけで、私は15年前から、クロベエが好きだったかもし
れない(笑)。
何となく思う事
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