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【熊本】独特な円(まろ)みをたたえる「茶楽(ちゃら)」という“抹茶焼酎”。そのお披露目の発表会が8月2日、菊池市内のホテルであった。主催者は「九州環境保全型農業協同組合」。同組合は無農薬、無化学肥料の自然農法を実践する農家約100戸からなる農水省認可の団体で、「茶楽」は組合員農家と地元の焼酎蔵、酒販店が連携し生まれた経緯がある。自然からの恵みを酒へと転化し、地産地消、地域おこしの輪を広げようとしている。
組合員が丹精を込めて作った米で焼酎ができないか。抹茶も加えればこれまでになかったような焼酎になるのではないか。そんな思いで後藤さんたちが、「手造りのこだわり醸造家を探し」、5年前に訪ねたのが那須酒造場(本格米焼酎「球磨の泉」醸造元、熊本県球磨郡多良木町、那須富雄代表)だった。持ち込まれた米で実際に焼酎を造りはじめて、那須代表は一般米との違いを実感する。「麹菌の入り方が違い、麹造りが非常にうまくいく」。
「茶楽」(有機農産物加工酒類)の原材料は、米麹・米・抹茶。米と茶はともに熊本県菊池産、自然農法・有機栽培で作られたものだ。抹茶は2次醪の段階で加えるが、当初は、「抹茶に含まれるカテキンが発酵を抑えてしまうのではないか」(後藤さん)などの心配もあった。そうしたもろもろのハードルを越えながら、毎年、酒質を向上させていった。
発表日当日からの発売となる「茶楽」。アルコール度43度の原酒で、小売値は720ML3500円(税別)の設定。濃緑のアンティークボトルには組合の銘を記した封がかかる。
「茶楽」の誕生には、地元菊池市の酒販店「渡辺商店」の渡辺義文さん(33)が深くかかわってきた。渡辺さん自身、同組合に所属し米を栽培。その米で那須酒造場に造ってもらったオリジナル焼酎「蔵六庵(ぞうろくあん)」を販売している。酒類の枠を超え、「安心・安全なものを提供したい」とのスタンスで、無農薬・無化学肥料栽培の米をはじめ、生産者の顔が見える卵や豚肉なども取り扱う。「地元にある“宝の山”を伝えていきたい」との思いが強い。