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年金説明会 “他人事”弁明に終始、新執行部総退陣求める声も

 【福岡】「140円やないよ。140億円よ。もしこれが、うやむやになったら、…」--。酒販年金の掛け金返還をめぐっては、全国小売酒販組合中央会(藤田利久会長)が8月4日開催の臨時総会で、掛け金相当額の85%分割返還の中止を決議し、全国11ブロックで加入者に対する説明会が行われる予定だが、8月22日、福岡市の大博多ビルで開かれた説明会では、加入者の怒りが爆発。新執行部の総退陣を求める声も上がった。

 年金事業の危機的状況など、これまで十分な情報開示がないまま、一方的に返還の約束まで反故(ほご)にされた加入者の憤りに対し、説明にあたった藤田会長以下新執行部は、前執行部で起きた“事件”とのスタンスに立ち、ずさんな投資、管理の不備を認めながらも、謝罪や新たな提案もないことから、質疑応答はすれ違い、一層不信感を募らせることになった。

 説明会は同月18日東京ブロックに続く、2回目の開催。今回の説明会は北部九州3県の加入者(加入件数=福岡409、佐賀133、長崎153、3県計695件)を対象とするもので、約70人が出席。中央会からは、藤田会長、四十万・石川・春本副会長、事務局島田・平野部長が臨席し説明にあたった。

 同会は前段30分程度で藤田会長、四十万副会長が経緯説明などを行い、約2時間30分にわたる質疑応答に入った。

 冒頭、そじょうに上ったのが、新執行部人事に対する批判だった。年金委員会委員だった藤田会長が、自らを告訴するようなことが可能なのか、現執行部に徹底的な責任追及をする資質があるのかという質疑に対し、藤田会長は「(委員ではあっても)投資には関わっていない。(各委員がどういう役割を担っていたのかを)仕分けして判断いただきたい」として、自らに責任はないと弁明した。当日は口頭説明だけで、何ら資料が用意されなかったことから、「時間をつぶして、逃げるだけのこと」と冷ややかな見方も示された。

 別の出席者は、異論者を排除してきた中央会執行部の体質にこそ問題の根幹があると指摘した。

 巨額の投資が理事会にもかけられず、信用調査もなく行われたことへの批判に対しては、四十万副会長が「全くずさんだった」と認めた。同氏は訴訟に関して、1億4000万円の使途不明金事案を皮切りに、7件を準備していると言明。藤田会長は、説明会当日には、警察当局が情報資料などの精査のために中央会に入ったこと、相原顧問弁護士から今月中にも訴訟に踏み切るとの話が出ていることも示し、責任追及が進展していることを訴えた。

 掛け金の返還に対する藤田会長の答弁は、「回収に努めるが、いつ、いくら返ってくるのかは、全く不透明なので、約束した8月23日の第2回の返還が不能であることをご説明し、ご理解をいただき、物事の輪郭がはっきりと分かり次第、責任追及なども含め、お伝えすることになろうかと思う」との発言に終始。出席者からは「いつまで我慢すればいいのか」との声が上がり、「今年12月いっぱいをめどに物事を進めていく」と答えた。

 答弁に納得できない出席者からは、「人心一新が当たり前だろう。中央会を今後存続させて、あなたたちの指導によって、どれぐらいの酒類小売店が生き残るのか。トカゲの尻尾切りじゃなくて、中央会を清算しなさいよ。(年金事業は)平成14年には破たんしているじゃないか。それから状況はどんどん悪くなるばかりで、良い方向には行っていない。(掛け金は)必死で貯めた金ですよ。あなたたちには真剣みが全然ない」と厳しく糾弾する一幕も。
 藤田会長は、「何と言われても、われわれは今年6月7日(就任)以後に取り組んでいる。投資は前の役員のこと」と答弁。「すぐに辞めろ」との声には、「辞めていいとお許しいただけるなら、こんな楽なことはない。その代わり中央会はたぶん、回収できない状態で解散することになるかもしれないが、それでもいいのか」とし、両者の溝を埋めるような空気を醸成することはできなかった。

 説明会終了後、ある出席者は、「踏み倒しの思想だ」と憤りをあらわにした。別の出席者は、「85%返還中止の議決権は本来、年金加入者にあるはずなのに、いわば部外者の議決で、あまりにも一方的なやり方に納得がいかない」と語り、説明会の意義も疑問視する。「微々たるものでも、関係者が私財を投げうつようなことがなければ進まないだろう」との不満も聞かれた。

(掲載日:2005年08月26日)


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